第38回東京国際映画祭にて11月3日に、エドワード・ヤン監督の『ヤンヤン 夏の想い出』の公開25周年を記念し、「『ヤンヤン 夏の想い出』を振り返る」と題して、河井真也プロデューサー、石川慶監督が、田中文人(東京国際映画祭)の司会で登壇。作品制作時のエピソードなどが披露された。今回の映画祭にて、4Kレストア版がジャパン・プレミア、今年12月には4Kレストア版が劇場公開される。
会場では、2000年に監督賞を受賞した第53回カンヌ国際映画祭での上映時のエドワード・ヤンの様子を伝える秘蔵ビデオが、河井プロデューサーの解説により上映などもされ、和やかなに催された。

河井プロデューサーからは、撮影時を振り返り、撮影が台北で始まって1週間ほど経った頃、監督から僕に来てほしいとの連絡があり、ロケ現場に出向いたところ、ラッシュにあたるビデオを見せられ、「どうだろう?」と聞かれ、いいじゃにですかと答えるしかないので答えると、続いて姉ティンティン役を別の子での演技テストの様なビデオを見せられ、これも「どうだろう?」と聞いてくるので、いいじゃにですかと答えると、既に1週間撮影しているのに、ティンティン役を変えて再撮することになりました。日本では難しいですが、、、「それ、早く言ってよ」としか言いようがなかったという、エピソードが語られた。

それを聞いた石川監督からは「それを許してくださり河井さんはすごいですよね。僕はとても怖くて、そんなこと絶対言えないです」と応えるなど、公開から25年の今だからこそ明かされる撮影当時の話に、詰めかけた同作品や監督の多くのファンは聞き入っていた。


STORY
小学生のヤンヤンは、コンピュータ会社を経営する父NJ、そして母、姉、祖母と共に台北の高級マンションで幸せを絵に描いたような暮らしをしていた。だが母の弟の結婚式を境に、一家の歯車は狂いはじめる。祖母は脳卒中で入院。NJは初恋の人にバッタリ再会して心揺らぎ、母は新興宗教に走る……。そしてNJは、行き詰まった会社の経営を立て直すべく、天才的ゲーム・デザイナー大田と契約するため日本へと旅立つのだが。

同作品の4Kレストア版は、2025年12月19日よりシネスイッチ銀座を始め全国映画館にて公開される。奇しくも、日本公開から25年と3日目、同じ週での上映となる。
©1+2 Seisaku Iinkai
	

