椎名うみ「青野くんに触りたいから死にたい」が朗読劇化。
「青野くんに触りたいから死にたい」は天然な女子高生・優里と、死んでしまった優里の彼氏・青野くんを描く“ホラーラブストーリー”。月刊アフタヌーン(講談社)で連載、2022年にはWOWOWでドラマ化もされた。主人公・刈谷優里役を生駒里奈、青野龍平役を赤澤遼太郎が務める。
基本的に朗読劇ではあるが、朗読するキャストの後ろに紗幕がかかっており、そこに映像が映し出され、また、その紗幕の向こうで”芝居”が展開される。
事故で突然他界する青野くん、学校で見かける机に白い花、その花は寂しげ。また、舞台も白を基調にした花で囲まれている。付き合いだしたばかりなのに突然の別離、自殺も考える優里、だが、なんと!幽霊になって現れる!だが、その姿は優里にしか見えていない。だが、その青野の幽霊、なんと違う人格の青野も出てきて、ホラーの要素がじわじわと強くなり、ドキドキしながらも見入ってしまう。
紗幕の後ろでの芝居、そして朗読が物語をよりリアルに感じさせ、映像で時折、ホラーなシーンが。そして、ホラーなシーンに負けず劣らず、人間の怖さもほぼ同時に描かれる。SNSであることないことが拡散されたり、優里に辛く当たる姉・刈谷翠、人の心の闇の怖さは時にはホーラー要素をも凌駕する勢い。
また、朗読する演者、刈谷優里演じる生駒里奈、優里は純粋無垢な少女、だが、憑依されるシーンもあり、そのほか、赤澤遼太郎演じる青野龍平はダークなもう一つの人格もあり、そこの演じ分けがポイントであるが、そこはしっかりと。そして物語が進行するに従って、観客はヤキモキ、青野くんは成仏するのか、優里は?そこは劇場で!
青春恋愛だけでなく、人の業や古くから言い伝えられているおまじないや降霊、そして堀江美桜、ホラー映画に造詣が深く、優里にとっては頼れる存在、登場人物は個性的だが、共感できる性格、上演時間は休憩なしのおよそ110分だが、この110分には多くのことが詰まっている。切なく、甘酸っぱく、そしてちょっと…いや、だいぶ怖いホラーが掛け合わさり、織りなすドラマ、公演は16日まで。
原作あらすじ
天然な主人公・刈谷優里と、その彼氏・青野くんの関係を描く、不思議なラブストーリー。
人生で初めてできた彼氏・青野くんを交通事故で亡くした優里の前に、幽霊となった青野くんが現れる。
優里は、幽霊になった青野くんと付き合い続けるが、次第に青野くんにも変化が現れ……。
著者紹介 椎名うみ
2014年『ボインちゃん』で「アフタヌーン四季賞2014 秋のコンテスト」四季賞受賞。
読み切り『セーラー服を燃やして』『崖際のワルツ』を発表(「good!アフタヌーン」2016年1号、2号に掲載)。
2016年12月より「アフタヌーン」で『青野くんに触りたいから死にたい』を連載開始。
概要
日程・会場:2024年9月11日(水)~16日(月・祝) CBGKシブゲキ!!
出演
刈谷優里:生駒里奈
青野龍平:赤澤遼太郎
藤本雅芳:梶原岳人/濱健人/汐谷文康
堀江美桜:竹内夢/星守紗凪
刈谷翠:渡辺みり愛
堀江春希:狩野翔/織部典成
阿川しづ音、荒井瑠里、金澤慎治、川口飛雄我、坂口実成夢、白石翔太、豊永実紀、美藤大樹、真島淳、和田望伶
スタッフ
原作:椎名うみ(「月刊アフタヌーン」連載/講談社)
演出:田邊俊喜 ほか
主催:eeo Stage/株式会社A3
原作『青野くんに触りたいから死にたい』
舞台公式サイト:https://eeo.today/stage/title/voice_readingdrama_aonokun/
(C)椎名うみ/講談社 ®KODANSHA
(C)2024 朗読劇『青野くんに触りたいから死にたい』 /eeo Stage