LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」2024 PARTⅡ秀華祭 開幕

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」2024 PARTⅡ秀華祭 東京・THEATER MILANO-Zaにて開幕。
本公演は、2023年に上演された初演を「PARTⅠ STARRY」、新作である続編を「PARTⅡ 秀華祭」と銘打ち、公演期間の終盤にはPARTⅠとPARTⅡを同日に通して見られるスケジュールも組まれている。
後藤ひとり(演:守乃まも)は、極度の人見知りで陰キャな高校生。学校に友達はいないものの、インターネットの世界では、流行の音楽をギターで演奏した動画チャンネルを作り「ギターヒーロー」として人気者となっていた。そんなひとりが、あるきっかけで伊地知虹夏(演:大竹美希)、山田リョウ(演:小山内花凜)、喜多郁代(演:大森未来衣)とバンドを組み、“結束バンド”としてライブハウス「STARRY」で初ライブを成功させるところで前作は終了した。(PARTⅠとして21日から3公演上演の予定)

PARTⅡは、夏休みの終わりの後藤家の様子から物語が始まる。
今日もどこに出かけることもなく、家で過ごすひとり。妹のふたり(岡 菜々美と津久井有咲のWキャスト)にギターを教えるなどして過ごすも、ふたりも予定が詰まっていて忙しい様子。「空いてるんじゃなくて、空けてるんだ!」と自分に言い聞かせるひとりは、結束バンドのメンバーと遊びに行こうと一念発起するがコミュ症ゆえに思いきれない。しかしバンドのメンバーたちが奇行を続けるひとりの様子にようやく気づき、みんなで江ノ島へ遊びに行くことになった。


江ノ島で思い出を作った夏休みが終わると、2学期が始まった。2学期のメインイベントは何といっても文化祭。結束バンドとしてステージに立ちたい…とひとりは思うものの、ステージ募集の申請書を提出する勇気は出ない。無理だとあきらめていたところに、喜多が「申し込み、しておいたからね!」と。ひとりが捨てたはずの申請書を拾って、文化祭ステージへの出場申請をしておいたというのだ。果たして結束バンドは、無事に文化祭ライブを成功させることができるのだろうか…?

 

新作公演であるPART Ⅱの最大の見どころは、やはりクライマックスの文化祭ライブ。それに加えて江ノ島でのメンバーたちの思い出作り、SICK HACK(廣井きくり/演:月川 玲、岩下志麻/演:未結奈、清水イライザ/演:斉藤瑞季)のライブといった、原作でも大きな人気のあるイベントも盛り込まれ、楽しさが詰まった公演になっている。

序盤は、浜辺のギタ男、はじけるぼっちなど、前作同様「それもそのまま舞台で表現するの」と思わず笑ってしまうギャグ要素もふんだんに取り入れながらにぎやかに進んでいく。ここでは、下北沢から江ノ島へ電車で移動する時間の表現がかわいらしい。アナログの駅看板と音楽とダンスで、どんどん海へ近づいていくワクワク感が高まっていく。江ノ島に着いてからは、ギャグシーンも多く「この1シーンのためにわざわざこのセットと演出を…」と拍手を送りたくなる箇所も多い。セットは、

後半に登場する文化祭の各模擬店もまさに「高校の文化祭」らしく、懐かしい気持ちになる。
夏休みの思い出を作れた…とじんわり喜ぶひとり、陽の光を浴びて“陽”のパワーが全開になる喜多ちゃん、自由なリョウ、苦労人の虹夏。それぞれが江ノ島を満喫し、バンドメンバーが結束を強めていく様子に注目を。

出演キャストたちは皆、昨年の公演を経てさらに結束力が高まり、演奏も芝居もパワーアップさせて戻ってきた。役とのシンクロ率がさらに高くなり、演奏技術もアップしている守乃、文化祭を通じてひとりとの関係性が深まっていく喜多ちゃんを見事に表現している大森、しれっとしたセリフの中にもリョウらしさがにじむ小山内のセリフ回し、ドラムとしても役としても作品を引き締めて明るさを与えてくれる大竹。中盤から後半にかけては、特にひとりと喜多ちゃんのやりとり、虹夏とリョウの先輩コンビの芝居が見どころだ。

この4人を支える大人役である星歌(演:河内美里)とPAさん(演:堀 春菜)は、大きな存在感で舞台に重きを与えている。さらに、ぼっち~ずの面々は昨年をさらに上回る大活躍。クラスメイトに、家族に、イマジナリーフレンドに、江の島のパリピにと、まさに八面六臂の活躍を見せる。

文化祭ライブでは、演奏はもちろん、そこで起こるある出来事にまつわる各キャストの芝居をぜひ見逃さないでほしい。「信じている」と言わんばかりの喜多ちゃんの覚悟を決めた表情とその後の笑顔、リョウと虹夏の一瞬のアイコンタクトでのやりとり、曲中でのひとりの心理の変化…。それらが、オンタイムでおこなわれる一曲の中にぎゅっと集約されている。

この文化祭ライブと、中盤にあるSICK HACKのライブでは、共通した特徴的なある演出がつけられている。漫画・アニメなどを原作とした2.5次元舞台としては大きな挑戦と言っても過言ではないが、「作品のライブシーンを見ている」のではなく「ライブの観客としてそこに存在している」と感じるに違いない。観る人の誰もが新宿FOLTの観客となり、体育館でライブを楽しむ生徒にもなれるだろう。参加者のひとりとして、その場で起こることに身をゆだねてこのライブを体感してほしい。
文化祭ライブの興奮のまま、今回は公演の最後に、舞台版・結束バンドによるミニライブが用意されている。思いきり盛り上がり、時には「音を聴き」、音の圧を浴びて、それぞれに心ゆくまで本作を味わってほしい。

また、14日(土)12時から16日(月・祝)の23:59まで、アニプレックス公式YouTubeチャンネルにて昨年の千秋楽公演が無料プレミア公開されている。本作が初めての人や、去年のおさらいをしたい人はこちらで予習復習をしつつ、見どころが満載のPART Ⅱを観劇・ライブ参加して、思う存分没入“ろっく”体験を。
公演は9月23日(月・祝)までTHEATER MILANO-Zaにて。チケット情報、配信に関しては公式サイトを要チェック。
また、早くもBlu-ray&DVD発売決定。 発売日は2025年3月26日。

公演概要
タイトル:LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」2024 PARTⅠ STARRY / PARTⅡ 秀華祭
原作:はまじあき「ぼっち・ざ・ろっく!」(芳文社「まんがタイムきらら MAX」連載中)/
TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」

脚本・演出:山崎 彬
CAST
後藤ひとり : 守乃まも
伊地知虹夏 : 大竹美希
山田リョウ : 小山内花凜
喜多郁代  : 大森未来衣

伊地知星歌 : 河内美里
PAさん   : 堀 春菜
廣井きくり : 月川 玲
岩下志麻  : 未結奈

ギタ男   : ピーターピーター
ファン1号 : 山崎里彩
ファン2号 : 園田 光

後藤直樹/吉田銀次郎 : 野田裕貴(梅棒)
後藤美智代/清水イライザ : 斉藤瑞季
後藤ふたり : 岡 菜々美/津久井有咲(Wキャスト)

STAFF
美術    : 竹邊奈津子
照明    : 勝本英志(Lighting Lab)
音響    : 中島 聡(ALMIGHTY)
映像    : 森 すみれ/荒川ヒロキ
振付 : 浅野康之
衣裳    : 木村春子
ヘアメイク : 糸川智文(STRINGS)
音楽監督  : 楠瀬拓哉(OVERCOME MUSIC)
音楽コーディネート : Kuboty
ローディーテクニシャン : チームアクティブ
小道具   : 羽鳥健一
演出助手  : 藤嶋 恵
舞台監督 : 仲里 良
宣伝美術  : 橋本 悟(threelight)
主催 : LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」製作委員会

公式サイト https://bocchi.rocks/stage
公式X @BTR_stage

©はまじあき/芳文社・アニプレックス
©LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」製作委員会