佐藤流司, 高橋克典, 花總まり etc.出演 明治座公演 舞台『応天の門』製作発表会レポ

2013 年より「月刊コミックバンチ」「コミックバンチ Kai」(新潮社)にて連載中の歴史漫画「応天の門」。気鋭の作家・灰原薬が手掛ける本作は、平安時代を舞台に、学問の天才と称される菅原道真と、都で随一の色男である在原業平がタッグを組み、京の都で起こる怪奇事件を次々と解決していく様を描く歴史クライムサスペンス。

都内で製作発表会が行われた。なお、今回の会見には一般のお客様も。賑やかな会見となった。
まず、MCより作品の解説があり、それから佐藤流司、高橋克典、花總まり、演出の青木豪が登壇した。
簡単な挨拶。佐藤流司は自身が演じるキャラクターについて「引きこもりのエリート」と評した。

また、高橋克典は「役者人生14年目、本日が一番緊張しております」と謙遜。花總まりは「唐からの渡来人、女主人」と自身の役柄を。演出の青木豪は「原作の漫画を読んですごく面白かったので、お引き受けさせていただきました。素敵なキャストに恵まれてます」と挨拶。
それから原作者からのメッセージが読み上げられた。「豪華制作陣出演者の皆様に恵まれて…原作漫画家として大変光栄です…予想以上、期待以上のものを読み取って、様々ご提案くださり、制作陣の皆様に安心して作品をお任せしております」とのこと。このコメントを聞いて佐藤流司は「改めて気合が入った次第です」とコメント。

それから質疑応答。改めて役柄についての質問。舞台化発表の際にSNSで「ハマり役」と話題になった本作。「(克典さんから)原作通りというお墨付きをもらっています。あとは芝居さえついてくれれば、何の問題もなくできるのでは?と思います」と佐藤流司。また、高橋克典も「ハマり役」とSNSで話題に。「原作を読んで『なるほど』と…風流人、久しぶりの女性がらみだったり、反面、検非違使(けびいし)という顔も。かっこいいので、くすぐったい…その辺のバランスをうまくできたら」と役つくりにも言及。また「原作の世界観が素敵です。皆さんと一緒に平安を旅できるような、そして、人間らしい右往左往できるような空間を作れれば」と意気込みを。
また佐藤流司は多くの2.5次元ミュージカルに出演。「得意分野です。漫画のコマとコマの間でどう動いているのかを考えるように。表情が原作を愛している人が見た時に(作品と)リンクするように考えています」とコメント。
漫画原作といえば、テレビドラマだが、高橋克典は『サラリーマン金太郎』や『特命係長只野仁』の主演。「2.5次元のハシリ」といい「原作ファンの気持ちも裏切らないようにやってきている」と語った。また、初共演となる佐藤流司と高橋克典だが、「若い方は初めての方も多い」とコメント、「何から話したらいいのか」と言い、「今の若い方はなんでもできる、僕は不器用なので…」とちょっぴり不安げ。

それを聞いている花總まりは「稽古が楽しみ。佐藤流司くんはガチガチ、高橋克典さんは不器用。どんな変化を遂げられて、公演が終わる頃にはどうなっているんでしょうか」とコメント、それは観客側も楽しみ。
佐藤流司は改めて意気込みを聞かれて「まず原作が本当に好きで面白い。頭も使うし、謎解きだったりする、勧善懲悪じゃないですけど、すっきりするような気持ち良く気持ちよくなるような作品。間違いなく成功する作品」と自信をのぞかせた。
演出プランについては青木豪から「絵巻物」という答えが。物語の舞台は平安時代。平安京を舞台に巻き起こる怪奇事件、真相は人間たちが引き起こしたものとして解決される。事件の背景が朝廷で勢力争いを繰り広げていた藤原氏や伴氏といった有力貴族が何らかの形で関わっているなど、歴史ものとしての側面も。また監修には東京大学史料編纂所の本郷和人が担っている。また、花總まりといえば”ミュージカル”、歌唱シーンが用意されているとのこと。どの場面でどんな歌を歌うのかはお楽しみポイント。

会見では終始緊張気味の佐藤流司、最後の公演PRでは「今、緊張がどんどん増して吐きそう」といい、「原作でも主人公の菅原道真は初っぱなに吐きそうになるので、役作りは完璧と言わざるを得ない」と笑わせた。「錚々たる方々と作品を作ることができて光栄。素晴らしい演劇体験をさせるぞという気合で臨みます」と締めた。

物語
げに恐ろしきは 人間か物の怪か───
門によって護られ、門によって隔絶された都市、平安京。
満月の夜、京の守護につく在原業平(高橋克典)は逢瀬を終えた帰路の途中、屋敷の屋根の上に怪しげな人影を見る。鋭い目つきで業平を見つめる少年は、若き文章生である菅原道真(佐藤流司)であった。
ある日、業平の親戚で道真の級友でもある紀長谷雄(中村莟玉)に、行方知れずの小藤(坂本澪香)という女官を誘拐した嫌疑がかけられたことで、真相解明のため2人はタッグを組むことに。遊技場の女主人である昭姫(花總まり)、菅原家に仕える女房・白梅(高崎かなみ)の力を借りて事件を解決した道真は、業平から頼りにされ、源融(篠井英介)が催す宴席に招かれるなど、不本意ながらも宮廷での出来事に関わっていく。
宮中では、幼い帝に代わり政を牛耳ろうと目論む藤原良房(青山良彦)・基経(本田礼生)、藤原家に代わり実権を掌握しようと策謀する伴善男(西岡德馬)・中庸(白石隼也)など、一族の権力争いが渦巻いていた。
様々な思惑がうごめく中、次々と起こる怪事件に道真も巻き込まれることに……。

概要
日程・会場:2024年12月4日(水)~12月22日(日) 明治座
原作:灰原 薬 『応天の門』(新潮社「コミックバンチ Kai」連載)
脚本:桑原裕子
演出:青木 豪
出演
佐藤流司 高橋克典/中村莟玉 高崎かなみ 本田礼生 白石隼也 坂本澪香/
青山良彦/八十田勇一 若狭勝也/篠井英介/西岡德馬/花總まり(特別出演)

明治座公式サイト:https://www.meijiza.co.jp

Ⓒ灰原薬/新潮社