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2025年3月7日から『聖剣伝説3 TRIALS of MANA THE STAGE』が上演される。『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』とは、『聖剣伝説』シリーズの3作目として1995年に発売されたアクションRPG 『聖剣伝説3』のフルリメイク版として発売され、世界累計出荷・DL販売本数100万本を突破した超人気作だ。
マナの力を利用し世界征服をたくらむ勢力の争いに巻き込まれながら、必死に運命に抗う若者たちの旅立と試練の物語が、待望の舞台化を果たす。豪華キャストによる繊細な演技、世界観に没入できる壮大な映像演出舞台化による新たな6人の物語となる。
脚本・演出は、ファイナルファンタジーシリーズ初のストレートプレイでの舞台化『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE』、大ヒットゲーム、『NieR:Automata』と世界観を同じくする『舞台ヨルハ』シリーズの演出『NieR:Automata FANFESTIVAL 12022 壊レタ五年間ノ声』コンサート朗読劇パートの演出、などを務めた松多壱岱が手掛ける。
草原の王国フォルセナ出身で国を愛し、負けず嫌いな性格の傭兵として仕えるデュラン役は、メインダンサー&バックボーカルグループ『超特急』2号車・カイとして活動中の小笠原海、初の主演舞台に挑む。
デュランとともにパーティーを組む仲間として、ケヴィン役・青柳塁斗、アンジェラ役・飯窪春菜、リース役・礒部花凜、ホークアイ役・阿久根温世(ICEx)、シャルロット役・宮崎あみさが登場。
さらに、アンジェラの母で魔法王国アルテナの理の女王役に最上もが、デュランが旅に出るきっかけとなった紅蓮の魔導師役に高尾颯斗(ONE N’ ONLY)、ケヴィンの父親でビーストキングダムの獣人王役に桜庭大翔、妖艶な美女の姿をした美獣イザベラ役に野本ほたる、聖都ウェンデルで暮らす神官ヒース役を山本龍人(ICEx)が演じる。また、草原の王国フォルセナの王・英雄王/リチャード役に石坂 勇、竜帝に仕える黒耀の騎士/ロキ役に高木トモユキ、ビーストキングダムに不意に現れた妖魔、死を喰らう男役に原西孝幸(FUJIWARA)、ガラスの砂漠にいるドラゴン族の竜帝役に合田雅吏と、ベテラン勢も揃った。舞台化にあたって脚本・演出の松多壱岱に作品の舞台化のきっかけ、見どころについて語っていただいた。
ーーこの作品の演出オファーの感想からお願いします。
松多: 4年前ぐらいからスクエア・エニックスさんの舞台やアプリのシナリオ監修をやったりしまして。そういった経緯もあり、『聖剣伝説3 TRIALS of MANA THE STAGE』の企画の立ち上げからお手伝いさせていただいたので、実現できて嬉しいです。歴史ある有名タイトルなので、やりがいを感じています。
ーー企画の立ち上げがおよそ4年前ということですが、作品自体をトータルで見ることができたのではないでしょうか。
松多:そうですね、この『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』はゲームの冒頭で、6人のキャラクターの中から、主人公とその仲間になるキャラクターの合計3人のパーティーを作る。誰を主人公にするかで、ストーリーが分岐してエンディングが変わるんです。
今回の舞台化において、キャラクター愛が強い原作からのオーダーで、6人を主役にしたストーリーにしたらどうかという話があり、舞台オリジナルの6人パーティでのストーリーとなりました。
3人の主人公だけでも30時間プレイ時間が必要、それを6人でやる、倍以上の尺があるものをエンディングまで網羅、1回で『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』を全部プレイしたようなイメージです。舞台としてどう表現するかということを念頭におき、全体をピックアップして構成していきました。
ーーメインキャラクターのデュランが男気のあるキャラクターで、それからアンジェラが、魔法王国アルテナの王女、一人娘、いわゆる”お嬢”。
松多:ちょっとおてんばな感じですね。
ーーケヴィンが獣人王と人間の間に生まれたハーフで、リースがローランドの王女だけれどもアマゾネスのリーダー、シャルロットが司祭の孫娘でホークアイがナバール盗賊団。
松多:シャルロットはエルフの血を引いているために肉体の成長が常人より遅くて、幼い外見をしているという設定です。
ーーゲームをやった方も見たことのないようなキャラクター同士の絡みが見れるという…ゲームでは絶対にできない6人のキャラクター、6人のパーティー、ゲームをおやりになる方にとってはそこがポイントなのかな、と。
松多:知ってるはずなのに、観た事のないシーンであったり、新しいものを味わえると思います。
ーーゲームをやらない方でもいわゆる冒険譚、成長物語として観れる。
松多:元々、6人のキャラクターがすごく立ってて、そこに葛藤なりがあって…その葛藤を乗り越えていく、成長していくというストーリーです。そのストーリーが舞台として、合ってるというか、やりがいがあるものになっているかと。
ーー青少年が困難を乗り越えていく……2.5次元舞台では王道ですね。
松多:王道ですね。
ーー感情移入しやすい。
松多:ゲームもそういう感じしますよね。感情移入しやすい主人公を選んでプレイする。
ーー見どころはやはりアクション…。またゲームならではのエフェクトを舞台ではどう見せるかがポイントですか。
松多:そうですね。何十時間もプレイしなきゃできないストーリーを2時間半にまとめてるので、舞台転換もすごく素早くできるような工夫とか、もちろんマッピングもそうなんですけど、今回、魔法とかをレーザーできっちり表現したりとか…わりとそういった要素を多めに演出していく予定です。
ーー魔法とかを舞台でやるのは結構難易度が…。
松多:お客さんの想像力を刺激するというやり方での演出…実際に魔法が出せるわけではないので、音だったり、役者の演技で想像力を刺激して魔法がそこにあるように見せるといった工夫ですね。
ーー例えば30年前だと、こういう舞台は技術的にはできなかったですよね。
松多:そうですね。原作側もやっぱり最初、舞台化の話聞いたとき、”ちょっとどうなのかな?”と思ったところ、僕の舞台を観に来てくださって”今のゲーム原作の2. 5次元舞台って、こんな表現をやってるんだ”ということで、おまかせしようというふうに思っていただけたという流れがあります。今の舞台表現技術は進化してますから。
ーー今、2.5次元舞台が増えてますが、舞台技術が向上しているというのも一つの要素かなと思えます。
松多:どう表現するか、ですよね。舞台ってすごく可能性がありますね。あとは特殊効果とか、LEDパネルとかも出てくるのかなとか、ホログラムの世界なのかな〜みたいな
ーー例えば、大昔は野球の消える魔球も棒の先にボールくっつけて、消える時は黒い布を被せる…。
松多:それは逆に、今は新しい(笑)。
ーー現在の技術では簡単に消せますね。
松多:映像で消せますね。
ーー今の最先端舞台技術も見せどころの一つになりますね。
松多:そうですね、そこはあると思います。
ーーキャストさんにコンボイの石坂さんや合田さん、ベテランさんが入って頼もしいですね。
松多:そこは楽しみですね。いらっしゃると重みを出してくれますよね。
ーー歴史のあるゲーム。年配の方も知ってる…30年前にゲームはまってた人たちは…。
松多:40代とか50代。
ーー2.5次元舞台も、以前と比較すると定着してきてますね。重複しますが見どころを改めて。
松多:6人のパーティーが集まって…これですね。あとはセットがダイナミック、魔法の演出、それと衣裳、この制作チームが素晴らしくて衣裳を妥協することなく作っていただいている、他では見られないレベルのものですので、これは本当に『生』で観ていただきたいですね。
ーー最後に読者へのメッセージを。
松多:ゲームの最初からエンディングまで網羅しているのでゲーム知らない方でも絶対楽しめる、ストーリーもわかりやすいです。登場する主人公6人、その誰かに感情移入して成長を楽しめる冒険物語であるということと、今の2. 5次元を代表するような演出効果満載であること、キャストも衣裳も豪華です。チケットはまだ買ってないけど、ゲームをやっていた方々にもぜひ観にきていただきたい。
ーーありがとうございました。公演を楽しみにしています。
物語
世界がまだ闇に閉ざされていたころ、マナの女神は、世界を滅びに導く神獣を『マナの剣』によって打ち倒し『マナストーン』に封印した。
時は流れ、──今、平穏は終わりを告げようとしている。
魔法の源であるマナの減少、そして世界を我が物にしようと企むものたちによって。大いなる陰謀の渦に巻きまわれた6人の若者たち。
1人は真の強さを求めて旅立つ。
1人は親友の蘇生を胸に秘め、夜の森を駆け抜ける。
1人は愛するものを救うため、逃亡者として故郷を後にする。
1人は帰る場所を失い、絶望とともに国を発つ。
1人は大切な人を探すため旅に出る。
1人は国家の復興を誓い、走り出す。
各々が運命に抗うため『マナの剣』を求め、ついにその道は交差する。
運命に翻弄された彼らの選択は如何に、そして暗躍する悪の存在から世界を救うことができるのだろうか!?
概要
日程・会場:
東京
2025年3月7日〜16日 サンシャイン劇場
大阪
2025年4月4日〜4月6日 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
スタッフ
原作:「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」(スクウェア・エニックス)
脚本・演出:松多壱岱
音楽:菊田裕樹
出演
小笠原海(超特急) / 青柳塁斗 飯窪春菜 礒部花凜 阿久根温世(ICEx) 宮崎あみさ / 最上もが 高尾颯斗(ONE N‘ ONLY) / 桜庭大翔 野本ほたる 山本龍人(ICEx) / 石坂勇 / 高木トモユキ 原西孝幸(FUJIWARA) / 合田雅吏 ほか
公式サイト:https://seiken3-tom-stage.com
公式X:https://x.com/stage_seiken
©SQUARE ENIX
取材・構成:高浩美