
水木しげる没後10年にあたる本年。舞台『ゲゲゲの鬼太郎 2025が、明治座にて8月2日より開幕、8月21日から新歌舞伎座で上演される。
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)の豪華声優陣の出演、22年上演の舞台『ゲゲゲの鬼太郎』にも出演した声優界の巨匠である目玉おやじ役・野沢雅子に加え、ぬりかべ役・島田敏、一反もめん役・山口勝平が声の出演。
『ゲゲゲの鬼太郎 2025』、つまり、時代設定は現代。ねずみ男がサングラスかけて(笑)、プロフェッショナル風「ビビビちゃんねる」なるものを(笑)。ちなみに通称は「ビビビのねずみ男」。彼らは歳を取らないので、あの風貌のまま、21世紀にいる。ねこ娘はSNSに夢中、スマホをいじる、ねずみ男がSNSで悪巧みをしていることを知る。
今回、鬼太郎の敵となるのは西洋妖怪、吸血鬼。強大な妖力を持つ吸血鬼カミーラ、オーラがすごい!彼女に使える吸血鬼エリート、腰が低い。彼らの壮大な目的、世界を征服すること。一方、SNSを始めたねこ娘はフォロワーがいま一歩、伸びない。そこで憧れていた人気インフルエンサーのムサシPに教えてもらうために接触を図る。
お金の匂いに敏感なねずみ男は西洋妖怪たちに取り入ろうと考える。鬼太郎はアナログ、人間たちは鬼太郎に助けを求めたい場合は妖怪ポストに手紙を投函する。そんな折、ねずみ男は1人の謎の女性に出会う。その女性は、なんとねずみ男の妹かもしれないと言い、普段は現実主義者で金儲けのことしか頭にないねずみ男だが、ロマンチストなところもあり、その女性の話にねずみ男は…。
SNS、スマホ、インフルエンサー、フォロワーetc.まさに旬のものを取り入れつつ、元の世界観はそのままで現代で活躍する鬼太郎たち。彼らに敵対するキャラクターはアニメにも登場するが、ちょっと舞台らしいアレンジが加えられている。そして、ムサシPは舞台だけのオリジナルキャラクター、このムサシPがどう絡んでいくのか、そこはお楽しみ。


荒牧慶彦の鬼太郎は、前作同様にアニメから出てきたような風貌、冒頭からアクション。セット、特に鬼太郎の家がある森、これがなかなかアート。声だけの出演で野沢雅子らのセリフが聞けるのはアニメファンなら、テンションが上がる瞬間。ねずみ男、お金と権力が大好き、いかにも権力者風情のカミーラに近づきたくなるのも納得。


ねこ娘の上坂すみれは声優としてのキャリアは書ききれないくらいだが、本格的な舞台はこの作品のみだが、抜群のねこ娘、アクションシーンも注目。大塚明夫のねずみ男、アニメの第一期と第二期、ラジオドラマの声は実父の大塚周夫、この役は富山敬や千葉繁など錚々たる声優陣が担ってきた。


大塚明夫は今回の舞台版には初参加だが、「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」ではねずみ男を演じており、ここは声優ファンなら、舞台版も要チェック。そして浅野ゆう子のカミーラが!すごいラスボス感!さすがの存在感。その彼女に仕える植田圭輔演じる吸血鬼エリート、催眠ギターを駆使、カミーラの前での控えめさはアクセントに。廣野凌大は唯一の舞台だけのキャラクター、イマドキ感満載の格好、雰囲気。そして美弥るりかの謎の女、2幕では「そうだったのか!」なので、ここは明治座で確認してほしい。2幕もの、休憩は35分、1階喫茶花やぐら&2階喫茶ラウンジにて公演限定・鬼太郎茶屋コラボメニューがあるので、観劇の記念に。
ゲネプロ前の合同取材会には荒牧慶彦、大塚明夫、上坂すみれ、植田圭輔、廣野凌大、美弥るりか、浅野ゆう子が登壇。大塚明夫、植田圭輔、廣野凌大、美弥るりかは舞台「ゲゲゲの鬼太郎」初参加。
まずは挨拶。
荒牧慶彦「前回に続き、この国民的キャラクターである者を演じられることを本当に嬉しく思っております。初日を迎えられることをすごく楽しみにしておりました。今回も素晴らしい俳優陣の方々と共演できて、水木しげる先生の原作と、アニメの世界観をしっかり踏襲しつつ、この鬼太郎の世界観をお客様に見ていただけることを本当に楽しみにしております」
大塚明夫「亡くなった父が昔やった役でございまして…これも一つの供養かなと。今回舞台に立たせていただきます。頑張っておりますので、夏休みでございます、皆さんに観ていただけると大変嬉しく存じます」
上坂すみれ「ねこ娘ちゃんを演じることができて本当に嬉しいと同時に人生で出演した舞台はこちらのみなので本当に緊張しています。でも今回のねこ娘ちゃんはちょっとアニメでいうと第6期…髪色ですとかそういう雰囲気になっているので、新たなねこ娘ちゃんの魅力が引き出せたら嬉しいなと思います。精一杯頑張らせていただきます」
植田圭輔「吸血鬼のエリート役を演じます。今作からの参加ということで前作からこの世界観を大切に届けてくださったメンバーとできることを精一杯…応援のほどお願いいたします」
廣野凌大「僕だけ舞台オリジナルキャラクター、皆さんと違って僕だけ人間役なので、まるで鬼太郎の世界に迷い込んだ気分、本当にあの世界へ迷い込んだら…光栄です。よろしくお願いいたします」
美弥るりか「謎の女を演じます。小さい頃からずっと見続けてました。この舞台で自分も(作品の)一員として参加できてとても光栄に思っております。謎は劇場の方でぜひ確認し来ていただければと思っております」
浅野ゆう子「吸血鬼カミーラを演じさせていただきます。前回は砂かけ婆を演じさせていただきました。鬼太郎ファミリーの一員で繋がる…この度は敵対する西洋妖怪でございます。その親玉として、コウモリと吸血鬼たちをいろいろ指示させていただきます。前作もすごく素晴らしかったんですが、今作はエンターテイメント性が高く見ていて、映像のような美しさの舞台であったり、セットがアニメのようであったり、またそれぞれ皆さんのキャラクターが非常に特殊なキャラクターお持ちの方ばかりで…夏休みなので小さいお子さんから大人の皆さんも楽しんでいただけるとっても素敵な作品に仕上がったなと思います。まずは何と言っても鬼太郎があまりにも素敵で!もう少したくさんのお客様、リピーターも結構ですので、足をお運びいただけると私達全員うれしゅうございます」
それから質疑応答、自画自賛ポイントを聞かれて荒牧慶彦は「下駄でめちゃくちゃ早く走れるようになりました(笑)。もう体の一部になりまして」鬼太郎の走りっぷりに注目。また、ねずみ男を演じる大塚明夫は「ねずみ男こんなにたくさん喋ると思いませんでしたからちょっとびっくりしてひっくり返って屁が出てしまいました(笑)」と言い、上坂すみれは「私は普段声優をやってますが、本当に生まれてから今まで殺陣というものに馴染みがなかったので、まだ本当にゼロから殺陣の何たるかを教えていただきまして。ねこ娘ちゃんは結構、すばしっこいっていうのがスタイルなんですけど、50mを走るのに12秒かかる私、そうすごく運動神経のない中で…本当に優しいカンパニーの皆様が教えてくださって、どうにかねこ娘っぽい。動きを練習することができました」と語る。植田圭輔は「稽古中は、劇中の日替わりシーンに悩まされていました。お客様のお力をお借りして、“最適解”を見つけていきたい」とコメント。また、カリスマインフルエンサーを演じる廣野凌大は「カメラ前で何かやったりとか…逆な人間なのでカメラ前で笑顔になるっていうところに一番苦労しました」美弥るりかは「普段あんまり女性らしい役っていうのはあんまりないので…、大塚さんとお芝居させていただくシーンはもちろん、(『カチューシャかわいい』と大塚明夫)私本当にプライベートでもカチューシャとかをつけることがないので、そわそわしつつ、大塚さんも上坂すみれちゃんもそうですけど、声優のお仕事されてる方がいろんな声色使ってこんなにたくさんいろんな表現があるんだと…すごく刺激を受けました」と語り、浅野ゆう子は「そうは見えないかもしれませんけど、今度もスカートも重く、そしてこのカツラ、トータルで15キロはあると思います。階段の上り下り、またまたかけたりとか、この年齢で。この夏はエクササイズになると思っております」と笑わせた。
最後にお客様に向けて
荒牧慶彦「この夏にぴったりな作品になっていると。原作の世界観をしっかりと踏襲しつつ、舞台ならでの演出で、本当に楽しいエンターテイメントになっていますので、僕らのファンの方々はもちろん、僕らは知らなくても、ゲゲゲの鬼太郎というキャラクターだったり、作品が大好きな方々、皆様に観ていただきたいと思っております。明治座にてお待ちしております」
概要
公演名:舞台『ゲゲゲの鬼太郎 2025』
会期会場:
東京:2025年8月2日(土)~16日(土) 明治座
大阪:2025年8月21日(木)~25日(月) 新歌舞伎座
脚本・演出:堤泰之
出演:
荒牧慶彦 大塚明夫 上坂すみれ
植田圭輔 廣野凌大/美弥るりか/浅野ゆう子/野沢雅子(声の出演) 島田敏(声の出演) 山口勝平(声の出演) 長友光弘(響) 砂川脩弥 白井美貴 浅野琳 大城麗生 中土井俊允 矢吹百花 山田隼人 渡邉陸
公式サイト:https://gegege-stage.jp/
©水木プロ・東映アニメーション
©舞台「ゲゲゲの鬼太郎」製作委員会