ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』ピーターパン役 山﨑玲奈インタビュー

1981年に榊原郁恵の初代ピーターパンが新宿コマ劇場に舞い降りて以来、日本でも多くの大人と子どもに親しまれてきたミュージカル『ピーター・パン』。43年目を迎える今年は、装いが大きく変わる。
昨年の公演で惜しまれながらも卒業した吉柳咲良の後を継ぎ、11代目となるピーターパンを演じるのは、第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン(TSC)「ミュージカル次世代スターオーディション」でグランプリを獲得した山﨑玲奈。
すでにTSC参加以前にミュージカル『アニー』で主演を務め、その才能の片鱗を見せていた。受賞後には、アジア進出で大きな話題を呼んだミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』に出演し、高い歌唱力を発揮し注目を浴びた逸材。演出は長谷川 寧。もうすぐ初日、ピーター・パン役の山﨑玲奈さんのインタビューが実現した。

ーー会見などと重複する質問で恐縮ですが、改めてピーター・パンに決まった感想をお願いいたします。

山﨑:『ピーター・パン』は『アニー』をやってた頃からずっと憧れていた作品だったので、嬉しいというよりも一番最初に「え?!私ができるの?!」という驚きが来ました。

ーー稽古の様子やカンパニーの皆さんについてお願いいたします。

山﨑:カンパニーの皆さんはすごく優しくって温かい方々ばかりで皆さんと「こうしたらいいかな」と試行錯誤しながら、楽しく稽古できています。フック船長役の小野田さん、ウェンディ役の岡部さんとは関わるシーンが多いので、アドバイスしていただいたり、「こうした方が構図的にもいいように見える」とか、いっぱい助けてくださるので、私も「なるほど」って。演出の寧さんだけでなく一緒に作っている方達からいろんなアドバイスをいただいて、参考になってます。本当にフック船長の小野田さんとウェンディの岡部さんは頼れるお二人です。演出家の寧さんは、ガラッと演出を変えていらして、お稽古ではかなり動いてはいるんですけど、一つ一つの細かい動きも、かなりこだわっていらして。そういうところも、私なりに研究してるんですけど、一つひとつ、ただ単に踊ってるというダンスではなく、その身体から何を伝えるか、そういう演出をされています。私もそんなスタイルは見たことがなかったので、難しいなと思っています。皆さんで「確かに、第三者から見たらいっぱい伝わってくるものがある部分があるんだな」って、毎日楽しく稽古をしています。

ーーキャラクターについてお尋ねいたします。ピーター・パンと似ているところ、共感できるところと「ここは私とだいぶ違う」というところをお願いいたします。

山﨑:ピーター・パンは結構ヤンチャな男の子で、明るくてイケイケなところがあると思うんです。実は私もヤンチャでやらかしちゃうところはすごく似てるのかな?と(笑)。明るくてみんなを巻き込んで、「やってやろうぜ!」みたいな、本当に自分も小さい時はそうだったので、「一緒だー」って思っているんですね。なおかつ、ネバーランドでは、フック船長かピーターかというくらいリーダーシップがあるんですけど、残念ながらそれは自分にはないところ。 ロストボーイズやみんなをまとめる力がピーターにはものすごくあると思いますね。私は友達さえまとめられないタイプなので、そこは私とは違うかな(笑)。

ーー『ピーター・パン』の前に『アニー』などいくつかのミュージカルに出演なさってますが、ご自身にとって『ミュージカル』とは?

山﨑:小さい時から母と一緒にミュージカル映画やディズニー映画を観てきて、当たり前のもの、ミュージカルのない世界はありえないぐらいの、いつも自分のそばにいるものっていうイメージです。ミュージカルがなかったら、今頃は夢とか見つけられていなかったし、ミュージカルに触れたことで歌やお芝居、ダンスとか大好きなものに出会うことができたので、かけがえのないものだなって思っています。

ーーちなみに生まれて初めてみたミュージカルって何ですか?

山﨑:『レ・ミゼラブル』だと思います。

ーー本格的ミュージカルですね。

山﨑:内容は全くわからなかったです(笑)。母がミュージカル好きで家にDVDがたくさんあって、歌に引き込まれたのか、お芝居に引き込まれたのか…そこからミュージカルを観るようになりました。

ーーちなみに『レ・ミゼラブル』を観た時はおいくつだったんですか?

山﨑:多分、2歳?なんだかわからない状況で観てました(笑)。

ーーその他には?

山﨑:「ウエストサイドストーリー」。4歳頃に観て、もちろん内容はわからないんですけど、ダンスとか楽しいし、「ハ!!」っていう感じが好きで、そこにハマっていきました。街中を私もこんな風に踊ってみたいなーって…衝撃を受けました。

ーー『ピーター・パン』はおいくつの時に?

山﨑:『ピーター・パン』は小学2年生。やっぱり小さいからそこまで鮮明に記憶しているわけではないんですが、感動したしとても楽しかったなーと。『ビリー・エリオット』や『マリー・アントワネット』とかは割と最近に観ています。『レ・ミゼ』はもちろん、あとは自分が出演していた『アニー』。映画ではなく、生で観るのは映画とは違う”音圧”っていうんでしょうか、生の歌を聴いて感動する感じ、役者さんがお芝居しているエネルギーを感じた時に「ああ、すごいなー」って。ミュージカルで役者さんがお客様を引き込ませる力が、すごく伝わってきて、ものすごく衝撃を受けて。自分もお客様に衝撃を与えられる俳優さんになりたいなーって思いました。

ーーピーター・パンのお話に戻ります。ご自身の見所を教えてください。

山﨑:やっぱりフライング! やってると私も楽しくて。フライングする舞台はなかなか観られないので、子供達とかは、飛んでいるのを見て「かっこいいな」とか「自分も空を飛んでみたいな」っていう憧れみたいな…「かっこいい!」「キラキラ!」っていう感想をもらえると嬉しいなと思います。大人の方達の中にも空を飛んでるのを見て「楽しそう」とか、「すごい」って思ってもらえるように演じたいです。フライングのシーンは皆さんを惹きつけると思うので、そこをさらにかっこよくして、皆さんに「本当に飛んでるんじゃない!?」と思ってもらえるような、シーンにしたいなーって思っています。

ーー最後に「ピーター・パン」を見たことがない方に向けてメッセージをお願いいたします。

山﨑:「ピーター・パン」はいわゆるファミリーミュージカル、親子だけが楽しめるみたいなイメージを持たれがちですが、そうではなく、どの年代の方が見ても感動できるし、楽しめる作品になってます。まだ「観に行ったことがないよ」という方は今年の夏は東京だけでなく、いろんなところを回りますので、ぜひお近くの劇場へ。希望を与える一方で、ちょっと現実的なところや観ているお客様どの年代でも共感できる場面がたくさんあるので、楽しんでいただきたいなって思っています。

ーーありがとうございました。公演を楽しみにしています。

<製作発表会レポ記事>

新ピーター・パン山﨑玲奈誕生! ロードウェイミュージカル『ピーター・パン』製作発表会レポ

概要
キャスト:
ピーター・パン:山﨑玲奈
フック船長:小野田龍之介
ウェンディ:岡部 麟(AKB48)

ダーリング夫人:須藤理彩

タイガー・リリー:江上万絢
【パイレーツ】
スミー:今村洋一、ジュークス:渡部又吁、マリンズ:天野夏実、ヌードラー:藍 実成、スターキー:伊藤 奨、チェッコ:米澤賢人

【ロストボーイズ】
ニブス:德岡 明、カーリー:小熊 綸、スライトリー:阿部美月、ラブル:梶 みなみ、トートルズ:松尾音音

【モリビト】
髙城 徹、住 玲衣奈、ASUKA、古澤美樹、西澤真耶、大津夕陽、大津朝陽、松平和希
ジョン(Wキャスト):東 未結、堀 蒼寿
マイケル(Wキャスト):畠中一花、三田一颯

<スタッフ>
原作:サー・J・M・バリによる作品を元にしたミュージカル
作詞:キャロリン・リー
作曲:モリス(ムース)・チャーラップ
翻訳・訳詞:福田響志
演出・振付:長谷川 寧

音楽監督:宮川彬良
美術:BLANk R&D
照明:斎藤茂男
音響:井上正弘
衣裳:高橋 毅
ヘアメイク:河村陽子
アクション・パルクール:HAYATE
フライング:松藤和広
歌唱指導:板垣辰治
演出助手:伴・眞里子、玉置千砂子
演出歌唱アシスタント:杉浦奎介
振付アシスタント:仙石孝太朗
稽古ピアノ:中野裕子
舞台監督:瀧原寿子
エグゼクティブ・プロデューサー:堀 威夫

<東京公演>
日程:2023年7月25日(火)~8月2日(水)
会場:東京国際フォーラム ホールC
主催・企画制作:ホリプロ

[スペシャルカーテンコール]
対象日程:
7月26日(水)16:30
7月27日(木)16:30
8月1日(火)16:30
[アフタートーク]
対象日程:
7月29日(土)16:30(登壇者:山﨑玲奈/岡部 麟)
7月30日(日)16:30(登壇者:山﨑玲奈/小野田龍之介/長谷川 寧)
[カーテンコール一部撮影OK]
東京公演にて、カーテンコールの一部をお手持ちのスマートフォン等で撮影して頂けます。

<東京公演販売情報>
【料金】
ドリームシート:おとな・こども
平日/土日共通 9,400円 ※妖精の粉付き
S席:おとな
平日8,500円/土日8,900円
S席:こども
平日5,500円/土日5,900円
A席:おとな
平日/土日共通4,800円
A席:こども
平日/土日共通3,200円
(全席指定・税込/こども 3歳~12歳)

<名古屋公演>
日程:2023年8月5日(土)~6日(日)
会場:御園座
主催:御園座/中日新聞社
お問合せ:御園座 052-222-8222(平日10:00-18:00)

<大阪公演>
日程:2023年8月12日(土)11:00/16:30
会場:梅田芸術劇場メインホール
主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ
特別協賛:メインランドジャパン
お問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00)

<埼玉公演>
日程:2023年8月16日(水)
会場:ウェスタ川越 大ホール
主催:指定管理者NeCST
お問合せ: ウェスタ川越 049-249-3777(9:00~19:00 点検日等の休館日を除く)
https://www.westa-kawagoe.jp/

<長野公演(上田)>
日程:2023年8月19日(土)・20日(日)
会場:サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール
主催:上田市(上田市交流文化芸術センター)/上田市教育委員会/NBS長野放送
お問合せ:上田市交流文化芸術センター 0268-27-2000(休館日を除く9:00~19:00)
https://www.santomyuze.com/

<新潟公演>
日程:2023年8月26日(土)・27日(日)
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団/UX新潟テレビ21
お問合せ:りゅーとぴあ専用ダイヤル TEL.025-224-5521

<高松公演>
期間:2023年9月2日(土)・3日(日)
会場:レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール
主催:公益社団法人全国公立文化施設協会/香川県県民ホール指定管理者 あなぶき文化振興コンソーシアム/RSK山陽放送/四国新聞社
お問合せ:県民ホール サービスセンター 087-823-5023(10:00~18:00)
https://kenminhall.com/visitors/ticket_detail/?id=4947

撮影:金丸雅代
取材:高浩美
構成協力:佐藤たかし