
2006年に創設された声優界最大のイベント、今年は第19回目、さる3月15日に文化放送 メディアプラスホールにて開催された。
その年に最も活躍し、人気、実力ともに揃った声優の方々と、長年にわたって活躍するベテラン声優が一堂に顔を揃える唯一無二の機会。今年も盛大に行われた。
MCより声優アワードの説明があり、早速、新人声優賞から発表。次々と名前が上がる、今回は5人。
石橋 陽彩
「声優新人賞という素敵な賞をいただけたことを、本当に大変光栄に思います。ありがとうございます。日頃から応援してくださっているファンの皆様、お仕事をサポートしてくださっているスタッフの皆様、隣でいつも支えてくれている家族のみんな、そして何より、出演させていただいた作品との出会いのおかげだと思っております……役と真摯に向き合い、出会ったすべての人への感謝の気持ちを忘れずに感謝し、賞に恥じぬように誠心誠意、これからも努めてまいりたいと思います」
頑張ります」
鵜澤 正太郎
「子役の頃からこのステージに立たせていただくことが夢でした……ここに来るまでに、たくさんたくさん挫折をして、壁にぶつかって…その度にたくさんの方々に支えていただきました…その方々がいなければ、今の自分はありません。改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。会場に母親が来てくれているんですけれども、お母さん、産んでくれてありがとう。ここまで育ててくれて、本当にありがとう。これからも、ひとつひとつのお仕事に、自分なりに楽しく、真剣に向き合っていきたいと思っています。初心を、感謝の気持ちを忘れずに。昔の自分がそうだったように夢は諦めなければ叶います。続けることが大事、これからも精進してまいります」
七海 ひろき
「人生でいただいた賞の中で一番、嬉しいです。(宝塚歌劇団を)退団してから始めた憧れの声優業でしたが、数年間は全くの力不足で、向いていないのかもしれないと悩んだことも…先輩声優さんのいいものを作ろうということに勇気づけられて、素敵な作品、作品を愛してくださった方々、これからも精一杯心を込めてお芝居していきたいです」
はやし りか
「『オーイ!とんぼ』のおかげかと…現場では自分の未熟さを非常に痛感することが多々ございました。その度に周りの共演の方々、制作スタッフの皆様にたくさん支えていただきました…作品への熱い思いに触れて、そのたびに『もっともっと素敵なお芝居ができる声優になりたい』と声優を目指していた時期でした。この熱い思いを大切にしながら、一生懸命頑張ってまいります…素敵な賞をありがとうございます」
結川 あさき
「このお知らせをいただいたとき、じんわりと胸が温かくなりました。同時に感謝の気持ちが生まれました。『逃げ上手の若君』、『トラペジウム』、『となりの妖怪さん』、たくさんの方々が私を見つけてくださって、信じてくださって、皆さんに支えられて…今、私は声優としてお仕事を続けることができています。
出会えたたくさんのキャラクターがお芝居の面白さを…私自身が素敵な人であり続けられるように…お芝居ができる環境に感謝して頑張ってまいります、ありがとうございます」
歌唱賞はブレイバーン(CV: 鈴村健一)、残念ながら、スケジュールの都合で欠席。パーソナリティ賞は該当者なし。
シナジー賞は『機動戦士ガンダムSEED シリーズ』、保志総一朗(キラ・ヤマト役)が登壇し、トロフィーを受け取った。
保志総一朗
「出演している代表として受け取らせていただきました、保志総一朗です。パッピー!個人としては『おめでとう』という気持ちです。『ガンダムSEED FREEDOM』がようやく公開できて作品を紹介できた、念願がかなった1年となりました。声優の魅力を発揮させてもらった作品に贈られる賞、作品の視聴者の方々、輝かせてもらってありがとうございます…緊張していて口が回っておりません…輝かせてもらって、ありがとうございます。受賞は『おめでとうございます(作品に対して)』と『ありがとうございます』という気持ちが両方あります、ありがとうございました」
ゲーム賞は『龍が如く』、登壇したのは中谷一博(春日一番役)と黒田崇矢(桐生一馬役)。この作品は海外では『Like a Dragon』というタイトル。
中谷一博
「多言語の吹き替えが収録されておりまして、そういった意味では、日本の声優たちと海外のアクターたちと受賞の喜びを分かち合えることを大変嬉しく思っています。『龍が如くスタジオ』の横山昌義代表、そしてスタッフの皆さんに、胸を張って今回の受賞を報告したいと思います」
黒田崇矢
「中谷くんがほとんど言ってくださいましたので、言うことが残っていないのですが……。私はこの作品がスタートした20数年前から関わっておりまして、『2作できたらいいね』』とかスタッフたちと話していたのを思い出します。20年経った今、賞をいただける作品になりました。20年携わってきたキャスト、スタッフ、全ての皆さんの賞と思っています。ありがとうございます」
キッズファミリー賞は羽多野渉。2008年、第2回声優アワード新人男優賞受賞、2022年、同じ事務所の先輩である津久井教生が担当したニャンちゅうの声を引き継ぐ。
羽多野渉
「今日は声が…決してニャンちゅうの声を出しすぎて、こうなったわけではないんですけれども(笑)。声優にはいろんな役目があるのかなと。『つないでいく』とても大事なことだなと…。歴史ある作品を、先輩方から受け継ぎ、今の子どもたちや、未来の子どもたちへ笑顔を届ける大切な役割があるのかなと。キラキラとした子どもたちの笑顔のために、一生懸命演じてまいりたいと思います」
富山敬・高橋和枝賞は保志総一朗と山崎和佳奈。保志はシナジー賞と続いての登壇。
保志総一朗
「また出てきちゃいましたけども、『富山敬・高橋和枝賞』を受賞させていただきました、保志総一朗です。パッピー!個人的にすごく嬉しい賞をいただけて、光栄であるとともに、めちゃくちゃ大感謝しております。声優を30年ちょいやってきて、(賞を)いただくことに慣れていないんですが、今までやってきた記念にもなりますし、今後もすごく頑張ろうと。声優はもちろんですけど、各方面で活動してきたことでもいただけたということで…いろいろなことを今後も精力的にやっていこうかなと。末永くよろしくお願いいたします。ありがとうございました!保志総一朗でした。パッピー!」
山崎和佳奈
「地味に仕事をしてきたと思っています。『声優界の公務員みたい』と言われたことも…こんな素敵な先輩のお名前がついた賞をいただけて恐縮です。和枝さんには、直接お会いしたことはないのですが、舞台を拝見したことがあり、すごく明るくてパワーのある方で、圧倒されました。富山敬さんですが、私が声優という仕事に興味を持つきっかけとなったのが、『宇宙戦艦ヤマト』富山さんがいらっしゃらなかったら、私は声優になっていなかったと思うので、勝手にご縁を感じさせていただいてます。これからも、出会う作品に真摯に取り組み、”血と肉の通った役作り”ができるよう、精進していきたいと思います」
功労賞は岡本茉利、野田圭一。
岡本茉利
「夢のようです。長い間、身につけてきたことで賞をいただけるなんて大変嬉しく思います。声優の先輩方のアドバイス、番組スタッフ、所属事務所の81プロデュースの南沢社長には『感謝、感謝で行くんだよ』と言葉をかけていただいておりました。百田さん、ありがとうございます。マネージャーの皆様、各スタッフの皆様、お声をかけてくださる皆々様。舞台をいつも力強く応援して、送り出してくださる沢竜二先生、そばで支えてくれる私の母、長い間、応援し続けてくださったファンの皆様のおかげと、心から感謝いたします。これからも新しいことに挑戦し続けます」
野田圭一
「歳を重ねて、こんなに素晴らしい賞を…思いもよりませんでした。私は一つの目標を掲げました、それは『できるだけ長く第一線で活躍すること』大勢の皆さんとの出会い、そして支えていただき、ここまでやってくることができました。この賞、私と関わってくださったすべての方々に捧げたいと…ありがとうございました」。
それから、今までの声優アワードの振り返り。さまざまなエピソードがMCより語られた。それから特別功労賞、本年度ご逝去された声優を顕彰。大勢の声優の名前が次から次へと。石原凡、前田昌明、TARAKO、寺田農、村松康雄、関貴昭、山本圭子、増山江威子、山下圭介、三輪勝恵、松野大紀らの名前が上がった。
少しの休憩をはさんで特別賞、『ルックバック』、登壇したのは、監督・脚本・キャラクターデザインの押山清高。
押山清高
「主演の河合優実さんとか、吉田美月喜さんに来ていただければ一番よかったんですけれども。普段、声優を専業にしていない役者さんが中心となって演じてくださいましたが、そうした作品が、このように声優アワードという場に呼んでいただけた、ありがとうございます。作品を観てくださった方々の応援があってこそ…ありがとうございます。この作品に限らず、、声優として活動されている方々に対して、常に感謝の気持ちを持っております。声優の皆さんに改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。まさか、声優のトロフィーを手にするとは…感慨深いです。本日はありがとうございました。そして、おめでとうございました」
インフルエンサー賞は木村 昴、スケジュールの都合でコメントのみ。
「SNSで最も印象に残った声優ということで、幅広いメディアで活動する自分にとっては、大変にありがたいこと、今後はアニメの吹き替えで印象に残るようにしたい」
外国映画・ドラマ賞は内田 真礼 ファイルーズ あい、登壇したのは内田 真礼。
内田 真礼
「素敵な外国映画・ドラマに出会うことがたくさんあり、そんな作品たちに心を動かされ、感動する日々でございます。日本語で作品を皆さんに伝えていけること、伝わりやすく世の中に送り出していけること、とても素晴らしいお仕事をさせていただいているなと…支えていただいた皆さんに感謝の気持ちを忘れずに、声優という仕事を邁進していきたいと思っております」
MVS(Most Valuable Seiyu)は中村 悠一、なんと2年連続。登壇は叶わなかったが、コメントが読み上げられた。
「このような素晴らしい賞に、昨年に続いて選んでいただけたこと、大変恐縮しております。これは決して自分一人の力ではなく、関わらせていただいた作品、素晴らしいキャラクター、そしてその世界を作り上げるスタッフの皆様の努力があってこそだと思っています。共演者の皆様、支えてくださる全ての方々に心から感謝いたします。何より投票してくださった皆様、本当にありがとうございます。作品やキャラクターを応援し、支えてくださる皆様の思いが何よりの励みになっています。本来ならば直接お礼をお伝えするべきところですが、今回は都合により授賞式に参加できず大変申し訳ありません。皆様の温かい応援に応えられるよう、これからも一つ一つの作品に精神誠意向き合って参りますので、引き続き見守っていただけると嬉しいです。今回は本当にありがとうございました。」
助演声優賞は4人、木内 秀信、瀬戸 麻沙美、東地 宏樹、日笠 陽子。
木内 秀信
「素晴らしい作品に出会うことができました。幼い頃から慣れ親しんだ『ゲゲゲの鬼太郎』の作者、水木しげる先生の生誕百年を記念して作られた映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、私はその中で、水木という大切な役を…改めて、みんなで一つの作品を作っていく楽しさ、演技をする楽しさを再確認させていただきました。この賞は、映画を制作された古賀豪監督をはじめ、クリエイターの皆様方、制作チームの皆様、映画に関わられた全ての皆様に、何より劇場に足を運んでいただいたたくさんのファンの皆様に捧げたいと思います」
瀬戸 麻沙美
「このような賞をいただき大変光栄に思います。自分が出演させていただいた作品、任せていただいた役、関わってくださった全ての皆さんが表彰されたような気持ちでおります、何より嬉しいです。アニメの仕事がしたくて声優の道を目指しましたが、ありがたいことに多くの経験や出会いをさせていただき、仕事をさせていただいています。できるだけ長く続けられるように、大切な作品の役を任せていただけるような声優になれるように、頑張っていきたいと思います。環境を支えてくださっている方々に、感謝の気持ちを忘れずに精進して参りたいと思います」
東地 宏樹
「まず単純に嬉しいなという気持ち…控室にいた時に、自分の名前があり『助演声優賞』と書いてあって、『俺はなんでここにいるんだろう』って…自分は声優の道を目指してはいなかったはずなのに…いろいろなことを考えました。この賞がもらえるということは、自分のことを応援してくれる方、素晴らしい作品、スタッフの方、そういうものに出会えて、自分も『負けたくない』とか、『いい作品を作りたい』という気持ちで頑張ってきた結果、賞をいただけたんだなと思っています、嬉しいと言うしか言いようがありません。応援してくださる人が喜んでくださるなら皆さんのために頑張っていきたい、一番嬉しいです。素敵な作品、スタッフ、声優仲間、応援してくださる皆さんのために頑張っていきたいと思います」
日笠 陽子
「たくさんの作品と、キャラクターに関わらせていただいて、そして声優・日笠陽子という、一つの作品を作り上げてくださった、スタッフの皆さんがいてくれたからこそ賞をいただけているのかなと…皆様に感謝いたします。私を育ててくださった方々、前を走ってくださった先輩たちがいます。すごく厳しいものもありましたけれど、どこかずっと愛情があったな、前を走ってくださる先輩たちに育ててもらったな、という思いを強く持っております。新人賞の方々のスピーチを聞いていて『アニメの業界、声優業界のこれからの未来を作っていく希望なんだな』と改めて…新人賞を取った声優たちの世代が良いお芝居をできる環境、明るくより良い未来を迎えられる業界を築いていきたい。先輩たちが築いたもの…今度は私たちが作っていかなければいけないんだなと。慢心することなく、前へ突き進み、そして、後輩に背中を見せていけたらなと思っております」
いよいよ主演声優賞、岡咲 美保、関 俊彦が受賞。
岡咲 美保
「本当に嬉しいです。正解のない世界で、今日のような正真正銘のご褒美をいただけて、今後の活動を自信を持って行えます。いつも支えてくださる方々、たくさんのご縁、そして愛するキャラクターにありがとうを…。最初の夢は、『魔法使いになる』、どこか夢見がちで、そんなところが今の私に残っています。夢の力を否定せずに輝かせてくれる、そんな力がこの業界にはあると…きらめきを与えられる魔法使いの一人に、今日、私は声優というお仕事でなれたのかなと思うと、とても嬉しいです。小さな子供たちの背中を押せるような……役者としても人としても未熟ではありますが、これからも日々を一生懸命、一喜一憂しながら生きて、心の畑を耕して…ありがとうございました」
関 俊彦
「受賞の対象となったのが、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』と伺っております。私の相棒役、水木を演じられました木内秀信さんとダブル主演といってもいい、いわゆるバディものの作品で、私としましては、この賞は木内さんと私、2人でいただいたものだと考えています。『鬼太郎誕生』という素晴らしい作品に参加できたことを改めて光栄に、誇りに思っております。作品に関わったすべての関係者、スタッフ、キャストの皆さんに心よりの感謝を申し上げたいと思います…本当にありがとうございました。」
授賞式が終了し、竹内選考委員長から総評。まず「選ぶのが辛い」とコメント、また小学生の頃に放映されていたテレビアニメ『巨人の星』を引き合いに出し、「(夢を)諦めずに…(受賞者の方々に向かって)日本を代表する声優として、日本の声優の素晴らしさを海外へ、世界へ…。皆さんの成果を見て『声優になろう』という若い人の背中を押してください、プレッシャーがのしかかっています、来年また、お待ちしております」
ここで時間となり、第十九回声優アワード授賞式は無事に終了した。来年は20回目のアニバーサリーイヤーとなる。
2025年受賞者
主演声優賞:岡咲 美保 関 俊彦
助演声優賞:木内 秀信 瀬戸 麻沙美 東地 宏樹 日笠 陽子
新人声優賞:石橋 陽彩 鵜澤 正太郎 七海 ひろき はやし りか 結川 あさき
歌唱賞:ブレイバーン(CV: 鈴村健一)
パーソナリティ賞
授賞条件を満たす方が不在のため、該当者なし
外国映画・ドラマ賞:内田 真礼 ファイルーズ あい
ゲーム賞:龍が如く8
シナジー賞:機動戦士ガンダムSEED シリーズ
富山敬・高橋和枝賞:保志総一朗/山崎和佳奈
キッズファミリー賞:羽多野渉
インフルエンサー賞:木村 昴
MVS:中村 悠一
功労賞:岡本茉利、野田圭一
特別功労賞
※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。
特別賞:ルックバック
開催概要
タイトル: 第十九回 声優アワード
主催: 声優アワード実行委員会
共催: 株式会社 KADOKAWA、株式会社 文化放送、株式会社 小学館集英社プロダクション
後援: 経済産業省、一般社団法人 日本音声製作者連盟、一般社団法人 日本動画協会、
一般社団法人 コンピュータエンターテインメント協会、一般社団法人 衛星放送協会
協力: 一般社団法人 日本声優事業社協議会、協同組合 日本俳優連合
公式サイト::https://www.seiyuawards.jp/outline/
公式X: @seiyuawards