『conSept2026:シーズンReBORN』が2026年2月から4月にかけて上演される。
ミュージカル『SERI ~ひとつのいのち 2026』、『誰かひとり / 回復する人間』、 ミュージカル『シルヴィア、生きる』、14日、製作発表会が行われた。登壇したのは出演俳優陣、クリエイター、総勢23名。

登壇者は以下の通り。
ミュージカル『SERI』より
山口乃々華、ジェイミン、坂田隆一郎、廣川三憲、小林タカ鹿、岡村さやか
金子大介、今森愛夏、尾川詩帆、加賀谷真聡、下司尚実(演出) ミュージカル『SERI』より

『誰かひとり / 回復する人間』より
山本涼介、鈴木勝大、豊田エリー、智順、平野良、古河耕史、西本由香(演出)

ミュージカル『シルヴィア、生きる』より
平野綾、富田麻帆、鈴木勝吾、伊藤裕一、原田真絢

<製作発表会公式レポ>
初めに登壇したのは、2月19日(木)~3月1日(日)、あうるすぽっとで上演する『SERI~ひとつのいのち』チーム。今作は2022年に倉本美香さんの著書『未完の贈り物』(産経新聞出版)を原作とし、高橋亜子さんが脚本・作詞を手掛けたconSeptのオリジナルミュージカルとして上演。倉本さんの娘・千璃さんの成⻑の過程で⽣じる様々な困難に直⾯する親⼦の奮闘を中⼼にして、多様な環境で産まれ ⽣きていくことについて描き、初演時に大きな反響を呼んだ。
再演となる2026年版では、親⼦と敵対する産婦⼈科医のオオヤマの背景を掘り下げることで、作品のテーマに深みを加え新たな物語として上演する。
作曲・音楽監督の桑原まこは、「目の見えない千璃ちゃんがいつかこのミュージカルを観てくれた時に、音がカラフルでありたいと思いながら、千璃ちゃんの力を最大限に借りて作曲しました」と手掛けた時に感じた葛藤やあふれる想いを語った。また、演出・振付の下司尚実は、「障害を持った方を題材にしていることで、もしかしたら観に行くことを推し量る方がいるかもしれない」と心を寄せながら、初演に続き「ぬくもりを大切に紡いでいきます」と劇場での観劇を呼び掛けた。初演につづきタイトルロールである千璃役を演じる山口乃々華は、「初演に続きまた千璃ちゃんの役を任せていただけること、心から光栄に思います。難しい役ではありますが、彩り豊かな作品になるのではないかと思います。初演を超えられるよう力を尽くします。楽しみにしていてください」と意気込みを明るい笑顔で語った。
続けて、韓国で『ジーザス・クライスト=スーパースター』や『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』などに出演、歌唱力を絶賛されているジェイミンが、母・美香役を演じることについて「この大きな挑戦に挑もうと思えたのは作品の力。言葉の壁を越えて作品のメッセージを精一杯届けたい」。また、父・丈晴役の坂田隆一郎は「父親役は初めての挑戦。観ていただく皆さんに温かい気持ちを持ち帰っていただける作品にしたい」と語った。
その他の出演は、美香と対立する産婦人科医オオヤマ役を演じる廣川三憲ほか、岡村さやか、金子大介、今森愛夏、尾川詩帆、加賀谷真聡ら実力者がオーディションを経て初参加となるほか、小林タカ鹿が初演に続き出演する。




出演者による挨拶に続いて、10名のキャストによる冒頭のナンバー「♪SERI~ひとつのいのち」の歌唱披露が行われた。静かな息遣いから始まり、やさしく歌いつなぎながら重ねていく美しいメロディーとハーモニー。力強いメッセージも感じる歌声に、オーディエンスから大きな拍手が寄せられた。
つづいて登壇したのは、3月5日(木)~3月29日(日)、ザ・ポケットで上演する舞台『誰かひとり/回復する人間』チーム。⽂学という意味のリテラチャーと劇場という意味のシアターを組み合わせた造語でLiteraTheaterと名付けたシリーズの第1弾作品は、2023年と2024年のノーベル⽂学賞受賞作家であるノルウェー出⾝のヨン・フォッセの『誰かひとり』、韓国出⾝のハン・ガンの作品『回復する⼈間』をピックアップ。6名のキャストが2本⽴てで日本初上演する。

昨年ロンドンで海外初上演され話題となった『誰かひとり』はト書きのない軽妙な会話劇。『回復する⼈間』は、短編集の中の1作品を、劇作家のオノマリコが脚本に仕立てている。2作の演出を手掛ける西本由香は、「チャレンジングでストイックな試みにワクワクしています。詩的で生活感があるフォッセ作品、小説を戯曲化したハン・ガン作品で私たちが演劇と聞いて思い浮かべる言葉というものを広げていけたら」と語り、「作家の孤独に耳を傾けることで個を自覚し、観終わった後に少しタフになって帰っていただけるような作品にしたい」と解説した。『誰かひとり』で主演を務める山本涼介は、「今までに読んだことがない、詩のような作品。テンポやリズムを大事に、そこからあふれ出るものを大切に演じ、自分の役割を全うしたい」と意気込んだ。 つづけて『回復する⼈間』で主演を務める豊田エリーは、「どちらの作品もとても哲学的で人の内面の揺らぎを描き出す作品だと感じています。私たちの体を通して演劇作品としてどう立ち上がっていくのか楽しみにしています」と語った。 同作に出演する鈴木勝大、智順、平野良、古河耕史もそれぞれ、稽古の前段階で感じている作品への印象と、難解と思える作品に挑む気持ちと覚悟を語った。


出演者による挨拶に続いて披露されたのは、『回復する⼈間』から台本の⼀部を抜粋した朗読形式によるパフォーマンス。前半は物語の根幹が提⽰される作品の導⼊部、後半は物語の主軸となる「わたし」と「姉」の⼆⼈の会話を中⼼とした場⾯が披露された。観たことがない世界観に息を飲み、静寂に包まれた会場からは、ここにどのような動きや場面が生み出されるのだろうという期待を込めた拍手が届けられた。
また、フォトセッションの前には、この日誕生日を迎えた豊田氏へサプライズで花束が贈呈される一幕も。

最後に登壇したのは、LiteraTheater シリーズ第2弾として4月2日(木)~4月26日(日)、ザ・ポケットで上演するミュージカル『シルヴィア、生きる』に出演する平野綾、富田麻帆、鈴木勝吾、伊藤裕一、原田真絢の5名。

アメリカを代表する詩⼈で⼩説家のシルヴィア・プラスの⼈⽣を取り上げた今作は、2022年に韓国で初演され話題となった。日本初演となる今回の演出はミュージカル俳優・ミュージシャンとしても活躍する藤岡正明が手掛ける。
タイトルロールのシルヴィア・プラスを演じる平野綾は、「シルヴィアの心境は彼女が遺した多くの作品の中にヒントが散りばめられていると思います」と語り、特に印象的だった詩の一節<血がほとばしるのが詩だから、それを止めることは出来ない>を引用し、「私も役者として表現することを追求し、あきらめず最後まで彼女の人生を生き抜きたい」と力強く語った。シルヴィアの友人・ヴィクトリア役を演じる富田麻帆は、製作発表の楽屋でのキャスト5人の和気あいあいとしたエピソードを紹介し、「重い題材を扱った作品ですが、きっと稽古場は楽しくなるはず。皆で悩み、皆で作っていく作品になりそう。楽しみにしていてください」と明るくメッセージ。シルヴィアの夫・テッド役を演じる鈴木勝吾は「今に通じるメッセージがたくさんあるはず」、テッドの友人・アルバレス役の伊藤裕一は自ら死を選んだシルヴィアについて、「何度も生きたいと願いながら作品を作ったり、人生を全うしようとしていたのかなと考えると、ReBORNというタイトルがついたこのシリーズのパズルがはまるような感覚。素敵なものをお届けできると思います」と語り、精神科医・ルース役の原田真絢は「ひとりの人間がどう生きたくてどう死んでいったのか、劇場で一緒に会話しながら向きあっていきたい」と期待を込めた。
挨拶につづき、平野氏によるソロ歌唱。『シルヴィア、⽣きる』の代表曲「♪詩は私そのもの」が初披露された。繊細さと力強さを併せ持つシルヴィアの世界観を美しく情熱的に歌い上げ、会場中に余韻を与えたパフォーマンスに盛大な拍手が贈られた。

製作発表のラストは3作品すべてのキャストとクリエイター総勢24名が舞台に勢ぞろいし、質疑応答が行われた。質問と回答要約は下記の通り。 尚、今後はシアタートークなど、イベント開催も予定されている。詳細は『conSept2026:シーズンReBORN』各サイトまで。
質疑応答
『SERI~ひとつのいのち』初演の反響について
山口乃々華
「SERIはとても大事な作品。観に来ていただいた皆様が笑顔になって帰ってもらえたことがとても嬉しかった。原作者の(倉本)美香さんから、こんな風に千璃が思っていたのかもしれないと思うととても嬉しいという言葉をお聞かせいただいた時には感激しました。誰かのために生きている人や、誰かを強く思っている人、そんな人にとても刺さる作品に今回もなるのではないかなと思っております」
『SERI~ひとつのいのち』初めての母親役、父親役について
ジェイミン
「親の役も初めて、夫婦役も初めて、どちらも初めてなので、初めて親になった美香さんと丈ちゃんの気持ちが素直に伝えられるんじゃないかなと思っています」
坂田隆一郎
「丈晴がするように、友達や自分の父親、母親にアドバイスをもらったりしながら成長していく姿を見せていきたいなと思っています」
『誰かひとり/回復する人間』2作品の印象の違いについて
豊田エリー
「空気感、通底するものはすごく似ていると思います。『誰かひとり』は、一人の人間の中の多面性、抱えている矛盾などを二人で演じたりするようなセリフの構成や、すごく間を取る、もしくは取らないというのが明確に指示された脚本なので、どうリズムを持って言えるか。『回復する人間』は心や体の傷、痛みの話ですが、身体的な表現、体を使ってどうシーンを立ち上げていくかなど、作品への向き合い方の面白さを感じています」
『誰かひとり/回復する人間』作品にどう挑みたいか
山本涼介
「普段は何回か読んだだけで、大きな骨組みというか、こういう風にしたいとイメージ出来るのですが、今回に限っては本当にイメージがなかなか湧かなくて難しい台本だなというのが率直な感想です。稽古でしっかり作り上げていきたいと思っています」
『誰かひとり/回復する人間』二つの演目を連続で見ることにどのような面白さがあるか
西本由香
「フォッセとハン・ガンという作家二人の個性の違いは明らかに出ると思います。深刻なイメージが先行しますが、リズムの中におかしみもある作品です。読み合わせやワークショップを通じてキャストの皆さんの多面的な部分が見えましたので、フォッセの言葉が持つユーモアをこのメンバーが体現してくれるのではないかと感じています」
『シルヴィア、⽣きる』演じていく上で大切にしたいと思っていること
平野綾
「彼女は韻を踏むセンスなど、ほかとは全く違う才能を持っていたということで伝説的になっています。彼女の遺した作品は、結婚、出産、離婚など彼女の人生で何が起きたかそれぞれのタイミングを物語っていると思います。単語の一つ一つまで逃さず、少しでも吸収できたらと準備しています」
『シルヴィア、⽣きる』藤岡正明さんが演出を担当されることについて
鈴木勝吾
「ミュージカル作品やコンサートでご一緒していますが、ミュージカルの演出家としてご一緒させていただくのは初めてなのでとても楽しみです。彼の持ち前の明るさというか、演劇を愛する心で、愛の詰まった作品になるのではと大変期待しています」
オーディエンスの皆さまからの質問①/小劇場ならではの魅力を教えてください
原田真絢
「大劇場では味わえない距離感、没入感があって、小さい箱ならではの空気の流れ方みたいなものがあると思います。『シルヴィア、生きる』のような5人でのミュージカルの上演機会は多くはないと思うので、リアルな空気感でお届けできたらいいなと思っています」
平野良
「20年くらい前は小劇場での出演が多かったので、僕の体感ですがやはり命を直に感じやすいのが魅力だと思っています。歌もそうですが、振動や息遣い衣擦れの音など、より体感しやすいのが小劇場の良さではないかなと思っております」
オーディエンスの皆さまからの質問②/conSeptの作品の魅力とは
伊藤裕一
「『アーモンド』という作品に出演した際に、作品作りに対する情熱を感じました。作品のPVなどもすごくおしゃれでありながらも突き詰めている点でファンになりました。今回ReBORNという形でまた新しく関われることは光栄ですし、あの頃よりも僕も多少なりとも力をつけてきたと思いますので、作品の力になれるように頑張りたいと思います」
作品について
▼ミュージカル『SERI ~ひとつのいのち 2026』
「多様性 の暗闇 に光 を当 てる」 をテーマに、目も鼻もない状態で生まれた少女 ・千璃(セリ) と母 ・美香をめぐる実話を、ひとつのいのちに贈る愛と祝福の物語として紡いだ話題作。
特に初演ではミュージカルとしての物語や音楽だけでなく、話すことができない役を圧倒的な身体表現で体現した山口乃々華が絶賛された。
2026 年版では、母親の美香役には韓国で『 ジーザス・クライスト=スーパースター』のマリア役、『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』のイツァーク役などでその類稀なる歌唱力を絶賛されているジェイミンが日本のミュージカル界に初登場。父 ・丈晴役はアーティストとしてだけでなく俳優としても活躍中の坂田隆一郎が務める。その他にもオーディション等で選抜された新たな出演者を迎え、演劇界で高い評価を受けているクリエイター陣が SERI の世界観をさらに深める。
▼『誰かひとり / 回復する人間』
「ノーベル文学賞 」をテーマに、日本初演となるヨン・フォッセの最新戯曲 『誰かひとり』と、まだ一度も戯曲化されたことのないハン・ガンの短編『回復する人間 』をストレートプレイとしてダブルビル(2 本立て)で立ち上げる本作。生と死、個人と社会、記憶や痛みといった普遍的な問題意識に向き合い、深い共感と内省を呼び起こす二人の作家の世界観を繋ぐ。
出演は、真っ直ぐな演技で様々なジャンルの舞台で活躍中の山本涼介、話題の舞台作出演やMC、近年は演出家としても活躍の幅を広げている平野良が。自然で繊細な演技力で話題作に出演中の鈴木勝大、さらに舞台『ハリー・ポッターと呪いの子 』のロングランを終えたばかりの豊田エリーと、映画 や舞台 など多彩なジャンルで培 われた確 かな演技力が魅力の女優 ・智順(ちすん)、そして高い演技力と感性で活躍する古河耕史がノーベル文学賞作品に挑みます。
▼ミュージカル『シルヴィア、生きる』
唯一死後にピューリツァー賞を受賞したアメリカの女性作家、シルヴィア・プラスの人生を初ミュージカル化。シルヴィアはその生涯で三度自殺を試みたという。批評家アルバレスによると、十年ごとに試みられたその行為は、死へ向かうものではなく新たな生に対するトライ、“生き直し”だった。
本作ではその点にフォーカス。“死 ”ではなく“生 ”を探し求めるという願いを込めて、“生 ”にたどりつく
物語として、彼女が残した詩と小説を彼女の人生に重ね合わせ、誰もが生きていく中で感じ得る閉塞感や「何者でもなく、何者かになる」という想いを歌と音楽で紡ぎます。
主演シルヴィア役には確かな歌唱力と表現力で多くの作品を輝かせてきた平野綾。シルヴィアと一心同体のヴィクトリア役には、多くのミュージカルや声優 としても活躍している富田麻帆、シルヴィアの夫テッド役は個性的な演技で多数の映画や舞台で魅了し、近年は舞台の脚本 ・演出も手掛ける鈴木勝吾が。さらに舞台や映像、MC や脚本 ・演出家としても幅を広げている伊藤裕一、ミュージカル『SIX』で確かな実力を印象付けた原田真絢が出演。そして演出には、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』などグランドミュージカルに多数出演し、歌手としても音楽活動を行う藤岡正明が自身のユニット以外での演出に初挑戦いたします。
概要
日程・会場:
ミュージカル『SERI ~ひとつのいのち 2026』
2026年2月19日〜3月1日 あうるすぽっと
『誰かひとり / 回復する人間』
2026年3月5日〜3月29日 ザ・ポケット
ミュージカル『シルヴィア、生きる』
2026年4月2日〜4月12日 ザ・ポケット
公式サイト:https://consept-s.com/reborn/
撮影:岩田えり /オフィシャルレポ執筆:栗原晶子 /conSept2026:シーズンReBORN


