奥野壮,⾺場ふみか,永瀬莉⼦,浅利陽介出演 舞台『またここか』演出 荒井遼インタビュー

映画『怪物』で、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部⾨の脚本賞を受賞し、今年は映画作品の 『ファーストキス 1ST KISS』 と 『⽚思い世界』の2タイトルが公開された坂元裕⼆が2018年に書き下ろした戯曲『またここか』 (リトルモア刊)が、8年の時を経てリバイバル上演される。演出は、海外戯曲の演出を多く⼿掛ける荒井遼。出演は、奥野壮、⾺場ふみか、永瀬莉⼦、浅利陽介。全員が坂元作品初出演の個性豊かな俳優が集結。もうすぐ開幕、演出の荒井遼さんのインタビューが実現した。

ーー坂元裕二さんの台本の魅力について教えてください。

荒井:書籍が出版された時に吉祥寺の本屋で買って帰り道にバスで読み始めたのをよく覚えています。夢中でどんどん読み進めていったのですが、不可解で分からないところも多い。すべてが説明できるわけではないのに理解できる。やってみたいなと思いました。それから数年して、坂元さんの朗読劇の演出補佐を務めたことが縁になり、この企画が生まれました。
坂元さんの台詞は、役者さんの肉体を通すことで見えてくるものが多く、どんどん生きた人間が立ち上がっていく。本当に魅力的な台本です。大胆な展開と繊細で独特の文体。面白かったり、切なかったり、日常では言わないような言葉なのに、独特のリズムがあります。それが坂元さんの筆圧なのだと思います。その筆圧に答える演出圧を持てるのか。こうやってお話ししているうちに、今、演出を悩んでいる場面について、もっと大胆にやれ。と背中を押されるような気がしてきました。

ーーキャストさんについて。配役、キャストさんの個性などお聞かせください。

荒井:今回の登場人物たちは、それぞれ何らかの問題を抱えてガソリンスタンドに集う人々。逆境に置かれても健気に一生懸命生きている。そんな雰囲気を出せる人を考えて、お声がけしました。今回、異母兄弟の話であることを強調するために、兄弟二人の年齢を近づけました。すごくチームワークがよくて、この4人が集まってくれて本当に良かったなと思っています。

ーー稽古の様子はいかがでしょうか。

荒井:雑談したり、ボールを投げてゲームしたりしながら和気あいあいとやっています。(笑)人数が少なくて怒涛のセリフの応酬なので、シーンの稽古の前に、まず台詞合わせをしてから稽古をしてきました。皆さん、表現力が高くてキャラクターが日々色濃く、クリアになっていきました。台詞は一字一句変えていませんが、演劇としてより効果的な表現を探り、ト書きの部分を稽古しながら変えさせて頂きました。今は稽古最終段階ですので、細かな位置調整やブラシアップをしています。

ーー読者に向けてメッセージを。

荒井:8年前の初演以来、初の大々的なリバイバル上演です。今回、座・高円寺という空間で上演するにあたり、対面式の客席配置にしました。客席のどこから見るかで見え方が変わるので、それは面白いところじゃないでしょうか。最前列は舞台と同じ高さで、客席通路まで使い芝居します。舞台と客席に一体感を出したいと思いました。内容としてハードな展開もありますが、笑いも多いし、様々な方に楽しんで頂けるんじゃないかと思います。演劇を見たことがない人にも是非見に来て頂きたいです。
劇場は伊東豊雄さん設計で、入るだけで非日常を味わえますし、ちょうど、この公演の期間、地下ではドキュメンタリーフェスティバルが開催されているし、3階のアンリ・ファーブルカフェで、お茶もできます。
ちょっと気になったら、是非、劇場に足を運んで頂きたいです。

ーーありがとうございました。公演を楽しみにしています。

あらすじ
東京郊外にあるガソリンスタンド。
せっせとタオルを畳んでいる店主の若い男。
アルバイトの女は仕事をする気がまるでなさそうだ。
夏。ガソリンの匂い。ついたり止まったりする古い扇風機。
突然、小説家を名乗る男が看護師の女を引き連れてやって来た。
「あ、これはどうも、わたくし、あなたの兄、兄の者でして」
地面に残る灼けたタイヤの跡。冷蔵庫の腐ったハム。大事なお客様にはマドレーヌ。
ガソリンスタンドに集う人々の夏の一幕。

公演概要
『またここか』
日程・会場:2月5日(木)〜15(日) 座・高円寺1
作:坂元裕二
演出:荒井遼
出演:奥野壮 馬場ふみか 永瀬莉子/浅利陽介
美術:池宮城直美 照明:横原由祐 ⾳響:藤⽥⾚⽬ ⾐裳:⻄原梨恵 ヘアメイク:河村陽⼦
舞台監督:川⼝眞⼈ 制作:三村楽、吉越萌⼦、⼩⾒⼭千⾥
企画:坂元裕⼆
プロデューサー:児⽟奈緒⼦
提携:NPO 法⼈劇場創造ネットワーク/座・⾼円寺
共催:MAパブリッシング
助成:令和7年度 ⽂化庁 劇場・⾳楽堂等における⼦供舞台芸術鑑賞体験⽀援事業
主催:⼀般社団法⼈幻都

公式 WEB サイト https://matakokoka.jp