林海象×西田大輔 舞台『私立探偵 濱マイク -罠- THE TRAP』クロストーク

舞台「私立探偵 濱マイク」シリーズ、いよいよ完結!林海象監督の人気映画シリーズ「私立探偵 濱マイク」。シリーズ一連の映画公開30周年を記念して、21年に朗読劇、22年に第一弾が舞台化。25年2月に、「遥かな時代の階段を The Stairway to the Distant Past」の舞台版。いよいよ映画シリーズの完結編となる「-罠- THE TRAP」を、今年、満を辞して舞台化上演する。この記念すべき作品、林海象監督と脚本・演出の西田大輔さんの対談が実現。舞台版の見どころや映画原作の秘話などを語っていただいた。

ーーいよいよ映画シリーズの完結編の舞台化が上演となりますが、一作目、二作目の舞台を観た感想をお願いします。

林:両方ともとても良かったですね。何回も見ましたけど、西田さんの脚本と演出がとっても良くて、本当に素晴らしいと思います、それに尽きますね。

ーー今の話を聞いていかがでしょうか。

西田:作品としてはやはり林監督のこだわりとも言える作品なので、舞台化だからといって変えることはできないのは元々前提としてありました。 監督とお話させていただきながら、”舞台にするならこういうふうにやってみたいんですが”というお話をディスカッションできたのがとても大きかったんじゃないかなと思うのと同時に、俳優たちがものすごく作品を愛してくれたので、それがとてもうまく折り重なったのかなとは思っています。

林:元々は映画として作りましたから、舞台になるとは夢にも思ってなかったんですよ。普通はうまくいかないと思うんです。台本も公演も素晴らしい、西田さんだったからうまく舞台化できた。

西田:いやいや(照笑)

林:(プロデューサーを指して)大沢さんの努力。

ーー濱マイクシリーズは人気シリーズですし、舞台化にあたって難しかったところもあったと思いますが、そこを振り返って。

西田:全体を通してですが、監督の撮る画は、小さい小道具一つとってもディテールの撮り方がとっても上手で、そこにうまく感情を乗せたりすることは監督にしかできない面白い画の撮り方で、そこから物語の持っていき方…そう僕は思っていまして。でも舞台だとそれはできないんですよ。 そういう形で見せることができないので、それに代わる”何か”をどう作っていくのかは、作りながらすごく悩みました。今作もそうですが、そういうところを舞台として大きな感情に乗せてどうやるのかを考えたことをよく覚えてます。

ーーやはり舞台ならではの表現と、映画でしかできない表現はどうしてもあるので、映画を舞台化する、例えば映画でしかできない表現をどうやって舞台の上で表現するかというところは肝だったんじゃないかと思います。

西田:基本的に原作のこの世界観、勝手に書き換えるのは絶対しないって決めていたので、セリフはもう本当に原作通りなんです。 原作の感情論があって、それを舞台にする上で肉をつけていく作業でした。ある意味舞台版というよりも、僕が見た『濱マイク』を僕の仕事場である舞台で生で表現するということに置き換えるとどうなるのかという感じではありました。

ーー濱マイク役は佐藤流司さん。映画は永瀬正敏さんの当たり役でしたが、監督は佐藤流司さんの濱マイクはどう感じましたか?

林:完璧だと思う。本当に1回目、2回目見ても完璧だし、もう彼が濱マイクになってますね。 彼が気を使ってそれを演技してくれてるところもあるんですけど、もはや彼は濱マイクですね。

西田:すごい言葉ですね。(佐藤流司さんは)すごく嬉しいと思いますよ。

 

ーー今回はいわゆる映画版シリーズの完結編になる舞台ですが、私も映画を拝見しましたけれども、今回はサスペンス、ちょっと怖い感じの作品ですね。『罠』、謎の多いサスペンス的にしたのは?

林:濱マイクはシリーズですが、毎回全然違うテーマをやると決めてたんですよね。ウェルメイドですが、前とは全然違うわけです。 だから、最も違うものをやろうと思ってました。人の内面というよりも、怖さとは何だろうとか、悪いって何だろうと…。『罠』、あれはやってよかった、永瀬くんが二役でね。 けれども、公開してもわかんない人がいっぱいいて…あまりにうまくやってたから。やるだけのことはやれたかもしれません。 あの映画を舞台にするのは難しいなと思うんですけど。今回(『罠』)は一番難しいと思うんです。

西田:本当にそうです。

ーー映画を見て、これ舞台にするのは結構…。

林:普通の人だと不可能だと思うんですよ。西田さんだから出来るんですよ。

西田:いえいえ、そんな〜大げさな(照笑)。

ーーシンプルにヘリコプターとか、どうするのかな? と映画観て思いました。

林:出さなくてもいいんじゃない? 映画は物理的な現象を取りますから。舞台はあるイメージの現象を掴んでいくので、どっちでもいいですよ。全然出なくても、音だけすればいいんじゃない、もしヘリコプター出すならね。

ーーネタバレにならない程度に、今回の『罠』を舞台化するにあたって演出プランを。

西田:基本的には原作通り進んでいきます。面白いミステリーでもありますし、原作通りですが、舞台版で生まれたキャラクターたちもいるので、そこも含めて、舞台もクライマックスに向けて…… ハードボイルド的なものをやりながらも、温かさなども大切にやってきました。今回はこの作品の色味があるので、そういう意味では舞台版も今までとはちょっと違うイメージになるんじゃないかなと思ってはいます。

ーー『罠』はミステリアスな部分も非常にありますし。それから鍵になる人物が相当ミステリアス。この設定が『罠』ならではのポイントではないかと。そういう設定にした理由を。

林:映画を作っている時はまさか舞台になるとは思ってないから舞台化への配慮は全くないですね。多分、舞台化するに際して、ミッキーというキャラクター、ここは西田さんが苦労されて工夫されるところだと思うんです。だから、そこをすごく楽しみにしています。映画では途中でミッキーも水に溶けていなくなるんですけど、俺がもしこれを舞台化しろって言われたら、すごい困っちゃいますね。いたのかいなかったのかわからないキャラクターですから。 だからそこはとても見どころになってるとは思います。エンターテインメントですから皆さんも1回目2回目、たくさんの人が来ていただきましたが、(今回も)恐れず来て欲しいですよね。だって怖いもん好きじゃんみんな(笑)。素晴らしいエンターテインメントになってると思いますので、ぜひ来てほしいと思います。

ーーミッキーが最大のキーマンであり一番怪しいですね。キャストさんは、濱マイク役は佐藤流司さんで安定してて、そのミッキー役が上田堪大さん、なかなか面白い人選だなと思います。

林:キャスティングに関しては、信頼してお任せしておりましたので、みんなすごく楽しみ。

ーー映画もテンポがいいですよね。

林:舞台もいつもテンポがいいですけど、濱マイクはテンポよく撮ってました。

ーー役者さんのファン、佐藤さんのファンの方や上田さんのファンの方もいらっしゃると思います。映画ファン、濱マイクの映画を観ていた方が舞台ってどうなるんだろうと思って観にいらっしゃると思うんです。観に来てくださる方に向けて、ここを見てほしいとか、それから濱マイクという作品、そのコンテンツ自体の魅力についてお願いします。

西田:作品自体にとても力があるので、映画を観た上で舞台に来られる方は、これは本当にどういう意味なんだろう、どっちなんだろうっていう面白さがこの作品には散りばめられてると思っていまして。それをもう一度追体験しながら観られるような環境でありたいと舞台では思ってるんです。 そういう意味では、映画作品を知っている人が舞台を観に来る意味もめちゃくちゃあると思ってます。その点に関して僕の勝手な解釈ではなく、監督に全部お聞きしてやるので、そういう意味ではもう一度その世界に入り込む意味にもなると思ってますし、舞台を観て、原作を観る人も絶対いると思っています。いわゆる逆パターンですね。その面白さもものすごくあるなと。だから僕が作った舞台版を観た後に必ず絶対にこの映画をもう1回見直してもらえると、やっぱり映像でしかできないことをふんだんに世界が撮られているのでその面白さが溢れてると思います。そういう意味では、どっちの見方も面白いんじゃないかなと僕は思いますね。

ーーキャストの皆さんは舞台で活躍している方ばかりですし、映画の方は映像中心の役者さんなので、そういった違いもあるかもしれないですね。

林:1本目のときは、僕は知り合いに全然声かけなかったんですよ。 僕は面白いと思ってるけど、知り合いが面白いと感じるかどうかが怖かったんだね。だけど、はっきり、面白くて、2本目から見においでよって話をしまして…3本目は一番面白いと思うんですよね。 見どころは映画を観てくれてる人が舞台を観る場合もありますけど、それとこれのどこが一緒でどこが違うか…違っててもいいんですよ。 映画はもちろん、元々あったものですけども、それにこの舞台がどれほど肉薄してるかっていうか、ひょっとしたら超えてるかもしれないです。 そこは見る人にぜひ楽しんでいただきたいと思います。

ーー監督が一番楽しみにしているんじゃないですか。

林:すごい楽しみ。お客様にたくさん観に来て欲しいですね。映画では3本目が一番人が来ましたんで、舞台でもそうなってほしいなと思います。

西田:そうなんですね。

林:そうなんだよ。何回かやると、みんなだんだんと見たくなるから、それで一番いっぱい人が来てるんです。

西田:もともと3作目で一旦区切りをつけるって思ってました?

林:思ってました。

西田:やっぱりそうなんですか。

林:全く。

西田:もったいない。一番入ったのに、もったいなくないですか?

林:3本も映画が作れたからよかった。大体、3本も作らない。3本も作ったってすごい。興行的にもちゃんと答えられたのも良かったですね。自分の中の濱マイクはまだまだ死んでませんから。 何らかの形でまた継続していきたいなとは思ってます。

西田:その言葉が聞きたかったです。

林:舞台でもいいし、漫画でもいいし、小説でもいいし、ちょっと希望はあります。とりあえずシリーズは3本目で終わりですから、ぜひ観に来て欲しいです。

ーーありがとうございました。公演を楽しみにしています。

概要
会期会場:
東京:2026年2月28日(土)~3月8日(日) サンシャイン劇場
大阪:2026年3月14日(土)~3月15日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
愛知:2026年3月20日(金・祝) COMTEC PORTBASE
原作:林海象 映画 「-罠- THE TRAP」(「私立探偵 濱マイク」シリーズ)
脚本・演出 西田大輔
音楽 田井モトヨシ
出演
濱マイク 佐藤流司
神津 福井巴也(UNiFY)
百合子 川上千尋
ミッキー 上田堪大
星野 矢部昌暉(DISH//)
濱茜 小泉萌香
王百蘭 七木奏音
中山刑事 なだぎ武
神父 大沢 健
女性工員の水月・影男 野々花ひまり
主催:【東京・大阪公演】舞台「私立探偵 濱マイク」製作委員会2026 / 【愛知公演】中京テレビクリエイション
公式サイト: http://hamamike-stage.com
©林海象/舞台「私立探偵 濱マイク」製作委員会2026
#濱ステ #濱ステ3_罠