長年、パレスチナ問題を追ってきたジャーナリスト土井敏邦が監督・撮影・編集したドキュメンタリー映画「ガザからの報告」の完成上映会が7月6日、東京・日比谷図書館で行われる。世界のメディアでもほとんど伝えられないガザ住民個々人の窮状、心情やハマスへの感情など住民の“生の声”を現地で密着取材を続けてきたジャーナリストが伝える。
さらに同氏は岩波ブックレット「ガザからの報告 ―現地で何が起こっているのか―」(岩波書店)を7月5日に出版する。こちらも、ガザ住民の “生の声”、ハマスと住民の関係を伝える本だ。
昨年10月に始まったイスラエル軍によるガザ攻撃は、今も収束の道が見えない。1993年以来、約30年、ガザで撮影を続けてきた土井は、この攻撃開始の直後から編集を開始し、ドキュメンタリー映画としてまとめた。劇場公開に先立ち、上映会を行う。
上映会に合わせて行うトークでは、「ガザ・イスラエルの現状、ガザ緊急事態に私たちは何ができるのか」をテーマに土井氏とゲストが話し合う。この上映会の経費を除いた参加費はガザ支援金となる。
映画 第一部 「エルアクラ家」(2時間)
「オスロ合意」(1993年9月)直後から住み込み取材を続けてきたジャバリア難民キャンプの家族「エルアクラ家」の25年間の記録だ。「ガザのパレスチナ人」とマス(集団)として描かれる人々を等身大で、その生活、思いを伝え、またこの家族と周辺の変化を通して、「オスロ合意とはガザ住民にとって何だったのか?」を追う。
映画 第二部 「ハマス」(1時間15分)
ガザを実効支配するハマスは、どのようにしてガザの民衆の中に浸透していったのか。また政権獲得後にどのように民衆から乖離していったのか、さらにあの越境攻撃はガザ住民に何をもたらしたのか。創始者ヤシン師らハマス幹部、戦闘員、スタッフそして住民の声を交えながら、ハマス20数年の歴史をたどり、ガザ攻撃下の住民の声を伝える。
土井敏邦 略歴
フリー・ジャーナリスト、1953年佐賀県生まれ。1985年以来、パレスチナをはじめ各地を取材。1993年よりビデオ・ジャーナリストとしての活動も開始し、パレスチナやアジアに関する報道映像やドキュメンタリー作品をテレビ・映画・DVDで発表。著書多数。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)正会員。
上映会概要
日時会場:
2024年7月6日(土)10:15〜 東京・日比谷図書館 コンベンションホール(地下)
第一部上映:午前10時15分~午後4時50分
第二部上映:午後1時00分~午後2時30分
トーク:午後2時45分~午後4時45分 中東政治専門家、在日パレスチナ人 登壇
参加費:2000円(学割1500円) *経費を除いた参加費はガザ支援金とする *要予約
定員:200人
予約申込・問合:doitoshikuni@mail.goo.ne.jp
WEB:
https://www.facebook.com/groups/622231707887177/
https://x.com/doi_toshikuni