第33回日本映画プロフェッショナル大賞(略称 日プロ大賞)の授賞式が、7月6日にテアトル新宿にて開催される。当日登壇する受賞者が発表された。「658km、陽子の旅」で陽子を演じ主演女優賞の菊地凛子、出身地北九州を舞台とする「逃げきれた夢」で主演男優賞の光石研、綾野剛・柄本佑・さとうほなみが演じる「花腐し」監督賞の荒井晴彦 、「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の監督で長編商業映画デビューした新人監督賞の金子由里奈、そして、「高野豆腐店の春」主演及び、長年の功労に対して特別功労賞が贈られる藤竜也ほかの皆さんが登壇となる。また、花束ゲスト(通常、出演者、関係者)は後日発表される。授賞セレモニーの終了後の会場では、2024年映画賞を先取り・日プロ大賞特選上映として、「夜明けのすべて」(監督:三宅唱 出演:松村北斗、上白石萌音) が上映される。
この賞「日プロ大賞」は1992年に設立され、今回で33回を数える映画賞。“日本最強の映画賞” そして、今年も“日本最遅” で開催となる。この「日プロ大賞」は、既成の映画賞とは一線を画しつつ、プロデューサー、映画監督、脚本家、新聞記者、映画評論家、映画ジャーナリスト、ミニシアター支配人、映画宣伝担当者ら、映画業界の第一線で活躍する“映画のプロ” 今年は31人の選考委員の投票と、実行委員会の独自の判断で贈賞されている。
受賞登壇者 ※タイトルをクリックで予告編へリンク
佐藤 現 (作品賞「花腐し」プロデューサー)
菊地凛子 (主演女優賞「658km、陽子の旅」)
光石 研 (主演男優賞「逃げきれた夢」)
有重陽一 (主演男優賞「ロストケア」松山ケンイチ 代理)
荒井晴彦 (監督賞「花腐し」)
金子由里奈 (新人監督賞「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」)
田辺隆史 (新進女優賞「花腐し」さとうほなみ 代理)
佐伯俊道、井上淳一(特別賞「福田村事件」製作チーム、脚本)
藤 竜也 (特別功労賞「高野豆腐店の春」及び、長年の功労に対して) ※敬称略
授賞式概要
名称:第33回日本映画プロフェッショナル大賞 授賞式&上映イベント
日程:2024年7月6日(土) 19:30〜
授賞セレモニー:19:30〜20:40
映画上映:20:50〜 「夜明けのすべて」監督:三宅唱 出演:松村北斗、上白石萌音 ※2024年映画賞を先取り・日プロ大賞特選上映
会場;テアトル新宿 Tel 03-3352-1846 Web http://www.ttcg.jp/theatre_shinjuku
料金:均一 3,000円 (税込)
販売:オンラインhttps://ttcg.jp/theatre_shinjuku/movie/1122500.html & 劇場窓口
※オンライン:6月28日(金)18時~ 上映開始20分前まで販売(クレジットカード決済のみ)
※劇場窓口: 6月29日(土)劇場OPEN時~ (残席がある場合のみ) ※各種割引・ご招待券・株主招待券・無料券 使用不可
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「第33回 日本映画プロフェッショナル大賞」
2023年 ベストテン
①花腐し
②福田村事件
③ほかげ
④愛にイナズマ
⑤アンダーカレント
⑥渇水
⑦市子
⑧PERFECT DAYS
⑨正欲
⑩リバー、流れないでよ
2023年 作品賞&個人賞
◯ 作品賞:「花腐し」
◯ 主演女優賞:菊地凛子 (「 658km、陽子の旅」)
◯ 主演男優賞:光石研 (「逃げきれた夢」)
◯ 主演男優賞:松山ケンイチ ※映像にて挨拶予定 (「ロストケア」)
◯ 監督賞:荒井晴彦(「花腐し」)
◯ 新人監督賞:金子由里奈 (「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」)
◯ 新進女優賞:さとうほなみ ※映像にて挨拶予定 (「花腐し」)
◯ 特別賞:「福田村事件」製作チーム
◯ 特別功労賞:藤竜也 (「高野豆腐店の春」及び、長年の功労に対して ) ※敬称略
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コメント
第33回日プロ大賞について思う2,3の事柄
大高宏雄(日プロ大賞実行委員長、映画ジャーナリスト)
第33回日プロ大賞の授賞式は7月6日である。キャッチフレーズの“日本最強の映画賞”はともかく、“日本最遅の映画賞”であることは間違いない。もちろん、実行委員長として、“最遅”を意図しているわけはない。いろいろあって、そうなるのだが、視点を変えれば、そのような形もあっていいかもしれないと、我田引水ながら思っている。何事も、過ぎ行く時間があまりに速い。速すぎる。忘れさられ、記憶に残らないことが、あまりに多いのだ。映画も全く同じである。時間の速度に抗して、映画を振り返る。映画と映画の人に思いを馳せる。遅すぎるということはない。
今回、「花腐し」が票を集めた。監督賞では、ダントツである。いろいろな見方ができる作品だと思う。そのいろいろな見方については、ここで書く余裕はない。一つ、私が昨年書いた文章を紹介するのにとどめる。キネマ旬報の連載(2024年1月号)で書いたもので、「花腐し」に出演し、新進女優賞を受賞した、さとうほなみさんを中心にした文章である。ちょっと、長く引用する。
「(さとうほなみは)女優を目指す祥子を演じる。この作品には、やられたと思った。女性への懺悔の映画に見えたからである。(略)話の中心は、映画やシナリオに懸ける男二人だが、映画のベクトルは後半に至り、祥子に大きく旋回していく」。
「祥子は女優への意欲は高いが、よくある上昇志向の嫌味はなく、しごくまっとう、『普通』に生きる女性である。ただ、その『普通』が妙に胸を締めつけてくる」。
今「普通」は、特権的な意味、特別な役割をもたらすものではない。にもかかわらず、「花腐し」は綾野剛、柄本佑演じる二人の男性が後半に至り、祥子に対する自身の態度を変えていく姿と相まって(ダイレクトではないが)、
祥子が貫く「普通」が、わが心を動揺させる。綾野、柄本が、言ってよければ「普通」に旋回していく様と、その中途半端さを、何とも見事に演じたことも瞠目すべきだった。「普通」とは何なのか。3人から、そのことが痛切に感じられてきたのである。
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第33回選考委員 ※敬称略/50音順
足立喜之(映画業界従事者) /阿部嘉昭(評論家) /石飛徳樹(新聞記者) /磯島治之(編集者)/伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論) /大高宏雄(日プロ大賞実行委員長・映画ジャーナリスト)/大塚史貴(映画.com副編集長) /荻野洋一(番組等映像演出・映画評論)/加藤敦(北海道新聞記者) /上島春彦(映画批評) /河本清順(シネマ尾道支配人) /古賀重樹(新聞記者) /佐藤佐吉(映画監督・脚本家・俳優) /島村卓弥(文化通信社 映画部記者)/徐昊辰(映画ジャーナリスト) /進藤良彦(映画・ドラマ批評) /鈴木淳(映像企画・プロデューサー)/関口裕子(映画ジャーナリスト)/高崎俊夫(編集者・映画批評家)/谷岡雅樹(ノンフィクション作家)/寺脇研(映画運動家) /中村勝則(映画ライター) /長野辰次(フリーライター)/西田宣善(オムロ代表) /樋口尚文(映画評論家・映画監督)/藤永一彦(「シネマリス」チーム)/細谷隆広 (トラヴィス) /堀口慎(日本映画製作者連盟) /松崎まこと(放送作家・映画活動家)/三留まゆみ(イラストライター)/森直人(映画評論家)
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公式WEB:https://nichipro-award.com
©2023「花腐し」製作委員会
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