「第33回日本映画プロフェッショナル大賞」(略称 日プロ大賞)の授賞式の既に受賞者の登壇の情報が発表さえているが、受賞のお祝いに駆けつける花束ゲストの発表(荒井晴彦監督へのゲストは未発表)された。
この賞は1992年に設立され、今回で33回を数える。映画ジャーナリストの大高宏雄 (日プロ大賞実行委員長)が立ち上げた。既成の映画賞とは一線を画しつつ、プロデューサー、、映画監督、脚本家、新聞記者、映画評論家、映画ジャーナリスト、ミニシアター支配人、映画宣伝担当者ら、映画業界の第一線で活躍する“映画のプロ” 31人の選考委員の投票と、実行委員会の独自の判断で決定されている
受賞登壇者
●佐藤現 (作品賞「花腐し」プロデューサー)
=○花束ゲスト:古賀重樹 (選考委員)
●菊地凛子 (主演女優賞「658km、陽子の旅」)
=○花束ゲスト:小林拓 (撮影監督)
●光石研 (主演男優賞「逃げきれた夢」)
=○花束ゲスト:二ノ宮隆太郎(監督)
●有重陽一 (主演男優賞「ロストケア」松山ケンイチ 代理) ※松山ケンイチの映像出演と 告知しておりましたが、誤りでした。訂正いたします。
●荒井晴彦 (監督賞「花腐し」)
=○花束ゲスト:近日発表 ※予定
●金子由里奈 (新人監督賞「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」)
=○花束ゲスト:真魚 (出演)
●田辺隆史 (新進女優賞「花腐し」さとうほなみ 代理)※本人、映像にて挨拶
●佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦 (特別賞「福田村事件」製作チーム、脚本)
=○花束ゲスト:多田祥太郎 (テアトル新宿支配人)
●藤竜也 (特別功労賞「高野豆腐店の春」及び、長年の功労に対して)
=○花束ゲスト:徳井優 (出演)
セレモニー概要
名称:第33回日本映画プロフェッショナル大賞 授賞式&上映イベント
日時:2024年7月6日(土). 開式 19:30
会場:テアトル新宿 (東京・新宿3丁目)
料金:均一 3,000円 (税込) 販売:オンライン&劇場窓口
※オンライン:6月28日(金)18時~ 上映開始20分前まで販売 (クレジットカード決済のみ)
※劇場窓口: 6月29日(土)劇場OPEN時~ (残席がある場合のみ) ※各種割引・ご招待券・株主招待券・無料券 使用不可
授賞セレモニー 19:30〜20:40頃
映画上映:20:50~22:50 2024年映画賞を先取り・日プロ大賞特選上映「夜明けのすべて」監督:三宅唱/出演:松村北斗、上白石萌音
第33回日本映画プロフェッショナル大賞 2023年ベストテン
① 花腐し
② 福田村事件
③ ほかげ
④ 愛にイナズマ
⑤ アンダーカレント
⑥ 渇水
⑦ 市子
⑧ PERFECT DAYS
⑨ 正欲
⑩ リバー、流れないでよ
第33回日本映画プロフェッショナル大賞 2023年作品賞&個人賞
◯ 作品賞:「花腐し」
◯ 主演女優賞:菊地凛子(「 658km、陽子の旅」)
◯ 主演男優賞:光石研(「逃げきれた夢」)
◯ 主演男優賞:松山ケンイチ(「ロストケア」)
◯ 監督賞:荒井晴彦(「花腐し」)
◯ 新人監督賞:金子由里奈(「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」)
◯ 新進女優賞:さとうほなみ(「花腐し」)
◯ 特別賞:「福田村事件」製作チーム
◯ 特別功労賞:藤竜也(「高野豆腐店の春」及び、長年の功労に対して )
<small>※敬称略</small>
第33回日プロ大賞について思う2,3の事柄
大高宏雄 (日プロ大賞実行委員長、映画ジャーナリスト)
第33回日プロ大賞の授賞式は7月6日である。キャッチフレーズの“日本最強の映画賞”はともかく、“日本最遅の映画賞”であることは間違いない。もちろん、実行委員長として、“最遅”を意図しているわけはない。いろいろあって、そうなるのだが、視点を変えれば、そのような形もあっていいかもしれないと、我田引水ながら思っている。何事も、過ぎ行く時間があまりに速い。速すぎる。忘れさられ、記憶に残らないことが、あまりに多いのだ。映画も全く同じである。時間の速度に抗して、映画を振り返る。映画と映画の人に思いを馳せる。遅すぎるということはない。
今回、「花腐し」が票を集めた。監督賞では、ダントツである。いろいろな見方ができる作品だと思う。そのいろいろな見方については、ここで書く余裕はない。一つ、私が昨年書いた文章を紹介するのにとどめる。キネマ旬報の連載(2024年1月号)で書いたもので、「花腐し」に出演し、新進女優賞を受賞した、さとうほなみさんを中心にした文章である。ちょっと、長く引用する。
「(さとうほなみは)女優を目指す祥子を演じる。この作品には、やられたと思った。女性への懺悔の映画に見えたからである。(略)話の中心は、映画やシナリオに懸ける男二人だが、映画のベクトルは後半に至り、祥子に大きく旋回していく」。
「祥子は女優への意欲は高いが、よくある上昇志向の嫌味はなく、しごくまっとう、『普通』に生きる女性である。ただ、その『普通』が妙に胸を締めつけてくる」。
今「普通」は、特権的な意味、特別な役割をもたらすものではない。にもかかわらず、「花腐し」は綾野剛、柄本佑演じる二人の男性が後半に至り、祥子に対する自身の態度を変えていく姿と相まって(ダイレクトではないが)、祥子が貫く「普通」が、わが心を動揺させる。綾野、柄本が、言ってよければ「普通」に旋回していく様と、その中途半端さを、
何とも見事に演じたことも瞠目すべきだった。「普通」とは何なのか。3人から、そのことが痛切に感じられてきたのである。
第33回選考委員 ※敬称略/50音順
選考委員は毎年、監督、プロデューサー、脚本家といった映画の製作現場に関わる人たちから宣伝関係者、興行関係者、映画評論家、編集者まで映画界で広く活躍されている方々で構成されています。
足立喜之(映画業界従事者) /阿部嘉昭(評論家) /石飛徳樹(新聞記者) /磯島治之(編集者) /伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論) /大高宏雄(日プロ大賞実行委員長・映画ジャーナリスト) /大塚史貴(映画.com副編集長) /荻野洋一(番組等映像演出・映画評論) /加藤敦(北海道新聞記者) /上島春彦(映画批評) /河本清順(シネマ尾道支配人) /古賀重樹(新聞記者) /佐藤佐吉(映画監督・脚本家・俳優) /島村卓弥(文化通信社 映画部記者)/徐昊辰(映画ジャーナリスト) /進藤良彦(映画・ドラマ批評) /鈴木淳(映像企画・プロデューサー) /関口裕子(映画ジャーナリスト) /高崎俊夫(編集者・映画批評家)/谷岡雅樹(ノンフィクション作家) /寺脇研(映画運動家) /中村勝則(映画ライター) /長野辰次(フリーライター) /西田宣善(オムロ代表) /樋口尚文
(映画評論家・映画監督) /藤永一彦(「シネマリス」チーム)/細谷隆広 (トラヴィス) /堀口慎(日本映画製作者連盟) /松崎まこと(放送作家・映画活動家 )/三留まゆみ(イラストライター) /森直人(映画評論家)
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©2023「花腐し」製作委員会
©2022「658km、陽子の旅」製作委員会
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