ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』本公演開幕

Daiwa House presents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』、本公演がいよいよ2日、開幕、東京公演は10月26日まで、その後、11月は大阪公演。本公演開幕に先駆けてフォトコールと取材会が行われた。

披露されたのは5つの場面、最初は冒頭部分。

プラカードの文字に注目。

「The Stars Look Down」、炭鉱夫たちは夜空の星たちが行くべき道へと導いてくれると信じている。だが、ビリーは逆。星のように人々を照らす高みを目指す。1984-5年に、イギリスで実際に起きた1年間にわたる長期の炭鉱夫のストライキ、ビリーの家も含めて皆、貧しく、苦しい境遇。1984年、マギー(マーガレット)・サッチャー首相政権時代、イアン・マクレガーNCB(石炭庁)総裁は、採算のとれない20炭鉱を閉鎖し約2万人の炭鉱夫を削減するという炭鉱合理化案を、NUM(全国炭鉱夫労働組合)に対して通達。ヨークシャーのコートンウッド炭鉱でストライキが始まると、数日のうちに、スコットランド、ヨークシャー全域へと波及、3月10日にはダラムとケントもストに突入した。そして、4月中旬までに全国の8割の炭鉱夫が参加する戦後最大の炭鉱ストへと拡大。人々が手にしているプラカードに注目。

その次は「Shine!」光る、輝く、照る、輝き出る、秀でる、また、異彩を放つ、映える、の意味がある。

ボクシングの居残り練習、たまたまバレエの教室に迷い込んだビリー。ここで運命の出会い、ウィルキンソン先生。バレエガールズのダンスが可愛らしく、少々必死感もあって思わず笑みが。このひょんな出来事からビリーはバレエに興味を持ち出す。

3番目に披露されたシーン、「Expressing Yourself」、意味は”自己表現”、ビリーと友人のマイケルの場面。

バレエやら家のことやらで悩むビリー。友人のマイケルが「自分の人生は好きに生きたらいい」という。母親のドレスを着てタップ、キュートでここも可愛い場面。

4番目は「Angry Dance」、文字通り”怒りのダンス”、爆発的なエネルギーが迸る。

短い時間、ロック調のナンバーがインパクトあり。ビリーはロイヤル・バレエ・スクールのオーディションを受けたいと思うも父親は反対。そのやるせない気持ちが怒りとなって爆発する。2分にも満たない時間で全身でビリーのどこにもぶつけられない怒りを表現する、重要なシーン。

最後は「Solidarity」意味は団結、連帯、結束。炭鉱夫と警官隊、もちろん交わることはない。ストライキは続いている。「団結だ!」と歌う。

ここでウィルキンソン先生とバレエガールズも出てきて同じ曲を歌う。後半、ビリーが何かが宿った、何かの力がついたかのように踊るシーンには思わず釘付けに。バレエスキルの高さには目を見張るものがある。

それからフォトセッション。
まずビリー4名が挨拶。

浅田良舞「たくさんの拍手をもらえて、うれしかったです。今後、もっとお客様を感動させられるように頑張りたい」

石黒瑛土「今までにない歓声を受けて、幸せでした。これからも努力してお客様を感動できるように」

井上宇一郎「初日は拍手が!嬉しかったです。どんどん頑張って今後もどんどんレベルアップしていけるように」

春山嘉夢一「お客様の温かい拍手、とても嬉しかったです。もっともっと拍手をもらえるように頑張ります」

それから大人キャスト。
益岡徹「明日から本公演、いよいよ大きな航海が始まるんだなと実感しています」

鶴見辰吾「初日が始まってしまうと、こうしてみんなで会う機会もなくなってしまう、みんなで集まることはなかなかない(Wキャストだったりするので)。多くのお客様にいっぱい観てもらいたい」

安蘭けい「やっとここまで来れました。2020年はコロナ禍でした。プレビューではたくさんのお客様が!」

濱田めぐみ「初めて『ビリー・エリオット』です。皆様の温かいエネルギーが伝わって」

子供が主役のミュージカル、安蘭けいは「子供達のために頑張ろうと思える」と言えば濱田めぐみは「無我夢中で必死でしたが、劇場のお客様が、(劇中の)大人たちと同じ心境で、ビリーたちを温かいエネルギーで包んでいる。みんながみんなを鼓舞しあって、助け合い、寄り添いながら、フォローしあってる」と”Solidarity”な現場だった様子。鶴見辰吾は「幸せなミュージカル、ダンス、歌、芝居が素敵。子供たちから刺激を受ける。子供たちの成長を見るようで、実は子供たちにつられて僕らが進化していく。『ミュージカル革命』と言ってもいいくらい」と言い「オリンピックの強化選手と重ねて見ているような気がします。全員、金メダルです、団体で」と笑顔。そして「隅田川の花火大会に匹敵する!」と全てを絶賛。

最後に公演PR。

濱田めぐみ「大人も変化していくミュージカルです。身近に感じていただき、成長を見届けていただきたいです」

安蘭けい「どのシーンも見どころですが、メッセージがある。このミュージカルを観てこそ!」

鶴見辰吾「毎日、観て帰りたくなるくらい!ハンカチをご持参していらしてください」

益岡徹「初日、長い期間を経てここに。素晴らしい子供達、楽しい大人キャスト・スタッフ、頑張っていきたい」

東京の本公演は8月2日から10月26日まで。その後大阪にて11月9日から24日まで。

あらすじ
1984年の英国。炭鉱不況に喘ぐ北部の町ダラムでは、労働者たちの間で時のサッチャー政権に対する不満が高まり、不穏な空気が流れていた。数年前に母を亡くした少年・ビリーもまた、炭鉱で働く父と兄、祖母と先行きの見えない毎日を送っていた。
父はビリーに逞しく育って欲しいと、乏しい家計からお金を工面し、ビリーにボクシングを習わせるが、ある日、バレエ教室のレッスンを偶然目にし、戸惑いながらも、少女達と共にレッスンに参加するようになる。ボクシングの月謝で家族に内緒でバレエ教室に通っていたが、その事を父親が知り大激怒。バレエを辞めさせられてしまう。
しかし、踊っているときだけはツライことも忘れて夢中になれるビリーは、バレエをあきらめることができない。そんなビリーの才能を見出したウィルキンソン夫人は、無料でバレエの特訓をし、イギリスの名門「ロイヤル・バレエスクール」の受験を一緒に目指す。
一方、男手一つで息子を育ててきた父は、男は逞しく育つべきだとバレエを強く反対していたが、ある晩ビリーが一人踊っている姿を見る。それは今まで見たことの無い息子の姿だった。ビリーの溢れる情熱と才能、そして”バレエダンサーになる”という強い思いを知り、父として何とか夢を叶えてやりたい、自分とは違う世界を見せてやりたい、と決心する。
11歳の少年が夢に向かって突き進む姿、家族との軋轢、亡き母親への想い、祖母の温かい応援。度重なる苦難を乗り越えながら、ビリーの夢は家族全員の夢となり、やがて街全体の夢となっていく・・・。

概要
公演名 Daiwa House presentsミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』
脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン
出演:ビリー・エリオット(クワトロキャスト) 浅田良舞 石黒瑛土 井上宇一郎 春山嘉夢一
お父さん(ダブルキャスト:益岡徹 鶴見辰吾
ウィルキンソン先生(Wキャスト):安蘭けい 濱田めぐみ
おばあちゃん(Wキャスト):根岸季衣 阿知波悟美
トニー(兄)(Wキャスト):西川大貴 吉田広大
ジョージ:芋洗坂係長
オールダー・ビリー(トリプルキャスト:永野亮比己 厚地康雄 山科諒馬 ほか
会期会場 etc:
東京:オープニング公演 2024年7月27日(土)~8月1日(木)/本公演 8月2日(金)~10月26日(土) 東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
チケット料金:平日 S席15,000円 A席12,000円 B席9,000円 / 土日祝 S席15,500円 A席12,500円 B席9,500円
公演問合:03-3490-4949 (平日11:00~18:00 /土日祝休)
大阪公演
会期会場:2024年11月9日(土)~24日(日) SkyシアターMBS
チケット料金:平日:S席15,000円 U-25 12,000円/土日祝:S席15,500円 U-25 12,500円
※東京公演:子育て支援や文化芸術に力を入れる豊島区と連携し、豊島区民の子どもを対象とした観劇の提供を検討。

Billy Elliot the musical worldwide is produced by UNIVERSAL THEATRICAL GROUP, WORKING TITLE FILMS, GREENE LIGHT STAGE