山本耕史,クリスタル ケイ 出演 ブロードウェイミュージカル『RENT』開幕

日米合作 ブロードウェイミュージカル『RENT』が8月21日から東京で開幕、その後、大阪で上演。
NY イースト・ヴィレッジに生きる若者たちの姿をビビッドに描き、ピュリツァー賞やトニー賞などに輝いた、ロック・ミュージカルの金 字塔でもある『RENT』。ブロードウェイでは 2008年9月まで、12年にわたってロングラン上演を行い、計5124公演を記録。2006年に映画化もされた同作。日本では1998年に初めて日本語上演版(主演:山本耕史)が行われて以降、来日公演も幾度となく開催。この夏、初の日米合同のキャストで上演される『RENT』が誕生。

日本でも何度か上演されており、また映画も公開されているので、内容もよく知られている作品だ。日本を含む世界15カ国で各国語版の『RENT』が上演されてきた。プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の甘く美麗な世界(1830年から1831年のパリ・カルチエラタン)を現代の粗暴な喧噪の中(1989年から1990年のニューヨーク・イーストヴィレッジ)に置き換えるという構想、ジョナサン・ラーソンが作詞・作曲・脚本、ほぼ独力で書き上げたミュージカル。1989年12月24日から、ちょうど1年間のニューヨークのイーストヴィレッジが舞台。メインキャラクターは自称映像作家のマーク、元ロックミュージシャンのロジャー、ゴーゴーダンサーで薬物中毒者であるミミ、大学で「コンピューター時代の哲学者」として教鞭を取るゲイのコリンズ、ドラァグクイーンのエンジェル、アングラパフォーマーでバイセクシュアルのモーリーン、ハーバード大学出身、レズビアンの弁護士のジョアン。

この作品が描かれた1989年、20世紀も終わりに近づいた頃、それまでのミュージカル作品が避けてきた”テーマ”、人種問題、エスニック マイノリティ、セクシャル マイノリティ、麻薬中毒、HIV/AIDSなどを幅広く取り上げており、そういった点では当時としては画期的な内容。そして、彼らの人間模様、関係破綻や死、重くなりがちなものをキャッチーな音楽とダンスで綴っていく。また、マークは舞台上ではナレーター役も務める。

前編英語上演、カンパニー一丸となってのパフォーマンス。歌詞を聴くと当時の空気感も感じるが、テーマは普遍的。生きることに懸命な人たちの生き様、これに尽きるだろう。迷ったり、つまずいたり、そんな彼らの一年。1幕で歌われる「Rent」、タイトルにもなっている、意味は『賃貸料』マーク、ロジャーらが歌う場面、家賃が払えない彼らの歌、そして1幕の幕切れ近くに歌われる、ロジャーとミミがファーストキスを交わし、皆が再び「自由な人生(La Vie Bohème)」を称えるシーンはパワーに溢れる。

2幕の最初の歌「Seasons of Love」、一人一人の想いが重なりあうとでもいうのだろうか、”1年をなんで数える?愛で数えよう”と歌う。クラップする場面はつい一緒にクラップ!そして2幕は怒涛の如くにストーリーが展開、エンジェルが他界、永遠の愛を誓うコリンズ、哀しみにくれる人々、それでも時間は過ぎていき、最初の場面から1年が経つ。

まだ、観たことのない方もいらっしゃるかもしれないので結末には触れないが、希望を感じさせる終わり方。名作は時代が変わっても受け継がれていく。

稽古の前に会見とフォトセッションが行われた。肩を組んだり、色々とポーズをとって和気藹々。
マーク役に再び挑む山本耕史は「やっとこの日が来たかと感じですね。もちろん僕は26年前にやっているのでいろんな記憶が思い出が蘇ったりする瞬間もたくさんあります。稽古も本当に十分にできたので、本当に初日が迎えられる、準備万端で皆さんのにいい『RENT』が届けられるんじゃないかなと」と語る。
続けて「日本初演、演じられてから26年経って、その26年前に生まれた子供ができてるぐらいの年ですから。僕も47歳、そう考えると感慨深いです」としみじみ。日本初演は日本語だったが、今回は日米合作、上演台本は英語。「すごくチャレンジだった」と山本耕史。稽古はもちろん英語で行われる。長い時間、英語漬け、「みんな(自分の)拙い英語を聞いてくれようとしてくれますし、稽古後半ははっきりキャッチできなくても、もう言わんとしてることが全然わかってて…なんか不思議ですよね」と語る。きっちり言葉がわからなくてもわかってしまう、という環境の中で鍛えた”英語”、向こうでも通用するくらい違和感なくマークになりきっていた山本耕史。演出家からは「こんなに努力してる人は見たことないというぐらいの頑張りっぷり。音楽もしっかり言葉もしっかりなんですけれども、しかもそれだけではなく今回英語でお芝居をするというそこが肝心なわけでそこがきちっとできているからこそこれだけの素晴らしいレントを皆さんお見せできる」と太鼓判。Crystal Kayは「ネイティブなんじゃないっていうぐらいな瞬間が…」とこちらも太鼓判。また他のキャストさんたちは日本の文化に興味、「文化交流」とコメント。続けて「サマーキャンプみたい。新しいお友達ができて、みんなで一緒に素晴らしい作品作って。終わったらさよならするのはすごく悲しいので今からあんまり考えたくないんですけど」と早くも千秋楽が来た時の”さよなら”を想像。またAlex Bonielloは「日本は本当に大好きで、とてもとても楽しい時間を過ごさせていただいています」と日本贔屓な様子。
最後に公演PR。
山本耕史「真ん中に立たせてもらっていますが、もう(キャスト)皆さんの力を見ていただきたい、これはあまり見たことがないステージだと思うんですよ。この機会に皆さんにぜひ見ていただきたい」と締めて会見は終了した。

概要
公演名:日米合作 ブロードウェイミュージカル『RENT』
会期会場:
東京:2024年8月21日(水)〜9月8日(日) 東急シアターオーブ
大阪:2024年9月11日(水)〜9月15日(日) Sky シアターMBS
脚本・作曲・作詞:ジョナサン・ラーソン
演出:トレイ・エレット 初演版演出:マイケル・グライフ
振付:ミリ・パーク 初演版振付:マーリス・ヤービィ
音楽監督:キャサリン・A・ウォーカー
出演:山本耕史、Alex Boniello、Crystal Kay、Chabely Ponce、Jordan Dobson、Aaron A. Harrington、 Nasia Thomas、Aaron James McKenzie ほか
※全編英語上演(日本語字幕あり)
主催:キョードー東京(東京・大阪)、梅田芸術劇場(大阪)
後援:J-WAVE(東京)
企画制作・招聘:キョードー東京
問合:
東京公演:0570-550-799(平日 11:00-18:00/土日祝 10:00-18:00)
大阪公演:06-6377-3800(10:00〜18:00)
※詳細は公式WEB参照

公式HP:https://rent2024.jp