病気の親の世話に追われ自分の夢を追いかけられないヤングケアラーの葛藤を描いた映画「猫と私と、もう1人のネコ」の配信が開始された。
予告編
主演はオーディションでの卓越した演技力で抜擢された吉名莉瑠。脳梗塞で倒れ娘に介護させてしまうことになる母親役を熱演した一青窈は、この映画のために書き下ろした主題歌「ただやるだけさ」も歌っている。そして名バイプレイヤーの津田寛治が甲斐性はないけど家族思いの父親を演じる。
3月に公開された本作は、今夏7月にベトナムのダナン・アジア映画祭のアジアコンペティションでアジアの13本としてノミネートされ、ワールドプレミアを迎え、屋外上映を含めて3回上映された。
ベトナムでは「私はとても猫が大好きなので、猫への愛が溢れる映画に感動しましたし、 娘が母親を介護するために自分の夢まで犠牲にしているところもとても感動的でした」「自分の夢が親の進んでほしい進路と一致しないときの若者の葛藤、そして家族との諍いがいまだにあるということに心を痛めました。この映画を通じて、若者の皆さんに『自分の夢は自分の人生』なのだから最後まで諦めずに追いかける気持ちを感じてほしい」と観客からも称賛をもって受け入れられた。
今作は各地での映画館公開と共に、自主上映会の広がりもみせており、愛知、大分、大阪、石川、山形、山口、群馬、福岡、神奈川などで実施される、詳細は公式Xなど各SNSで発表される。
配信サイト:amazon、Lemino、U-NEXT、Hulu、J:COM、TELASA、ひかりTV、Rakuten TV、VideoMarket、カンテレドーガ、DMM TV、シネマ映画.com、Google Play、みるプラス、music.jp、クランクイン!ビデオ
ヤングケアラーや保護猫活動、子どもの自立をめぐる親子関係を描いた今作をより多くの人に観ていただき、これらの問題を一緒に考えていただきたい。
ダナン屋外上映交流会での感想と質疑応答
ベトナム女性観客
私は本日この奥行が深い、そして感動的な日本の映画を見ることができて、とても嬉しくて感動しました
そして1番印象に残ったのが 主演女優さんで、とても演技が人の心に届いて 、泣き顔がぐしゃぐしゃだったんですけど、今ここで 見るととても美人で
私はとても猫が大好きで、猫への愛が溢れる映画だったので、それも感動でしたし、 娘が母親を介護するために自分の夢まで犠牲にしているところもとても感動的でした
私は最後に映画の委員会 にこのような素敵な映画を選んでくださったことを心から感謝申し上げます
吉名さん
本当に素敵なコメントをありがとうございます
私はこの映画を見て、見終わった 後に最後には隣にいる誰かを優しく思って もらえたらいいなとすごく思っていたんですけど、本当にその言葉がぴったりだなって、今ここに来てすごく感じて、 やっぱり人って本当にあったかいんだなって、すごく思わせていただきました
ベトナム男性観客
私は日本での上映を見ました
私は日本に住んでいたことがありますが、公園でよく野良猫を見ますし、そして年寄りの方々が老人ホームで 誰にも看病してもらえない現状を見て、とても心を痛めています
そしてもうひとつ、若者が、自分の夢が親の進んでほしい進路と一致しないときの、葛藤と、家族同士の喧嘩がいまだにこの時代にあるということが私の心を痛めています
今回の映画を通じて、若者の皆さんが「自分の夢は自分の人生」なので最後まで諦めずにに追いかけてほしいと、この映画を通じて感じていただければと思いました
祝
私がこの映画で一番伝えたいことが伝わっていて、とても嬉しいです
私がこの映画を作るきっかけのひとつは、大学の先生から、卒業研究で自分が何を学びたいのかがわからない日本の大学生が最近増えていると聞いたことでした
それで色々聞くと、それまで家や学校で親や先生がやりなさいっていうことをやってきたから、自分のやりたいことが分からなくなってしまう生徒が増えるのも仕方ないということでした。だから子どもたちに自分のやりたいことを見つけて、それをやってほしいという思いが、この映画の一番の根幹にありました
そうやって日本では自分の言いたいことを言えない人、それはあの野良猫だったり、お年寄りだったりもしますが、誰かを困らせたりとか、その場の空気を悪くするってことを言えないっていう人が多いので、そういうことをちゃんと言ってほしい。そして周りの人は、誰か言いたそうなことがあったら、何かあったのって聞いて欲しいっていう思いでこの映画を作りました。
ベトナム女性司会
小さな女の子からの質問なんですが、吉名さんはこの役を演じる時に一番チャレンジングなことだなと感じたことは何ですか?
吉名さん
そうですね、今回の役はすごく悩みました
やっぱりその子の痛みを分かってあげるってすごく難しくて、分かったつもりになってるだけじゃダメだなと本当にすごく気づかされて
でもこの役を演じる時は結構自然体に入れたことが多かったな、とは思うので、なんだろ、もう2人で1つみたいな気分でした
そうですね、チャレンジしたなって思うことはこれは自分自身にも結構言えるんですけど、私もこう自分の意見を伝えるのはすごく苦手で、こう役として生きてるんですけどこの自分の思ってる気持ちを伝えるっていうのは すごく簡単で難しいなって思って、なんかこう同じように悩んでる人がきっとたくさんいるから、この映画を見てこう勇気与えられたらいいなって思いました。
作品概要
出演
吉名莉瑠 一青窈
市川右若 市川新八 大國千緒奈 坪内陽子
福田サン 白川雄也 塩田みう 松浦弘歩 樋口千颯(子役)
中山晴華 園山敬介 宮ノ尾美友 桑野イドリス 椿直美
矢羽田美翔 大塚光陽子 井上志帆子 南久松真奈 アライジン
津田寛治スタッフ
監督:祝大輔 脚本:阿久根知昭
プロデューサー:阿久根裕行 伊賀宣子
佐々原葉子 白川雄也 石川翔一
アソシエイトプロデューサー:岸川弘典 西美砂子 沈潔 和田吉正
音楽:中西ゆういちろう
撮影:岩男海誠 照明:長沼修二 録音:地福聖二 美術:木俣恵太
スタイリスト:久保木裕子 ヘアメイク:田中翠
助監督:久高将也 編集:古川誠
協力:飯塚市・北九州市・福岡市
配給:トリプルアップ
主題歌:一青窈「ただやるだけさ」(日本コロムビア)
製作:イメージフィールド福岡 No Control Films
エクサインターナショナル
配信概要
公式WEB:https://neko.nyanta.jp
©︎2024「猫と私と、もう1人のネコ」製作委員会