第37回東京国際映画祭 閉幕 東京グランプリ『敵』(監督吉田大八)受賞! 最優秀監督賞・主演男優賞(長塚京三)で3冠!!!

第37回東京国際映画祭が11月6日閉幕。TOHOシネマズ日比谷にてクロージングセレモニーと隣接のLEXUS MEETS にて受賞者記者会見が行われた。
セレモニーでは、各部門における審査委員からの受賞作品の発表・授与。主演男優賞(長塚京三)と最優秀監督賞、【東京グランプリ/東京都知事賞】に吉田大八監督の『敵』が選出され3冠。審査委員長トニー・レオンよりトロフィーを授与され、日本映画がグランプリに輝くのは第18回の『雪に願うこと』(監督 根岸吉太郎)以来19年ぶり。また、長塚京三さんは東京国際映画祭主演男優賞の最高齢(79歳)。その他、主演女優賞は『トラフィック』のアナマリア・ヴァルトロメイが、審査員特別賞は『アディオス・アミーゴ』が、最優秀芸術貢献賞は『わが友アンドレ』が、そして観客賞は『小さな私』がそれぞれ受賞。


コメント・講評

<アジアの未来>作品賞受賞 『昼のアポロン 夜のアテネ』 エミネ・ユルドゥルム(監督)
東京国際映画祭でこのような賞をいただけて、とても光栄です。審査員の皆様、観客の皆様、そしてこの作品の制作に関わったスタッフに感謝を伝えたいです。

<コンペティション>
観客賞受賞 『小さな私』 ヤン・リーナー(監督)
この映画の持つ物語が最終的に皆さんの心に刺さることがあればいいなと思います。皆さんの映画に対する愛に感謝します。この作品は障害を持つ青年の成長を描いた作品ですが、主人公は普通の人間です。映画の製作に関わったすべてのクリエイターに感謝したいです。

最優秀芸術貢献賞受賞 エニェディ・イルディゴー 講評
現実を強烈な内なる風景へと変える、大胆なビジョンを見せてくれました。

最優秀芸術貢献賞受賞 『わが友アンドレ』 ドン・ズージェン(監督)
この場を借りてこの作品に関わったスタッフの皆さんに心から感謝を申し上げたい。この映画は私のデビュー作ですが、周りの友人たちとともに作り上げました。劇中に大雪の場面があったと思いますが、私の心の中の悩みや暗い気持ちを覆ってしまうような気がしていましたが、雪はいつか溶けて太陽があらわれる。希望に満ちているんです。これからも努力していい映画を作っていきたい。

最優秀男優賞受賞 トニー・レオン 講評:
スクリーンに登場したその瞬間から、その深みと迫真性で私たちを魅了しました。

最優秀男優賞受賞 『敵』 長塚京三(俳優)

ちょっとビックリして、まごまごしています。『敵』という映画は、年を取って一人ぼっちで助けもない。そして敵に閉じ込められるという内容で。でもこういう場に立たせてもらい、結構味方もいるんじゃないかと気を強く持ちました。ボチボチ、引退かなと思っていたので、奥さんはガッカリするでしょうけど、もう少し、この世界でやってみようかな。東京国際映画祭、ありがとう。味方でいてくれた皆さん、ありがとう。

最優秀女優賞受賞 キアラ・マストロヤンニ 講評:
彼女の映画への力強い解釈に、喜んでこの賞を贈りたいと思います。

最優秀女優賞受賞 『トラフィック』 アナマリア・ヴァルトロメイ(俳優)
なんという驚きでしょう。この賞をいただけて感謝と光栄の気持ちでいっぱいです。テオドラ、協力的で繊細な監督でいてくれて、私をこの作品の一員にしてくれてありがとう。この賞をすべての仲間と共有したいと思います。審査委員長のトニー・レオンさん、あなたは唯一無二の存在で生ける伝説です。私が演じたナタリアはあまり語らず目で多くを表現します。あなたこそが目で語る男と呼ばれる方ですから。他でもないあなたからの賞賛で私の喜びは爆発しそうです。

最優秀監督賞 ジョニー・トー 講評:
この映画の監督はあらゆる視覚的要素を描きながらある老人を表現し、人々に希望を与えました。

最優秀監督賞 『敵』 吉田大八監督

この小さな映画を誕生から旅立ちまで見届けてくれてスタッフや俳優の皆さんに感謝しています。私自身がいい監督であるかはわかりませんが、この映画がいい映画になったことは確かです。ありがとうございました。

審査員特別賞受賞 橋本愛 講評:
内戦末期のコロンビアを舞台に、深刻さの中にもユーモラスがあふれていました。個人的には、最初の虹のシーンは映画史に残る伝説的なシーンだと思いました。

審査員特別賞受賞 『アディオス・アミーゴ』 イバン・D・ガオナ(監督)
素晴らしい賞をありがとうございました。私たちは世界一周するほど遠いコロンビアから来ました。東京国際映画祭の皆さま、光栄です。本当にありがとうございます。

東京グランプリ/東京都知事賞受賞『敵』 トニー・レオン 講評:
本当に心打たれる素晴らしい映画です。ユーモアのセンス、素晴らしいタッチ、そしてエレガントで映画的表現として新鮮な作品。すべて完璧に仕上げていました。

東京グランプリ/東京都知事賞受賞『敵』 吉田大八監督
審査員の皆さま、ありがとうございます。10日間映画祭を支えたスタッフの皆さまもありがとうございます。私自身もこの映画祭で多くの映画を観ることができました。味方は意外と多いことに気づけて良かったです。僕も長塚さんも皆さんの敵であり、味方でいたいと思います。これからも映画をよろしくお願いします。

小池百合子東京都知事 コメント(松本明子副都知事代読):
吉田大八監督を含め、受賞者の皆様おめでとうございます。毎年数多くの新しい才能が東京か生まれ、世界に羽ばたいてくれることを大変うれしく思っております。映画は人々の心に潤いをもたらします。世界がいくつもの困難に見舞われておりますが、映画の魅力を発信することで素晴らしい未来につながること期待しています。

審査委員長 トニー・レオン 総評:
東京国際映画祭と審査委員の同志に感謝を伝えます。素晴らしい審査員たちにも感謝します。今回、審査委員長という立場に大変緊張しました。当初は、いい映画に出会えなかったらどうしよう、逆にいい映画ばかりだったらどうしようとハラハラしていました。でも、審査委員全員一致でこの素晴らしい作品を見つけることができました。近い将来、またこの東京国際映画祭に来ることが出来る日を楽しみにしています。

第37回東京国際映画祭 動員数 <速報値・6日は見込動員数>
上映動員数/上映作品本数:61,576人/208本 *10日間

概要
名称:第37回東京国際映画祭
開催期間:2024 年 10 月 28 日(月)~11 月 6 日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区

公式サイト:http://www.tiff-jp.net

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