ミュージカル『SIX』来日版上演中 ”離婚、斬首、死亡、離婚、斬首、死別”ロックに乗せてシャウトする。

「ミュージカル『SIX』来日版(英語上演・日本語字幕)」が東京・EX THEATER ROPPONGIで上演中だ。

劇中では、英国王ヘンリー8世の6人の妻たちが、各々の劇的な人生をポップ&ロック調のキャッチーな楽曲に乗せて歌い上げる。
1人目の妃キャサリン・オブ・アラゴン、2人目の妃アン・ブーリン、3番目の妃ジェーン・シーモア、4番目の妃アナ・オブ・クレーヴス、5番目の妃キャサリン・ハワード、6番目の妃キャサリン・パー、現代によみがえった6人の妃たちはガールズバンドを組むことに。彼女たちは「誰がヘンリー王に一番ひどい目に合わされたか」を競い、バンドのリードボーカルを決める。

本作は、英国史上最も有名な暴君として知られている英国王ヘンリー8世の、6人の元妻たちが各々の劇的な 人生をポップ&ロック調のキャッチーな楽曲で歌い上げる、80分間のノンストップライブパフォーマンス仕立てのミュージカル。題材となっているヘンリー8世の6人の元王妃たちの壮絶な運命、1人目の妃キャサリン・オブ・アラゴンは、 長年連れ添ったにも関わらず王が愛人と結婚する為に離婚。2人目の妃アン・ブーリンは略奪婚に成功し王妃の座を得るも斬首に処せられる。3番目の妃ジェーン・シーモアは王待望の息子を産むが産褥死。4番目の妃アナ・オブ・ クレーヴスは結婚前に見た肖像画と似ていないという理由で即離婚。5番目の妃キャサリン・ハワードは、前恋人との密会が疑われ斬首。6番目の妃キャサリン・パーは、王に先立たれ生き残る。

「離婚、斬首、死亡、離婚、斬首、生存(死別)」英王室史を学ぶ学生はヘンリー8世の6人の妻の運命をこのように覚えるそう。2017年にケンブリッジ大学の学生により制作されたというから、これがベースになっていることは想像に難くない。そしてこの作品は世界最大の芸術祭エジンバラ・フェスティバル・フリンジで発表されるとたちまち話題になり、UKツアーが決定。瞬く間にヒット作となった。その後の快進撃は目を見張るものがある。世界各地で上演され、2019年にはオリヴィエ賞で作品・助演・音楽・振付・衣裳デザインの5部門でノミネート、2022年トニー賞では、8部門にノミネートされ、ミュージカル衣裳デザイン賞、オリジナル楽曲賞受賞という快挙。

時折ライトモチーフのように出てくる楽曲、「グリーンスリーブス」、広く流布している伝説、この曲はヘンリー8世が、その恋人で後に王妃となるアン・ブーリンのため作曲したというもの。この伝説は真偽不明、歌詞は今日でも大衆の心の中で、一般にアン・ブーリンと関連付けられているそう。また劇中、「Divorced(離婚)、Beheaded(打首)、Died(死亡)、Divorced(離婚)、 Beheaded(打首)、Survived(死別)」というフレーズが頻繁に。
 とにかく6人がパワフル、ヘンリー8世のおかげで不幸のてんこ盛りのようなエピソード、それをロックで歌い上げ、シャウトする。誰が一番不幸だったか、一番「不幸」な人物がバンドの主役、つまり、”センター争い”。とにかく不幸ネタでマウントを取り合ったり、客席は笑い、そしてノリの良い音楽に合わせてクラップ。楽曲もノリノリなだけでなく、歌詞もウイットに富んでいる。そして生演奏、バンドも、もちろんALL GIRLSで編成。6人それぞれのソロパート、6人の個性、曲と曲の間に繰り広げられる会話、休憩なしのノンストップで小気味よい。演じる俳優陣、6人がとにかくインパクト大、そして初の東京公演なので!サービス満点、「ここはアドリブ??」みたいなところも随所に。そして、そして!最後は撮影OK、キャストが合図するので、スマホのバッテリーは十分に。観客は総立ちでパチパチ、また入場時に”光る棒”が無料で配られるので、最後の最後で大いに盛り上がりたい。それにしてもヘンリー8世、話題に事欠かない人物、6人の妻の物語、この6人が現代に転生したら、の発想。独創的でユニーク、始まった途端になんとなくオチも見えてしまうが、それでも面白い。日本人版を見る前にこちらもぜひ!押さえておきたい。来日版は26日まで。余談だが、映画『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』は、2月14日より全国ロードショー。

物語
16世紀の英国、テューダー朝。長兄の早世により王位を継承することとなった弟ヘンリー。 その在位38年間、”ヘンリー8世”は離婚と処刑を繰り返し、6度の結婚を経験する。 「英国史上最も有名でスキャンダラスな暴君」として知られるヘンリー8世… ではなく、その元妻たち 6人がマイクを握る! 王妃たちは現代に蘇り、歴史上最もパワフルなガールズバンドを結成。 しかし、誰がこのバンドの主役になるのか—— それぞれの愛と喪失、共通する悪名高い元夫の物語、 そしてこれまでの王による王のために語られてきた歴史ではない「彼女たち」の歴史を語り継ぐべく テューダー朝のヒストリーを、力強く書き直す!

概要
原作=TOBY MARLOW & LUCY MOSS
来日版日程・会場:
2025年1月8日〜26日 EXシアター六本木
日本版キャスト
キャサリン・オブ・アラゴン : 鈴木瑛美子 ・ ソニン(東京のみ)
アン・ブーリン: 田村芽実(東京・愛知のみ) ・ 皆本麻帆
ジェーン・シーモア: 原田真絢 ・ 遥海
アナ・オブ・クレーヴス: エリアンナ ・ 菅谷真理恵
キャサリン・ハワード: :鈴木愛理 ・ 豊原江理佳
キャサリン・パー: 和希そら ・ 斎藤瑠希
バンドメンバー::キーボード:田中葵. ベース:shizupi ギター:中村芽依 ドラム:山内楽
日本人バージョン日程・会場
東京:2025年1月31日(金)~2月21日(金) EXシアター六本木
愛知:2025年2月28日(金)~3月2日(日) 御園座
大阪:2025年3月7日(金)~3月16日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<オリジナルクリエイティブ>
原作:トビー・マーロウ&ルーシー・モス
演出:ルーシー・モス&ジェイミー・アーミテージ
振付:キャリーアン・イングルーユ セットデザイナー:エマ・ベイリー
衣裳デザイナー:ガブリエラ・スレード インターナショナル衣裳スーパーバイザー:ジャスティン・アリン
照明デザイナー:ティム・デイリング
音響デザイナー:ポール・ゲートハウス オーケストレーター:トム・カラン
音楽スーパーバイザー:ジョー・ベイトン
<日本キャスト版クリエイティブ・スタッフ>
翻訳・訳詞:土器屋利行
演出補:アレクサンドラ・スペンサー・ジョーンズ/西祐子
振付補:フレイヤ・サンズ/飯作絵梨子
音楽スーパーバイザー補:ケイティ・リチャードソン/田中葵
照明補:日下靖順
音響補:宮脇奈津子
ヘアメイク補:宮内宏明
衣裳補:桜井麗
バンドコーディネート:新音楽協会
技術監督:清水重光
ステージマネージャー:徳永泰子

企画・制作:梅田芸術劇場
主催:梅田芸術劇場/フジテレビジョン(東京)/関西テレビ放送(大阪)
愛知公演主催:御園座/中日新聞社

HP: https://sixthemusical.com/