新国立劇場 『不思議の国のアリス』上演

英国ロイヤルバレエで11年に世界初演された『不思議の国のアリス』。オーストラリア・バレエとの共同制作により、日本のバレエ団として初めて2018年に上演。今回の再演では、英国ロイヤルバレエからアリス役に高田茜、マッドハッター役にオリジナルキャストのスティーヴン・マックレーをゲストに迎え、2024/2025シーズンを華やかに締めくくる。
プロジェクション・マッピングなど現代アートが織り込まれつつも、生身の人間によるパフォーマンスの素晴らしさを存分に堪能できる、エンターテインメント性と芸術性を兼ね備えた華やかでパワフルな舞台となっている。

 

世界で最も多忙なコレオグラファーの一人であるクリストファー・ウィールドンが手掛けた初めての物語バレエ。音楽には映画やテレビ番組での音楽を手がけるジョビー・タルボット、美術には数々の作品でトニー賞を受賞しているボブ・クロウリーという錚々たるアーティスト達が集結して、英国ロイヤルバレエで 2011 年に初演。世界を席巻したこのプロダクションは世界有数のバレエカンパニーがレパートリー化しており、アジアでは唯一新国立劇場バレエ団だけが上演を許可され、2018/2019 シーズンの開幕公演として上演。ウィールドンはインタビューで「この作品は伝統的なクラシック・バレエではなく、ミュージカル・シアターとバレエの融合、ハイブリットだ」と答えている。 原作の世界を見事に視覚化したカラフルでポップな美術、最新の照明・映像技術で構成されている。

映画界でも大活躍のジョビー・タルボットの音楽はこの作品の大きな魅力のひとつ。彼の音楽はキャロルの登場人物たちのように生き生きとそれぞれのキャラクターを描く。不思議でおかしなおとぎ話の『アリス』にはぴったりの、リズミカルにゆらめくオーケストラの音色を創出。
オーケストラのなんと約三分の一を打楽器が占め、不思議な登場人物たちや情景に合わせて、サンダーシート、ウィンドマシーンほかこの作品のために用意された、沢山の特殊な楽器も使用。

物語
イギリスにあるアリス一家の自宅でパーティーが始まろうとしている。アリスは恋する庭師のジャックにジャム・タルトをプレゼントするが、タルトを盗んだと母親に誤解されてジャックはクビになってしまう。悲しむアリスを一家の友人のルイス・キャロルが慰めようとしたところ、不思議なことが!彼は白ウサギに変身する。追いかけたアリスが着いたのは、母親にそっくりのハートの女王が支配する世界。女王のジャム・タルトを盗んだ罪で処刑されそうになっているハートの騎士の格好をしたジャックを救おうと、アリスの冒険が始まる。
アリスは体が大きくなったり小さくなったり。そして、白うさぎに誘われ不思議の国の奥深くへ。女王の庭園に忍んできたジャックは女王に捕まってしまい、裁判が始まる。不思議の国で出会った不思議な人々と生き物たちが次々と登場し、ジャックに不利な証言をする。アリスは彼を弁護するが、女王はますます怒りを募らせ、城内は大混乱に・・・。

概要
2024/2025 シーズン
新国立劇場バレエ団
不思議の国のアリス
Alice’s Adventures in Wonderland© by Christopher Wheeldon
会期会場:2025年 6 月 12 日〜24日 新国立劇場 オペラパレス
振付 クリストファー・ウィールドン
音楽 ジョビー・タルボット
美術・衣裳 ボブ・クロウリー
台本 ニコラス・ライト
照明 ナターシャ・カッツ
映像 ジョン・ドリスコル/ジュンマ・キャリントン
パペット トビー・オリー
マジック・コンサルタント ポール・キエーヴ

公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/alice/