
日本の演劇界の頂点に名を刻む近松門左衛門。そして、忠臣として歴史に名を残す大石内蔵助。歴史の流れに飲み込まれながらも、貫かれた友情を、ロック・サウンドと共に綴る!
武士を捨て町人に寄り添うように戯作者となった門左衛門。
そして、赤穂藩の筆頭家老として藩政を担い、「忠臣蔵」では吉良邸に討ち入りの陣頭指揮を執ったとして描かれた大石良雄。
本作品は、近松門左衛門の末裔である、近松洋男氏の『口伝解禁 近松門左衛門の真実』を元に、この二人が、歴史の流れに飲み込まれながらも、真逆ともいえる異なる生きざまで三十年に及ぶ友情を貫いた、男同士のドラマを描いていく。
出演は、数々の舞台で常に躍進を続ける佐藤流司が主演で大石内蔵助(大石良雄)役を演じ、2023年上演の音楽劇『逃げろ!』~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~(上演台本・演出:鈴木勝秀)でも共演した、A.B.C-Zの橋本良亮が近松門左衛門役で登場。再び、男同士の友情を熱演。近松勘六役には少年忍者の瀧陽次朗。浅野内匠頭長矩役には瀬戸祐介。吉良上野介義央役には、音楽劇『逃げろ!』で佐藤と橋本とも共演した細見大輔。さらに、竹本義太夫役にはブラザートム。
上演台本・演出は、鈴木勝秀。2019年に 『THE BLANK!~近松門左衛門空白の十年~』にて、二十代の近松門左衛門の波乱万丈の青春期、大石良雄と赤穂塩の専売と販路開拓事業に励み、そこで結ばれた門左衛門と良雄との友情を描いており、本作はその続編となる作品。能舞台の白洲を思わせる色彩と江戸城「松の廊下」意識したステージ装飾。そして、登場人物は時代劇の扮装をせず、日本舞踊の素踊りの形を取り込んだ紋服姿で展開。また、歴史的事実に忠実に再現するのではなく、役柄の年齢なども含めフィクション性を含んだ物語となる。
音楽は、鈴木勝秀の作品では、欠くことができない絶大な信頼を寄せる大嶋吾郎が担当。時代物でありながらも、ロックテイスト溢れる音楽で、作品に絶妙なテンポ感と彩りを。
公開ゲネプロの後、簡単な会見が行われた。登壇したのは、佐藤流司、橋本良亮(A.B.C-Z )、瀧陽次朗(少年忍者)、瀬戸祐介、細見大輔、ブラザートム、そして鈴木勝秀。
佐藤流司「稽古も終えて、ただいまゲネプロも終了いたしまして、かなり難易度が高い、しっかり初日ちゃんと成功させたい、いい幕開けとなりますように頑張っていきたいと思います」
橋本良亮(A.B.C-Z )「もう本番を迎えるだけなんですけども、すごく私緊張してまして。もうやるしかないなっていう思いです。所々いろんなことがありましたけども、やっちゃいたいと思います」
瀧陽次朗(少年忍者)「千秋楽まで頑張っていけたらいいなと思っております」
瀬戸祐介「忠臣蔵はもう数多く演じられてきた中で、僕らがやる意味というのを今回何とか見つけ出しまして。私はとしては新しい関係が今回この舞台で見せることができるんじゃないかなと思ってわくわくしております。漫才じゃないんですけど、漫才みたいになっちゃうところもあるので、そこをぜひ見ていただけたら嬉しいなと思います」
細見大輔「今回のお芝居は僕は基本的に瀬戸くんとしか関わらないので、流司くんとはっしー(橋本良亮)は全く違う芝居やってるんじゃないかっていうそんな不安にもなるかもしれませんが、見てる人はまずは見ていただいてその後、僕たちのことも思い出してくれたらいいなと思います。」
ブラザートム「頑張ります」
鈴木勝秀「前に近松門左衛門の若い頃の芝居を作ったんですけども、続編ということになっていていろいろと説明が足りないところもあるのかもしれないんですけれども、基本的には忠臣蔵の話がメインになって、そこを楽しんでいただければと思います。音楽はご覧いただいたようにもうロックで。忠臣蔵とロックがどんなふうに融合してるのかというようなところもぜひ見ていただきたいと思います」
それから質疑応答、一番楽しいところと難しかったところなどを聞かれ、
佐藤流司「こうしてスズカツさんの元で、やれるのが楽しみだなって思ったのが最初です。一番楽しいシーンは…2年前に改めて組ませてもらったんですけどそのシーンが一瞬出てきたところのアドリブか一番難しいシーン。あとは初めて2人芝居するところ、エンジンかけ損ねると、もう上げる材料がないんで、それが難しいかなと思ってます」
橋本良亮「全く一緒です。2年前の舞台の千秋楽にスズカツさん、流司さん、スタッフさんのみの食事会をしたんですよ。その時に近松の話、こういうストーリーがあるんだ、ちょっと2人どう?と…そのとき、流司と一緒にまたやりたいねって、そしたら実現したんです。難しかったシーン、演技をしていてアドリブをどこに入れようかっていうところ。そこがちょっと難しいところかなとは思いますけども、もう入れるところがなかなかないので、結構真剣に芝居とかしたり、入れるところはちょっと難しいんですけども、何ヶ所かちょっと狙ってやりたいなと思ってます。楽しいところは僕は流司の逆で最後し、2人で立って芝居するシーンがものすごく楽しいです。演者としては、立って芝居するって結構難易度高いんですよ。 何も使わない行動も何もない。 だから何にも頼らずに自分の力だけでお客さんを感動させるっていうのを本番で楽しみたいなと思います」
瀧陽次朗「好きなシーンはペラペラ言ってるのを聞いてるときです。毎回難しいところは、元気で楽しそうに出てきたけど、いざ浅野と吉良の問題が出たときに、少年というか青年というか、そういうのを演じるのは少し難しいなと思いました」
ブラザートム「お話をいただいた時、このメンバーだと聞いたので、これならやりたいと思いました。嬉しい、嬉しいです。一番難しいシーンは、今こうやってたっていうことですね。全部が終わったあと、お客さんと同じ気持ちでいられるくらいの緊張感がある、すごく面白いお芝居…出させてもらえたことを嬉しいなと思っています」
瀬戸祐介「スズカツさんにもう自分の内なるものを導いていただいた感じで、稽古はとてもリラックスしても楽しくやることができました」
細見大輔「良いチームワークできるなという感じですごく楽しみにしておりました。楽しいシーンは、お父さんが掃け際に本当にとんでもないことを言うシーンが本当に毎回楽しみに仕方ないので、どれだけ逸脱したアドリブが出てくるのかすごく今でも楽しみです。難しいのは冒頭の僕らの2人のシーンの後半で、なんだかわかんないけどめちゃくちゃ早口で喋ってるシーンがあるのですが、なんであんなに喋ってるか僕もよくわからないんですがそこが一番難しいということで」
また、佐藤流司と橋本良亮、久しぶりの共演ということで、エピソードを聞かれて
佐藤流司「変わったところはお互い大人になって、活気がなくなったって…落ち着いちゃいました。2年前の方がなんかやんちゃ感がありましたね、2年前は『よっしゃ!焼肉行こうぜ!』みたいな感じだったんですが、今回はちょっとイカの刺身でも(笑)」
橋本良亮「流司のアドリブがもうすごい楽しみで仕方なかった。今回もどんなのをぶちかましてくれるかなって。それがすごく楽しみで、今日の初日、何を出してくるかちょっとビクビクしています(笑)」
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佐藤流司「舞台上で出せるものが全てだと私はそう思っておりますのでぜひ見に来ていただいて、我々はどう思ってるのか、皆様に何をお伝えしたいのか、そんなようなことをぜひ感じて受け取ってもらえたらなと思いますので、ぜひ劇場へ足をお運びください」
あらすじ
波乱万丈の青春期を過ごし、赤穂塩の専売とその販路開拓事業に励んだ、大石良雄と近松門左衛門。その後、大石は播州赤穂藩の筆頭家老、一方、近松は武士を捨てて戯作者となった。だがふたりは、武士と町人に身分は分かれたが、日々その友情を深めていた。
時を同じくして、江戸城内。
勅使饗応役を命じられた赤穂藩藩主の浅野内匠頭長矩は、教育係の高家肝煎の吉良上野介義央から、イジメともとれる厳しい指導を受けていた。吉良の理不尽な指導に耐えきれなくなった浅野は、江戸城「松の廊下」で、ついに吉良に斬りつける刃傷事件を起こす。いわゆる「赤穂事件」の発端である。
将軍・綱吉の逆鱗に触れた浅野は、即日切腹、赤穂藩は改易に処された。筆頭家老である大石は、「主君の仇討ち」という重荷を背負わされることになる。そして──
概要
日程・会場:
東京
2025年5月30日(金)~6月15日(日)IMM THEATER(東京)
大阪
6月20日(金)~6月22日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール (大阪)
出演
佐藤流司
橋本良亮(A.B.C-Z )
瀧陽次朗(少年忍者)
瀬戸祐介
細見大輔
ブラザートム
上演台本・演出:鈴木勝秀
音楽:大嶋吾郎
公式サイト https://chikamatsu-stage.jp/
撮影:伊藤智美/(C)近松忠臣蔵 2025