鉄道×音楽 Take the “KEIO” Train! @調布国際音楽祭「電車愛、KEIO愛が止まりません!」

毎年、多彩なプログラムでファンも多い「調布国際音楽祭」。今年は、調布といえばご当地を走る…京王線! 列車、電車、自他ともに認める鉄道ふぁんの上野耕平(サクソフォン)、そしてこの日、髪に何気にKEIOカラーで京王電鉄リスペクト、廣津留すみれ(ヴァイオリン)、調布愛と京王電鉄愛が止まらない鈴木優人(ピアノ)、このメンバーの中で立ち位置がクールな森下 唯(ピアノ)、ゲストの市川紗椰(モデル)、鉄道LOVE、このバラエティ豊かなメンバーで『鉄道×音楽 Take the “KEIO” Train!』。

最初はハイケンスの『セレナーデ』演奏は上野耕平と鈴木優人、なぜ、この楽曲なのか、それは、日本国有鉄道(国鉄)の客車の車内放送用チャイムに第一主題の旋律の末尾部分が採用され、現在でもJR各社の客車(夜行列車など)やその譲渡車、JR北海道の特急列車、高速乗合バスJAMJAMライナーの新日本観光自動車運行便などに搭載・使用されている。よって誰もが多分、一度は耳にしたことがある旋律。演奏が終わり、「この曲を知ってる人」との呼びかけにかなりの観客が挙手した。それからなかなか鉄道愛の濃いトーク、そして2曲目は「電車でGO?!」サクソフォンによるモーター音演奏、「電車でGO」風に映像、ここは調布駅、駅構内で流れる音、自動ドア、そして”出発”、もう地元民からはクスクス笑いがさりげなく、駅アナウンスも披露、それからアルカンの練習曲「鉄道」Op.27、演奏は森下唯。1844年に作曲された当時、蒸気機関車は最先端、それに対する作曲家のワクワク感が曲調に反映、汽笛の描写や流れる風景のイメージ、まさに”鉄道”。それから三留研介、若林剛太(萩森英明編)の駅メロディによる即興曲、これがなかなかにお洒落な楽曲、駅メロ、今度よく聴いてみようかなという気にさせてくれる。


20分の休憩時間、この時間は舞台撮影OKということで、観客がスマホを片手に。舞台上には、電車の模型が!それからロビーではしっかり京王電鉄グッズが販売、会場もロビーも”鉄道”一色。
休憩が終わり、多梅稚(山中惇史編)『鉄道唱歌-900番台』、900番台というのは、量産先行車とか、試作車につける番号だそう。鉄道唱歌自体は、しっかり昭和な感じだが、アレンジが多彩で21世紀らしい、枠にハマらない曲調に。

それから、黛敏郎の0系新幹線車内メロディ(黛敏郎チャイム)、1964年に東京・新大阪間に開通した東海道新幹線、日本が高度経済成長で大いに湧き立っていた頃で、1970年には万博、その車内チャイムの作曲を新進気鋭の現代作曲家である黛敏郎に依頼、当時39歳の黛敏郎、短い中にも彼の未来への想いが感じられるもの。なかなかにレア!その次はドヴォルザークの 交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」第2楽章(家路)、この曲、中には「小学校の下校時に流れていた」という昭和な世代もいることだろう。

最後は…京王電鉄でシメ!とばかりになんと京王電鉄の制服を着る上野耕平、鈴木優人、市川紗椰、もう嬉しそう。挾間美帆編 Take the “KEIO” Train(新編曲)、このタイトルを見てピンときた人もいるだろう、有名な「Take the “A” Train(A列車で行こう)」、京王電鉄もこの曲でお洒落にカッコよく!
休憩込みの楽しい鉄道の旅はあっという間、最後に「線路は続くよ、どこまでも」を観客とともに合唱、ちなみに今年の調布国際音楽祭のテーマは『Journey Through Music ! 音楽の旅へ!』、音楽で鉄道、旅、楽しい2時間はこれで幕となった。

<プログラム>
ハイケンス:セレナーデ
アルカン:練習曲「鉄道」Op.27
三留研介、若林剛太(萩森英明編):駅メロディによる即興曲
多 梅稚:(山中惇史編)
鉄道唱歌-900番台
黛敏郎:0系新幹線車内メロディ(黛敏郎チャイム)
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」第2楽章(家路)
挾間美帆編:Take the “KEIO” Train(新編曲)   ほか

演奏会 概要
日時会場:2025年6月28日(土)13:00 調布市グリーンホール 大ホール
出演:
上野耕平(サクソフォン)
廣津留すみれ(ヴァイオリン)
鈴木優人(ピアノ)
森下唯(ピアノ)
ゲスト:市川紗椰(モデル)

音楽祭 概要
調布国際音楽祭2025 Journey Through Music! 音楽の旅へ!
開催期間:2025年6月21日(土)~6月29日(日)
会場:調布市グリーンホール、調布市文化会館たづくり、調布市せんがわ劇場、深大寺、布多天神社 ほか
エグゼクティブ・プロデューサー:鈴木優人
アソシエイト・プロデューサー:森下唯
監修:鈴木雅明
コミュニケーション・アドバイザー:平野敬子
主催:公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団、調布市
特別協賛:アフラック生命保険株式会社
協力:京王電鉄株式会社、桐朋学園大学

公式サイト:https://chofumusicfestival.com

撮影:三浦興一