
「見上げてごらん夜の星を」や「手のひらを太陽に」で知られる、作曲家・いずみたくが遺した譜面をもとにミュージカル「十二人の怒れる男」を、2026年2月6日より浅草九劇にて上演。脚本、演出は「毛皮のヴィーナス」で読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した五戸真理枝。
いずみたくの資料を整理する中で、数年前に見つかった「十二人の怒れる男」と書かれた譜面。1970年代に、今はなき専門学校のために書かれた譜面であること以外、何も記載されていませんでした。と主催者は伝える。いずみたくが遺したこの譜面をミュージカルとして甦らせようと、五戸真理枝に演出を依頼。音楽監督はイッツフォーリーズ作品では「バウムクーヘンとヒロシマ」などを手掛ける田中和音が担当。何度も舞台化、映画化、ドラマ化され続けている不朽の名作「十二人の怒れる男」をイッツフォーリーズがミュージカルとして上演する。
あらすじ
物語の舞台は、ある殺人事件裁判の陪審員室。被告は18歳の少年で、父親を殺した罪に問われている。裁判では、少年が有罪であり死刑になる可能性が高い状況だった。
陪審員12人が集まり、評議を行い、全員一致で判決を下さなければならない。最初の投票では、11人が「有罪」と主張するが、ただ1人(陪審員8番)が「無罪」に票を投じる。彼は少年が有罪であると結論づける前に、証拠や証言を慎重に検討すべきだと主張したのだ。この1人の異議により、陪審員たちは事件を再検討し始める。議論が進むにつれ、証拠や証言の矛盾点が次々と明らかになり、陪審員たちはそれぞれの先入観や偏見と向き合わざるを得なくなっていく。彼らの間で緊張感が高まり、激しい議論が繰り広げられる中、次第にそれぞれの考え方にも変化がみられていく。
コメント
五戸真理枝. <脚本・演出>
『12人の怒れる男』物語には、人間がいかに自分勝手で、他人を思いやることが苦手な生き物であるかということが、刻まれているように思います。父親殺しの容疑者であるスラム育ちの少年のことを、信じてみることができるかどうか。信じる者には疑う者が愚かに見え、疑う者には信じる者が愚かに見えます。陪審員たちそれぞれの正義を賭けた闘いを、ハラハラドキドキ見守るような視点で、ミュージカルとして上演してみたいと思います。
田中和音<音楽監督>
歴史的名作との呼び声高い本作に、いずみたくさんが素晴らしいメロディを付けたスコアが見つかったことから、この企画は始まりました。
今回の上演にあたり脚本も改訂されるため、すべての楽曲を原曲のまま使用することは叶わず、編曲と新たな作曲という大役を仰せつかりました。いずみ先生の作品と肩を並べて筆を振るうことは、この上ない光栄であると同時に大きなプレッシャーでもありますが、全力を尽くして務めてまいります。
概要
タイトル:イッツフォーリーズ公演ミュージカル「十二人の怒れる男」
会期会場:2026年2月6日(金)〜 15日(日) 浅草九劇
主催・企画・制作 株式会社オールスタッフ
ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ
原作 レジナルド・ローズ
音楽 いずみたく
脚本・演出 五戸真理枝
音楽監督 田中和音