加藤健一事務所公演 『請願』12月上演 カトケンよりコメントも_

加藤健一事務所11年ぶりの再演、『請願』が12月3日より下北沢の本多劇場にて開幕。
今なお世界を覆う核兵器問題を背景に、とある老夫婦の愛が静かに深まりゆく物語。
半世紀を共に歩んだ二人が、これまで秘めてきた心の扉を開いた時にそこには揺るぎない絆と温かな愛の光が差し込んでくる会話劇。


二人芝居のパートナーには、カトケンと初共演の増子倭文江。演出は『サンシャイン・ボーイズ』や『煙が目にしみる』などでお馴染みの堤泰之。
公演タイトルも『請願』とあえてシンプルに変更し、思いを新たに挑戦する。

加藤健一より

「今どうしてもやっておかなくては!」という強い思いで上演を決めた作品です。ブライアン・クラークという劇作家が国の核所有の是非をめぐる問題と、夫婦の愛の問題を見事に融合させた傑作ドラマです。ずっと以前にも上演しましたが、今回はキャストも演出家も一新し、僕自身も、核という強烈なテーマに引きずられ過ぎる事なく、夫婦愛というテーマをしっかりと見つめながら、前回とは違うアプローチをしたいと思っています。きっと皆様の周りでも、毎日のように報じられる戦争の事や、大国の権力争いの事が話題になっていると思います。でも、このお芝居は決して怖い内容ではなく、心温まる感動のドラマに仕上げたいと思っていますので、是非応援していただきたく、伏してお願い申し上げます。

物語
ロンドンの高級住宅街で穏やかに暮らす老夫婦。退役軍人の夫・エドムンド(加藤健一)と、病弱の妻・エリザベス(増子倭文江)。
ある日、エドムンドは核兵器反対の請願署名にエリザベスの名前を見つけて憤る。退役後もなお国家への忠誠を貫くエドムンドにとって、妻の行動は決して見過ごせるものではなかった。
しかしそれは、半世紀以上連れ添ってきたエリザベスが、初めて本心を主張した瞬間でもあった。
夫婦の議論が進むなか、互いに知らなかった真実が明らかになっていく――。

作品について
1945年、13歳であった作者は広島への原爆投下に喜んだが、後にそのことを恥じ、自分への贖罪として1986年に書いた作品。
1986年3月、ボストンのウィルバー劇場で初演。その後、ブロードウェイのジョン・ゴールデン劇場で続演された。
日本国内での上演歴は、新国立劇場(2004年)、水田の会(2012年)など。加藤健一事務所では2014年上演、共演は三田和代、演出は高瀬久男。

お知らせ
『芝居狂 役者・加藤健一』 著者:中村義裕(演劇評論家)/東京堂出版
『請願』公演にて先行販売。(発売日12/8(月))

概要
日程・会場:2025年12月3日(水)~12月14日(日) 下北沢・本多劇場
作:ブライアン・クラーク
訳:吉原豊司
演出:堤 泰之
出演:加藤健一 増子倭文江

公式サイト:https://katoken.la.coocan.jp