小川絵梨子新国立劇場芸術監督、任期最後のシリーズ企画「いま、ここに──」『りんごが落ちる』全キャスト公開

小川絵梨子芸術監督、任期最後のシリーズ企画「いま、ここに──」。変わり続ける世界の中で、それでも人はここにいる。ここに、居続ける。いま、ここに生きることと、小さな希望を見いだしていく3つの物語を2026年4月より三カ月連続で上演。
このシリーズ企画の最後を飾るのは、2026年6月13日(土)より開幕する、ノゾエ征爾の新作書下ろし『りんごが落ちる』。

自分の前に立ちはだかる「乗り越えがたい大きな壁」や、他者との断絶感、弱さを打ち明けられない葛藤など、現代を生きる誰もが抱える心の痛み。そんな痛みなどモノともしないタフさに憧れながらも、生きづらさを感じている人々を、「recover」や「cure」をキーワードに、ノゾエ征爾の誠実でユーモアあふれる筆致で、愛情いっぱいに描き出す。
本作の演出を担うのは、青年座の気鋭の演出家・金澤菜乃英。新国立劇場には、今作が初登場。

物語の主人公は、久々の大舞台で主役を射止めながらも、初日の舞台上で突如セリフを忘れ、ラスト10分を沈黙劇にしてしまった舞台俳優・田端光太郎。その日、一人台所に立つ彼の元へ、舞台関係者や隣人など、それぞれの事情を抱えた「息が詰まっている」人々が、次々と訪ねてきて、彼らのズレた思いやりと身勝手が錯綜する。それぞれの人生で止まっているセリフたちは、果たして再び動き出すのか──。
出演は主人公のベテラン舞台俳優の田端光太郎を演じるのは、浜田 学。田端の学生時代の後輩・猿橋には、山口森広。田端が現在出演中の舞台の演出家・鴨川には、梅舟惟永、田端の住む家の隣人・鶴野には大西多摩恵。そして田端の妹・夢子は、宮川安利が演じる。

ものがたり
台所に一人立つ男。ベテラン舞台俳優の田端光太郎。
1時間前、彼は舞台上にいた。近年仕事が減る中、久々に舞台の主役が巡ってきた。
迎えた初日。セリフが止まった。ラスト10分が沈黙劇となった。
田端は今、台所に立ち、料理をしている。二人暮らしの小学生の息子は合宿で不在だ。
そこへ、学生時代の後輩・猿橋が。この舞台の若い演出家・鴨川が。お隣の婦人・鶴野が。それぞれの事情で訪ね
てくる。そして地元で働く妹・夢子からは、何度も気遣いの連絡がくる。
行き詰まり、息が詰まっているアンバランスな人々の、ズレた思いやりと身勝手が錯綜する。
田端は果たして、本当にセリフを忘れたのか? 明日セリフは言えるのか?
それぞれの人生で止まっているセリフたちが動き出す。
りんごが落ちる。誰が拾う。

概要
日程・会場:2026 年 6 月 13 日(土)~28 日(日)新国立劇場 小劇場
作:ノゾエ征爾
演出:金澤菜乃英
出演:
浜田 学、山口森広、梅舟惟永、宮川安利、大西多摩恵
芸術監督:小川絵梨子
主催:新国立劇場
公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/play/nozoeseiji-newplay/