新国立劇場の2026/2027のシーズンラインアップ発表会が行われた。登壇したのは芸術監督の吉田都。
「これまで約30年にわたり、5人の芸術監督のもとでクラシックバレエの伝統を磨き上げ、日本ならではの感性を融合させながら歩みを進めてまいりました。2026/2027シーズンは、これまで受け継いできたバレエの美と精神、そしてその革新への挑戦を感じていただける一年となるように努めてまいります」と挨拶した。

吉田都は2020年より芸術監督を務めており、5代目。シーズン最初の演目は新制作、チャップリンの名作映画『街の灯』、イギリスの振付家であり、『ジゼル』の改訂振付を手掛けたアラスター・マリオットがバレエとして舞台化する。元々はマリオットからアイデアのオファーがあったそうで吉田監督は「素晴らしいアイディアとは思いつつ、実現は難しいのではと思っていました。チャップリンは綿密に振りつけられたダンスとして映画シーンを捉えているので、全編をバレエ化するのは理にかなっていると思いました。財団の許諾が得られた時には驚きと感謝の気持ちでいっぱいでした」と語った。
『DANCE to the Future 2026』はアドバイザーとして小㞍健太を迎え、新国立劇場バレエ団ならではのコンテンポラリー。新国立劇場バレエ団の中から振付家を育てるプロジェクト「NBJ Choreographic Group」で生まれた選りすぐりの作品を上演。新作は新国立劇場バレエ団ファースト・ソリストの木下嘉人が手がける。

クリスマスシーズンは2025/2026シーズンに英国の振付家ウィル・タケットによる新国立劇場オリジナル版として新制作された『くるみ割り人形』の再演、振付や考え方など美しい舞台装置などにも注目
『ラ・シルフィード/精確さによる目眩くスリル』、「全く違うタイプの二つの作品で本当に今のバレエ団を見ていただこうと」と吉田都芸術監督。

その次は小㞍健太新作<新国立劇場委嘱作品・世界初演>、国際的に活躍するコンテンポラリーダンサー、新国立劇場からも数名のダンサーが出演、世代の異なる出演者が共演。
『ホフマン物語』はドイツ・ロマン主義の作家E.T.A.ホフマンによる3つの物語をモチーフとし、人生で巡り合った三つの恋を回想する、詩人ホフマンの幻想的な物語。そして『ロメオとジュリエット』『ドン・キホーテ』とレパートリー作品の上演。
伊藤郁女 喧嘩(仲直り)はストラスブール・グランテスト国立演劇センター「TJP」のディレクターに就任した伊藤郁女による新作。「最初は喧嘩だけだったのですが、後からやっぱりかっこで仲直り出してくださいということでしたので、どういう作品になるのかを楽しみにしているところでございます」とコメント。

子供のためのバレエ教室は2020年に新制作し大好評を得た森山開次による『竜宮 りゅうぐう』を6年ぶりに。公演は7月の夏休み期間。
そして今シーズンもまた、子供達を招待。「去年の『くるみ割り人形』のときに、また未来シートということでバレエを習っている子供たち向けに子供たちの手紙を書いてもらって、その中から選ばれた子供たちをご招待して、そしてその後にダンサーたちとの交流を持つという…オンワードさん、そしてChacottさんからが支援してくださってるんですけども、これは3回目となりまして、前回の『くるみ割り人形』のときも男の子がちょっと感動して泣き出しちゃったって聞いたんですけれども子供たちにとって憧れのダンサーが目の前に、公演後に目の前に立って話しかけてくれるという体験…私が子供のときだったら私も本当に泣き出してしまうと思うぐらいのことですけれども、この企画、続けていけたらなと」としみじみ。

また国内外への新国立劇場バレエ団の認知については配信によって飛躍的に伸びた。「ジゼル」は70万回超えだったそう。また、昨今の物価高には抗えないようで、新シーズンからチケット料金を値上げすることも明らかに。
2025年にロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで上演した『ジゼル』を、”凱旋公演”として福岡・兵庫にて上演。「伝統とは、ただ守るものではなく、時代とともに磨かれ、変化し続けることで未来へと引き継がれていくもの」とコメント。
<2026/2027シーズンラインアップ>
街の灯<新国立劇場バレエ団委嘱作品・世界初演>
2026年10月~11月
DANCE to the Future 2026
2026年11月
くるみ割り人形
2026年12月~2027年1月
ラ・シルフィード/精確さによる目眩くスリル
2027年2月
小㞍健太新作<新国立劇場委嘱作品・世界初演>
2027年2月
ホフマン物語
2027年3月
ロメオとジュリエット
2027年5月
ドン・キホーテ
2027年6月
伊藤郁女 喧嘩(仲直り)<新国立劇場委嘱作品・世界初演>
2027年8月


