先日、新国立劇場のオペラ2026/2027シーズンラインアップ発表会が行われたが、大野和士芸術監督はこの日、ブリュッセル滞在中、オンラインでの参加となった。

まずは新制作について。
シーズンオープニングは『イタリアのトルコ人』。テアトロ・レアル、リヨン歌劇場との共同制作で2023年にマドリードで初演されたプロダクション。演出はロラン・ペリー。「構造がとてもユニーク」と大野和士。そして「おしゃれで少しスパイシー」とのことヒロインは24/25シーズン開幕公演『夢遊病の女』アミーナで新国立劇場に急遽デビューした新星クラウディア・ムスキオ。指揮はイタリアの若手注目株のアレッサンドロ・ボナートが新国立劇場初登場。トルコ王子セリムには世界的歌手を輩出する国ジョージア出身のマノシュヴィリ、さらにボルドーニャ、ガティン、タッディアと、ロッシーニにはこの上ない顔ぶれ。



© Javier del Real | Teatro Real
11月にはブリテンの傑作『ピーター・グライムズ』。巨匠ロバート・カーセンのプロダクションは、2023年のスカラ座での初演で話題を呼んだもの。
漁師ピーター・グライムズはあまりの実直さのために誤解され、社会から疎外されますが、第2幕、第3幕では、グライムズを愚弄していた人々が逆に病んでいることが示され、その前後に合唱とオーケストラで奏でられる波のような音楽は、この問題が、時代が巡っても変わらない人間普遍のテーマであることを暗示。主役のピーター・グライムズにはスカラ座公演でこの役を歌った世界的テノール、ブランドン・ジョヴァノヴィッチ、エレンには英国が誇るソプラノ、サリー・マシューズ。この作品での合唱の存在意義は大きく、合唱は新国立劇場合唱団が担う。




シーズン締め括りはヴェルディ『マクベス』。「シェイクスピアの傑作を元とするため、決して失敗はしないだろう」と語ったというヴェルディ初期の自信作。「マクベス自身も最後に自分で自分の行き先をふさいでしまうというようなですね、筋書きが大変見事」と大野和士。マクベス夫人の3つのアリア、マクベスのモノローグ、マクダフの叙情的なアリア、大迫力の大合唱。指揮はイタリアの名匠カルロ・リッツィ。「私の長い友人。オペラの真髄を披露してくれる」と大野和士。タイトルロールは新国立劇場の『ファルスタッフ』『アイーダ』に登場したエルネスト・ペッティ。マクベス夫人に豊かな声のソプラノ、カレン・ガルデアサバル、バンクォーを妻屋秀和、マクダフにイタリアの新星パリーデ・カタルド。合唱は新国立劇場合唱団。





レパートリー公演は『フィガロの結婚』、こちらの公演は指揮は阪哲朗、キャストは旬の日本人歌手、「ALL JAPANです」と大野和士。さらに「それぞれ個性的で、いろいろな表現を身体的にもしていただける」とコメント。フィガロには、ドイツを拠点に活躍中で、今回新国立劇場初登場となる木村善明。アルマヴィーヴァ伯爵には須藤慎吾、伯爵夫人に待望の本公演登場となる実力派吉田珠代、スザンナには九嶋香奈枝、そしてケルビーノには『ナターシャ』アラトで新国立劇場にデビューした山下裕賀。演出は巨匠アンドレアス・ホモキ。1月、2月はプッチーニ『トスカ』。写実的で重厚な舞台が人気。R.シュトラウス『サロメ』、『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』、『ばらの騎士』、『ファルスタッフ』、『エフゲニー・オネーギン』と人気演目が続く。
<『フィガロの結婚』(撮影:三枝近志)>


<『トスカ』(撮影:堀田力丸)>


<『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』(撮影:堀田力丸)>
『カヴァレリア・ルスティカーナ』



『道化師』


<新制作>
ロッシーニ『イタリアのトルコ人』
2026年10月(5公演)、指揮:アレッサンドロ・ボナート、演出:ロラン・ペリー
ベンジャミン・ブリテン『ピーター・グライムズ』
2026年11月・12月(5公演)、指揮:大野和士、演出:ロバート・カーセン
ヴェルディ『マクベス』
2027年6月・7月(6公演)、指揮:カルロ・リッツィ、演出:ロレンツォ・マリアーニ
<レパートリー公演>(既存プロダクションの再演)
モーツァルト『フィガロの結婚』
2026年12月(4公演)、指揮:阪哲朗、演出:アンドレアス・ホモキ
プッチーニ『トスカ』
2027年1月・2月(6公演)、指揮:ドナート・レンツェッティ、演出:アントネッロ・マダウ=ディアツ
R.シュトラウス『サロメ』
2027年2月(4公演)、指揮:沼尻竜典、演出:アウグスト・エファーディング
ピエトロ・マスカーニ/ルッジェーロ・レオンカヴァッロ『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』
2027年3月(5公演)、指揮:大野和士、演出:ジルベール・デフロ
R.シュトラウス『ばらの騎士』
2027年4月(4公演)、指揮:パトリック・ハーン、演出:ジョナサン・ミラー
ヴェルディ『ファルスタッフ』
2027年4月(4公演)、指揮:マウリツィオ・ベニーニ、演出:ジョナサン・ミラー
チャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』
2027年5月(4公演)、指揮:アンドリー・ユルケヴィチ、演出:ドミトリー・ベルトマン
新国立劇場公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp


