2019年に上演した「帝都探偵奇譚ジゴマ2〜上海租界編」以来、ACTOR’S TRASH ASSHが2年半振りの公演が決定。最も再演の呼び声が高い作品「世界は僕のCUBEで造られる」。
「CUBE」という薬を飲んでしまった主人公「僕」が心の世界「CUBEの世界」に潜り込み、様々なもう一人の自分「CUBEの住人」と出会い、自分を知っていくという、サイケデリックアドベンチャー。
2016年の上演においては、サンモールスタジオ最優秀団体賞を受賞し、インナーワールドの傑作と呼び声も高い作品。
キャストはCUBEという薬を飲んで、もう一人の自分を知っていく主人公「僕」に五十嵐啓輔、そしてツンデレなヒロイン「彼女」役に星守紗凪、また、ASSH小栗諒が「彼」、西葉瑞希が「蜘蛛女」と敵役を務め、「僕」に立ちはだかる。
劇団☆ディアステージ雛形羽衣は「滑稽」、劇団Patch星璃は「憎しみ」、また声優の倉知玲鳳が「孤独」と、それぞれ心の中の住人を演じる。
「僕」を心の世界にいざなう「キューブマスター」を黒木文貴、「キューブレディ」を佐武宇綺、そして大林素子が重要な役で舞台を彩る。
出だしは静か、主人公「僕」(十嵐啓輔)は一身に絵を描いている。そんなとき、ひょんなことで「僕」は高名な絵の先生の元に行くことに。この先生、かなり”変わっている”、『世界はCUBEで造られていることを証明する』ために、「僕」は薬を飲まされる。『あなた自身の物語でもあるのです!』と。そして群舞、椅子に座らされて「えーーーー」と不思議なところに到着する「僕」。早速、かなり不思議な4人が登場し、「僕の大好きなクラリネット♪」を歌う。「この世に意味のないことなんてない」という。「僕は戻りたい!」「どこへ?」「現実」「え〜」「僕はどこにいるんだ?!」。
4人は「僕」の中身、と言い、「ここにはたくさんの”君”がいる」と。つまり、「僕」がたどり着いたところは「僕の心の中」。いらない”自分”は削除できると言われて、一人になる「僕」。ここから奇想天外な「僕」のアドベンチャーが始まる。
でてくる「僕」の中身が、とにかくキャラ立ちしまくりで、「僕」は驚きの連続。いや、「僕」でなくても、頭が混乱するであろう、次から次へと出てくる、出てくる。人間は多様な側面を持つ、また自分自身が気がつかないような部分もある。「現実に戻りたいんだ」というも「やなことばっかりだよ」と出てくる人物に切り返される。ふと思い出す「僕」、子供の頃のことを。「遠足が苦手、雨が降るとホッとする、みんなと一緒に行動するのが苦手…最近、絵も売れなくなってきた」とつぶやく。「僕」がいるところはCUBEの世界、無意識の世界。しばらくはここから出られないことを感じた「僕」、CUBEの世界を彷徨うこととなり…というのが大体の流れ。愛と平和のCUBE「ラブ&ピース」、堕落のCUBE「怠慢」、孤独のCUBE「ムーンチャイルド」・・・、多くの「僕」が「僕」の前に。さながら「不思議の国」に迷い込んだアリスのように彷徨いつつ、心の旅をする。
「僕」は少しずつさまざまなことに気がついていく。そんな時に欲望のCUBEが現れる。欲望のCUBEはかなりしつこく「僕」をつけていく。この不気味感、そういった状況をストレートに見せるのではなく、面白おかしく見せていく。観客も知らず知らずのうちに「僕」になっていく。ダンス、アクション、くるくる変わる照明、CUBEたちの衣装はカラフルで楽しく、だが、ストーリーはシュールで内省的。そうこうしているうちに「彼女」に出会う。「僕」の理想の彼女らしいが、ツンデレぶりが凄い!すぐに「僕」を殴る!!さらにこの作品は2幕後半でストーリー分岐する。主人公がどっちを取るか、ゲーム原作の舞台で使われる手法をオリジナルに持ち込んだ格好。
「僕」は一見、情けないキャラに見えるが、誰しもが持っている弱さ、CUBE、つまり、自分の中にある『自分』に出会い、気付きを得る。それを”成長”と呼ぶこともあるが、勇気を振り絞って行動、そこでみる景色は劇場で、配信で。五十嵐啓輔演じる「僕」のトホホぶりが、なんとも哀愁を感じ、星守紗凪演じる理想の彼女の勝ち気さとの対比がアクセント。殴られぱなしな「僕」の狼狽ぶりも見どころ(笑)、そしてところどころでのダンスシーン、ここは楽しくクラップなどで盛り上げたい。公演自体は10日まで。
あらすじ
『自分の心の中に、会ったこともないもう一人の僕がいる…』
『CUBE』というドラッグを飲んだ主人公「僕」は、自分の心の中に潜ってしまう。
そこには、様々な四角い部屋があり、部屋ごとに「CUBEの住人」という「もう一人の僕」がいた。
愛と平和のCUBE「ラブ&ピース」、堕落のCUBE「怠慢」、孤独のCUBE「ムーンチャイルド」・・・
彼らは、心の中の「僕」のもうひとつの姿だったのだ。
「僕」は心の中を旅して行き、新たな自分に出会い、自分を発見して行く。
しかし、欲望のCUBEである「彼」は「僕」をつけ狙い、僕自身を乗っ取ろうとしていた……!
「僕はできれば不幸に生まれたかった」
「僕はいたって普通だ」
「過去も未来も普通だ」
「僕は僕を巻き戻したい」
「初期化したいんだ」
概要
ASSH-DX Vol.5
~ 劇団☆ディアステージ collaboration ~
「世界は僕のCUBEで造られる·2022」
日程・会場:2022年3月31日〜4月10日 あうるすぽっと
脚本・演出:松多壱岱
出演:
五十嵐啓輔
星守紗凪
小栗諒(ASSH)
西葉瑞希
星璃(劇団Patch)
倉知玲鳳
雛形羽衣(劇団☆ディアステージ)
花岡芽佳(ASSH)
門野翔(@emotion)
丸山正吾(bobjack theater/ドガドガプラス)
図師光博
桜町たろ(劇団☆ディアステージ) <Wキャスト>
飯原優(ASSH)<Wキャスト>
小田峻平(ASSH)<Wキャスト>
柏木しいな(劇団☆ディアステージ)
長月明日香(劇団☆ディアステージ)
梅田祥平(ASSH)
黒木文貴
佐武宇綺
インコさん(実弾生活)
大林素子
◇Cube pieces
高見彩己子/加納義広/渡井瑠耶
【チケット】チケット発売は12月末を予定
CUBE2022公式サイト https://gekidan.dearstage.com/sekaiha-cube/