ミュージカル『薄桜鬼 真改』斎藤一 篇 開幕!誠の心を貫くこと、絆を信じること

シリーズ10周年を記念して開催する最新公演、ミュージカル『薄桜鬼 真改』斎藤一篇が開幕。

演出・脚本・作詞を西田大輔が担い、斎藤一は、多くの2.5次元舞台でメインキャラクターを演じる橋本祥平。
雪村千鶴(牧浦乙葵)が登場し、澄んだ歌声で歌う。桜が舞う、絵になる光景。新撰組の面々が登場したり、彼らと拮抗する鬼の関係者、千鶴と隊士たちの出会い、それからオープニングとなる。一人一人の見せ場があるので、早々に注目ポイント。「新撰組、いざ、参る!!」この台詞を聞くと「始まる!」、客席のテンションが上がる瞬間。

アップテンポな楽曲で盛り上がる。そして物語が始まる。京都にたった一人で来た理由を”回想シーン”で表現。優しそうな父・雪村綱道(川本裕之)。「私は雪村千鶴と申します」「父上が見つかるまで協力する」と近藤勇(井俣太良)。情に厚い、男気のある新撰組の近藤勇、新選組局長、おおらかで情も深い。


ゲーム原作とはいえ、司馬遼太郎の小説や大河ドラマでお馴染みの新撰組、池田屋の場面などが展開される。そして素直で頑張り屋の千鶴、隊士たちと仲良くなるのにそう時間はかからなかった。斎藤一篇なので斎藤一と雪村千鶴の物語を中心に展開されるが、脇を彩るキャラクターの生き様も見逃せない。そんな彼らの姿は見どころの一つであるが、視覚的には、やはり殺陣、アクション、ミュージカルなので楽曲に乗って、迫力のある殺陣を魅せる。

型がかっこいいスピード感溢れる刀捌きはしっかり観ておきたいところ。 橋本祥平は得意の身体能力を生かして縦横無尽に。鈴木勝吾の風間千景は貫禄さえ漂う。井俣太良はこのカンパニーではかなり年上だが、そこは近藤勇、若手に負けじと刀を!そのほか、土方歳三役の久保田秀敏、落ち着いた空気感、沖田総司役の北村健人、沖田総司はドラマでもよく知られている通り、結核を患っているが、誰にも知られないように振る舞う。

藤堂平助(樋口裕太)、原田左之助(川上将大)、永倉新八(小池亮介)、 山南敬助(輝馬)、山崎烝(椎名鯛造)、お馴染みの新撰組メンバーに加え、めっぽう強い!天霧九寿(横山真史)、不知火匡(末野卓磨)、時折、不敵な笑みを浮かべる。そして風間千景(鈴木勝吾)、長らく持ち役にしている鈴木勝吾だが、当たり役を通り越して、鈴木勝吾以外に誰がいるだろうか?というくらい。決めポーズ、決め台詞、全シリーズ同様に随所に!ファンでなくても心に刺さる。演出は、とにかくエモーショナル、桜が時折、舞う。西田演出らしい華やかさもあり、2幕もの、十分に楽しめて涙できる作品。

なお、このシリーズ、初演は2012年、まだ、『2.5次元』という言葉が浸透していなかったタイミング。この作品の存在は大きい。初演から観ているファンはもちろん、今回が「初めまして」の観客もがっちりと『薄桜鬼』の世界に!!東京は27日まで、それから、”新撰組の街”、京都はGW中の公演、京都公演に行くなら、ゆかりの地も歩いてみたい。

ゲネプロ前に簡単な会見が行われた。登壇したのは、 斎藤一役の橋本祥平、雪村千鶴役の牧浦乙葵、土方歳三役の久保田秀敏 、沖田総司役の北村健人、近藤勇役の井俣太良、風間千景役の鈴木勝吾。10周年の節目の年、橋本祥平は「斎藤一として舞台に立てるのは嬉しい。数ある舞台の中で、10年続いているのは凄い。みんなで繋げていきたい」と喜びのコメント。牧浦乙葵は「小学生の時から好きだったので、(この舞台に参加することが)まさか!10年続いているのは凄いこと」と語り、久保田秀敏も「10年はなかなかないこと」と。北村健人は「3、4年前に観て、『なんて凄い作品なんだろう』と、この10周年で出れるのは嬉しい」と率直に。この座組では”お兄さん”、井俣太良は「10年前から同じ役で…こんなに携わって頂けるとは思いもよらなかった、ご縁、10年間も同じ役をやるのはほぼない。いろんな出会いがある作品」と語る。鈴木勝吾は「10年で変わったこと…年齢です(笑)、また新鮮な気持ちで。2.5次元を支えた作品、新撰組ものでありながら、2.5次元。年月を感じます。どこまで行けるか…」と感慨深く。橋本祥平は改めて「10年前観て、志て…素敵なご縁です。この斎藤一篇をずっとやりたいと思っていました、全力で!」と改めて意気込んだ。また、初参加である牧浦乙葵は「不安もあった」というが、歌唱シーンは堂々と、しかも可憐こなしていたのが印象的。北村健人は「物語としてもカンパニーとしても同じ方向に向かっている、ここまでのカンパニーはなかなかない」と座組の良さを。また、久保田秀敏は「みんなが目指していることは変わらない。(新撰組のように)”未来を変えてやるんだ”、”誠の心”、一致団結、絆を改めて」と。井俣太良は「10年、演じ手が変わっても根本は変わらない。ただ、いろんな変化が求められている時代、より、リアルに、今だからこそ」と語る。鈴木勝吾は「風間千景が年下になってる(笑)、ずっと『姉さん』だった。どう変化して行くのか、どう信念を貫くのかが改めて問われている…感慨深い」とコメント。
最後に見どころを。
「見どころは全部。祥平が斎藤一役で嬉しい。一人一人の想いを舞台上で伝えたい」と鈴木勝吾。その斎藤一役の橋本祥平は「全員で汗かいて、本気で。本物の武士として!たくさん、桜が咲きます!」と力を込めて。

概要
ミュージカル『薄桜鬼 真改』斎藤一篇
原作:オトメイト(アイディアファクトリー・デザインファクトリー)
演出・脚本・作詞:西田大輔
音楽:坂部剛
殺陣:六本木康弘
振付:MAMORU
公演日程:
東京 2022年4月22日(金)~27日(水) 品川プリンスホテル ステラボール
京都 2022年5月1日(日)~5日(木) 京都劇場
出演
斎藤一:橋本祥平 雪村千鶴:牧浦乙葵/土方歳三:久保田秀敏 沖田総司:北村健人
藤堂平助:樋口裕太 原田左之助:川上将大 永倉新八:小池亮介 山南敬助:輝馬
山崎烝:椎名鯛造 近藤勇:井俣太良/天霧九寿:横山真史 不知火匡:末野卓磨
雪村綱道:川本裕之/風間千景:鈴木勝吾
アンサンブル:細川晃弘 坂本和基 橋本征弥 菅野充 仲田祥司 多田滉 山口渓 平澤佑樹
主催:ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会
公式HP:https://www.marv.jp/special/m-hakuoki/
公式ブログ:http://m-hakuoki.jugem.jp/
公式Twitter:@m_hakuoki
©アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会