中村勘九郎 ,花總まりetc.出演 スペクタクルリーディング『バイオーム』開幕

中村勘九郎主演!演劇界を牽引する俳優達と初タッグ!
宝塚歌劇団で心に残る数々の名作を手掛けてきた上田久美子による書下ろし戯曲
「麒麟がくる」「精霊の守り人」の一色隆司演出 五感を揺さぶる朗読劇。
梅田芸術劇場がおくる進化型エンターテイメント演劇
第一弾 2022スペクタクルリーディング
第二弾は体験型サイトスペシフィック演劇へと進化
なお、今回の舞台は国内・国外ライブ配信も用意されている。

出だし、「誰かいないの〜」「誰か〜」と叫ぶ。植物たちと話すルイ(中村勘九郎)。中村勘九郎以外は人間と植物の2役をやり、中村勘九郎はルイ(政治家一族の一人息子)とケイ(家政婦ふきの孫娘)の2役を演じる。


抽象的な舞台空間、物語は代々続く政治家一族を中心に進んでいく。ここの一人息子・ルイ(中村勘九郎)夜の庭に抜け出し、大きなクロマツの下でフクロウの鳴く声を待っていた。ルイは8歳、リコーダーを吹く、フクロウに呼びかけている。彼の父は婿養子・学(成河)、やり手な空気感。ここの家の”御大”、克人(野添義弘)は見るからに尊大で抑圧的な態度、代々続いている名家、この家の娘である怜子(花總まり)はその環境故か、精神不安定で、怪しげなセラピスト・ともえ(安藤聖)にハマっている、そんな様子が描かれる。

この家の家政婦・ふき(麻実れい)、その息子で庭師・克人(古川雄大)、少しミステリアスな雰囲気。影響力を持ちたい、欲望が交錯し、渦を巻く。植物たちはそれを傍観して見ている、舞台の一段高いところに基本的にいる植物たち、ビジュアル的にも『見下ろしている』感が漂う。映し出される映像、時間、状況、心情などを表現、色彩が美しく、またエモーショナルで想像力をかき立てる。

繊細なルイ、傷つき、戸惑う。また、中村勘九郎が演じるもう一つのキャラクター・ケイは真逆。”人間”の世界と”植物”の世界、そこから見えてくるもの、朗読劇ではあるのだが、アクティブな芝居もあり、人間たちのキリキリとした心情が舞台上で吐露される。それを見ている植物たちはクールでシニカル。この庭でのやりとり、小さな”世界”での出来事と思いきや、実はその裏に隠された大きなテーマが顔を出してくる。また『バイオーム』というタイトルの意味するところも見えてくる。時折、ユーモラス、時折、キリキリとした緊張、人と植物が有機的に織りなす。どう感じるか、どう思うかは観客次第、どこか心の奥底に響く物語。

初日に向けて
ルイ・ケイ役 中村勘九郎
最初は朗読劇として稽古を進めていたのですが、稽古を進めていくうちに作品がどんどん進化していき、ついていくのが 大変でした(笑)今でも難しく感じておりますが稽古中は皆様に助けていただきながら進められたので、短い期間で充実した稽古でした。本作は配信もございますので、映像ならではの美しさをおうちでも楽しんでいただけること間違いなしです。大変な状況下ではありますが、メッセージ性の強い作品になっておりますので是非ご覧いただき、多くのものを感じ取っていただけたらと思います。

怜子・クロマツの芽役 花總まり
スペクタル・リーディングって?と頭にはてなが飛んだ当初から気がつけば2週間余りのお稽古期間はアッという間に過 ぎて、初日は目の前。まだ迷いや不安との闘い中ですが、今までに経験したことのない 2 つの対照的な役に全力で立ち向かっております。素晴らしい共演者の方々と共に千穐楽まで全集中で駆け抜けたいと思っておりますので、ご覧になるお客様には濃密でセンシティブな舞台時間を共に味わっていただければと思っております。

野口・一重の薔薇役 古川雄大
稽古の一瞬一瞬がとても刺激的で、あっという間に過ぎていきました。それと同時に、上田さん一色さんという最高のタッグに、尊敬する先輩方と共に過ごす時間は濃厚に感じました。そして、わずかな時間で着実に出来上がっていく「スペクタクルリーディング」を目の当たりにし、震えました。 僕も野口・イングリッシュローズとしてこの世界に立てることを幸せに思いながら、これから千穐楽まで役を全う出来るよ うに努めます。皆様、ご期待下さい。

克人・クロマツの盆栽役 野添義弘
スペクタクルリーディングという言葉は、今回初めて耳にしました。スペクタクル?どうなるのか?全く予想がつかなかったのですが稽古に参加する度に なるほど! なるほど! と思えるようになりました。 まさにスペクタクルリーディングです。これがスペクタクルリーディングです。皆様同様、私も初めての体験です。 ドキドキワクワクしながら演じたいと思います。皆様もスペクタクルリーディングの世界にドップリと浸かって下さい。

ともえ・竜胆役 安藤聖
経験したことも目撃したこともない朗読劇に仕上がっています。タイトル通り、スペクタクルなリーディング劇です。なので 稽古中は、これか?これか!!と、様々な課題に頭がフル回転していました。頭も身体も疲れ切っているはずなのに楽しん で稽古に参加できたのは、素晴らしい共演者の皆さま、スタッフの皆さまがいてくれてのことです。迎える本番では、ここ までのプロセスをしっかりお客さまに観ていただけるよう、そして作品を存分に楽しんでいただけるよう、思いを込めて舞台に立ちます。

学・セコイア役 成河
試演としての朗読劇からは随分とはみ出して欲張ったものになっていると思います。3週間あるんだったら覚えませんか、 などと焚き付けてしまった責任の一端も感じつつ、これは吉と出るか凶と出るか、ドキドキしております。ミクロな視点と マクロな視点を行き来する非常にダイナミックな戯曲です。この戯曲の持つスケールと繊細さを損なわないよう、細心の 手付きと集中力で5日間、お客様と共に作品を育てて行ければと思います。よろしくお願いします。

ふき・クロマツ役 麻実れい
頂いた本に初めて目を通した時、私にはとても難解な作品と感じましたが読み込んでいくうちに、ふきと植物たちを通し て、生きていく強さと暖かさが私の中に広がり始めました。 この気持ちを最後まで育み、皆様にお渡しできたらと願っています。

制作発表会の様子

中村勘九郎,花總まり,古川雄大etc.出演 上田久美子・作,演出・一色隆司 スペクタクルリーディング『バイオーム』制作発表会

配役
代々続く政治家一族の一人息子ルイとルイの家で働く家政婦ふきの孫娘ケイの2役に、主演の中村勘九郎。
精神的に不安定な部分がある一族の一人娘でありルイの母親の怜子、そしてクロマツの芽の2役を演じるのは花總まり。
家政婦ふきの一人息子で、父を継いで一家の庭師をしている野口とイングリッシュローズの2役を演じるのは古川雄大。
一族の家長で、現在は引退して老獪に学をサポートしている元大臣克人とクロマツの盆栽の2役を演じるのは野添義弘。
ルイの母、怜子の傾倒する花療法士ともえと竜胆の二役を演じるのは安藤聖。
一族の婿養子で、元官僚の学と若い大木セコイアに2役を演じるのは成河。
ルイの一家に古くから仕える家政婦ふきと、樹齢二百年近い大きな黒松の2役を演じるのは麻実れい

あらすじ
その家の男の子はいつも夜の庭に抜け出し、大きなクロマツの下で待っていた。フクロウの声を聴くために…。 男の子ルイの父に家族を顧みるいとまはなく、心のバランスを欠いた母は怪しげなセラピーに逃避して、息子 の問題行動の奥深くにある何かには気づかない。政治家一族の家長としてルイを抑圧する祖父、いわくありげな老家政婦、その息子の庭師。力を持つことに腐心する人間たちの様々な思惑がうずまく庭で、古いクロマツの樹下に、ルイは聴く。悩み続ける人間たちの恐ろしい声と、それを見下ろす木々や鳥の、もう一つの話し声 を…。

概要
スペクタクルリーディング『バイオーム』
日時:2022年6月8日(水)~ 12日(日)@東京建物Brillia HALL
作:上田久美子
演出:一色隆司
出演:中村勘九郎/花總まり 古川雄大/野添義弘 安藤聖/成河/麻実れい
公式HP:https://www.umegei.com/biome/