来年はフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが長崎出島に訪れてから200年目、その記念年を前に一昨年、昨年と公演を続ける人気舞台が脚本もバージョンアップ。出演に鳳恵弥、辰巳琢郎、石垣佑磨、市川美織、パッパラー河合_
長崎鳴滝塾で多くの弟子を育て日本に西洋医学を広めたその業績は医学に留まるところなく世界に広がるシーボルトコレクションと共に様々な研究分野で活かされたのは周知のところ、その研究とコレクションをもとに書き記された大著『日本』はベストセラーになり、ジャポニズムブームを引き起こした。
しかし、その研究分野はもちろん日本を愛する蒼い目のサムライの遺志は2人の息子、兄アレキサンデル、弟ハインリッヒに引き継がれ、彼らは日本の為に奉職する中で新時代に漕ぎ出たばかりの日本を世界の1等国にすべく維新志士たちと共に数々の危機を乗り越えていったことはあまり知られていない。
父の再来日に同行をしたアレキサンデルは、父の帰国後も日本に残りパリ万博の使節団に随行、その行程では渋沢栄一など後の明治政府を支える傑物たちに語学や西洋事情を教えるなど交友を深め、その帰路で弟ハインリッヒを連れて再来日。その後シーボルト兄弟は大久保利通や岩倉具視、大隈重信、伊藤博文などと共に各国との条約改正やジュネーブ条約への調印を経た日本赤十字社の設立、渋沢栄一らと共に日本の経済成長を助け、また大国ロシアとの緊張が高まる中でヨーロッパ諸国でのロビイスト活動を展開し、戦費調達、そこからに繋がる大戦への勝利を得るなど外交面で大いに活躍をすることになる。
さらに研究分野においても父の跡を引き継いだハインリッヒは考古学者としてはモースに先んじて大森貝塚など様々な遺跡を発掘、著書『考古説略』において日本で初めて考古学という名称を用いた。また、兄弟の異母姉である楠本イネも姉を慕うシーボルト兄弟の協力をもって築地にて日本人女性として初の産院を営み、宮内省御用掛となっている。
医学、外交、民俗学、博物学など多くの分野に精通し活躍をしたシーボルトであったが、その血は子供たちに脈々と引き継がれ、父の愛した日本の為に生き抜いた。
熱き魂、シーボルトの物語、再び上演。主演・弟ハインリッヒに鳳恵弥、シーボルトに辰巳琢郎、兄アレキサンデルは石垣佑磨、ヒロイン・岩本花は市川美織。
概要
日程・会場:2022年8月11日~8月14日 築地本願寺ブディストホール
総合演出: 木村ひさし
演出&脚本: 鳳恵弥
演出補佐: 木之枝棒太郎
音楽: パッパラー河合(爆風スランプ)
衣装: 神波憲人
殺陣指導: 難波一宏
企画/原作: 関口忠相 (シーボルト子孫)
出演:
鳳恵弥 辰巳琢郎 石垣佑磨 市川美織 パッパラー河合
武田知大/柴木丈瑠/山口賢人/内田智大/廣田琴美(11,12 日)/佐藤茜«誇»/みやでらみほ«誇»/ 亀吉/久保沙由李«誇»/重清もも子«愛»/蜷川まゆ«誇»/松浦プリシラ亜梨紗«愛»/竹野留里«愛»/
塩田舞子(13,14日)/岩切よしの«誇»/内村理沙«愛»/鳥羽瀬璃音花«愛»/渡辺優空«愛»/
佐藤豪/一之瀬岳/津下陽介/荒牧咲哉/旭類/宝田悠楓/今里まゆ奈/小川朋珠/辻村妃菜 他
プロデュース ACTOR’S TRIBE ZIPANG