没後15年を迎える巨匠振付家、モーリス・ベジャールの傑作「火の鳥」東京バレエ団9年ぶり 7月22日,開幕

東京バレエ団〈ベジャール・ガラ〉「ギリシャの踊り」「ロミオとジュリエット」パ・ド・ドゥ、「バクチIII」「火の鳥」 「ボレロ」で有名なモーリス・ベジャールは、 つねに時代を読み、 現代人の心に響くバレエを創作しました。 そのベジャールの傑作4選をそろえた、 時代の閉塞感を吹き飛ばすバレエ公演がまもなく開幕。

バレエを“20世紀の芸術”として確立し、 現代最高の振付家の一人と称される巨匠 モーリス・ベジャール (1927-2007)。 東京バレエ団は1982年「ボレロ」のバレエ団初演以来、 彼の22の傑作を託され、日本国内はもとより世界中の著名な歌劇場で披露。
今年はその ベジャールの没後15年 、 彼の作品が東京バレエ団に初めてレパートリー入りしてから40年という節目の年。 東京バレエ団は、 ベジャールの3大傑作の一つとされる 「火の鳥」を9年ぶりに復活させ、 彼の傑作4選をそろえた 〈ベジャール・ガラ〉を開催。
「火の鳥」 は、 イーゴリ・ストラヴィンスキーの音楽に内在する革命的な要素を汲み取って創作されました。 ベジャールがイメージしたのは、 レジスタンス。 ジーンズ姿の闘う パルチザン のグループから、 一人の真紅のリーダーが生まれます。 彼はいったん斃れるものの、 不死鳥によって復活。 そこに暗示されるのは人類の不屈の闘いです。


「火の鳥」photo:Enrico Nawrath

インドの官能的な伝統音楽にのせた 「バクチIII」 は、 ベジャールがヒンドゥー文化に触発されて創作したエキゾティックな異色作。 真っ赤なタイツに身を包んだ、 破壊と再生の神シヴァとその妻シャクティ の、 熱狂的で陶酔を誘う舞いが繰り広げられる。


「バクチIII」photo:Kiyonori Hasegawa

ベジャール版 「ロミオとジュリエット」 (音楽:エクトル・ベルリオーズ)は、 1966年に反戦のメッセージを掲げて初演された伝説的なバレエ。 その中のロミオとジュリエットのパ・ド・ドゥは、 ベジャールのあまたの作品の中でも群を抜いて美しく、 争いと憎しみを超えた愛の尊さを強く訴えかける。


「ロミオとジュリエット」(パ・ド・ドゥ)photo:Kiyonori Hasegawa

「ギリシャの踊り」 (音楽:ミキス・テオドラキス)は、 マルセイユ生まれのベジャールの創作にたびたび登場する地中海を主題としたバレエ。 万物を生み出した生命の源としての海。 そのふくよかな存在を表すような女性たちの群舞。 その上に広がる青い空ときらめく陽光、吹き渡る風を感じさせる躍動的な裸体の若者たちの踊り。 “母なる海”の圧倒的な大きさ、 広がりが、私たちを包み込み癒す。


「ギリシャの踊り」photo:Kiyonori Hasegawa
生命力と大きな愛に溢れたベジャールのダンスは、 感染症の蔓延、 戦禍や暴力的事件のニュースによって荒みかけた私たちの心に、 かならずや深く染み込んでくる。

〈ベジャール・ガラ〉ダンサー・インタビュー ~作品への思い

概要
東京バレエ団〈ベジャール・ガラ〉
【公演日時】
2022年 7月22日(金)19:00/7月23日(土)14:00 /7月24日(日)14:00
会場:東京文化会館 (上野)
【上演作品、 主な配役】
ギリシャの踊り
ソロ:樋口祐輝(7/22)/柄本弾(7/23)/池本祥真(7/24)
ロミオとジュリエット(パ・ド・ドゥ)
秋山瑛+大塚卓(7/22、 7/23)/足立真里亜+樋口祐輝(7/24)
バクチIII
上野水香+柄本弾(7/22、 7/24)/伝田陽美+宮川新大(7/23)
火の鳥
火の鳥:池本祥真(7/22、 23)/大塚卓(7/24)
フェニックス:柄本弾(7/22、 23、 24)

【上演時間】約2時間15分(休憩2回含む)
【会場】東京文化会館(上野)
【公演ホームページ】
https://www.nbs.or.jp/stages/2022/bejart-gala/index.html