明治座の9・10月は『坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演』。坂本冬美と中村雅俊。この2人が名作人情時代劇とオンステージの豪華2本立て！
第一部の『いくじなし』では、作:平岩弓枝と演出:石井ふく子のタッグで、江戸は下谷龍泉寺の長屋を舞台に 下町情緒と人情の機微に溢れたお芝居を。
共演者に、石井ふく子作品には欠かせぬ女優・小林綾子。期待の若手俳優・玉城裕規。バラエティーから女優業まで幅広くこなす沢田亜矢子。『水戸黄門』で格さんを長きに渡って演じ、時代劇 からミュージカルまで欠かせぬ俳優・横内正。
そして、第二部の『坂本冬美オンステージ 2022 艶歌の花道 スペシャルゲスト中村雅俊』では『あばれ太鼓』『夜桜お七』『また君に恋してる』など坂本冬美の代表曲の数々はもちろん、中村雅俊をスペシャルゲストに迎えて、よりパワーアップした内容となる。さらには2人のデュエットも実現!?
都内で取材会がおこなわれた。登壇したのは坂本冬美、中村雅俊。明治座でしか観ることのできない夢の競演に期待が高まる。
ーー今回お芝居の見どころを教えていただきたいです。
坂本冬美：今回は明治座創立150周年を記念して、意外なコラボということで中村雅俊さんとご一緒にやらせていただきます。私は石井ふく子先生の演出で今回三度目になります。第一部は平岩弓枝さん作の「いくじなし」と いうお芝居です。江戸時代の長屋が舞台で、私の役どころは飲んべえのいつも旦那様にがみがみ怒っているというキャラクターです。今までですと花魁や芸者などの派手なお衣装に派手なメイクで舞台に立つことが多かったのですが、今回は浴衣に地味なメイクの役ですので、どんな風になるのか、非常に心配な部分もあるのですが、今ま での役柄の中で一番地に近いなと思っております。私の旦那様役が中村雅俊さんです。
中村雅俊：坂本冬美さんの言われた通り、旦那の役でして、タイトル通りいくじなしです。奥さんからいくじなしとい われて、そのままいくじなしでいくのかというとそうでもない、という面もあります。バランスのとれた夫婦でこんな夫 婦いいなと見えるんじゃないかと思っています。みなさんにいいなと思ってもらえるような芝居をしたいと思います。 今回は石井先生の演出で坂本さんと共演ということで、結構緊張する部分もあるんですけど、心地いい緊張で、 逆に頑張らなきゃという気持ちがすごく大きく芽生えました。見に来た人が良かったねって言って帰っていただけ れば最高じゃないかと思っております。歌の部分はおまかせという感じです。二人で歌わせていただく部分もあり まして、すごく 楽しかったです。緊張しますけど、それ以上に楽しみという感じです。
石井ふく子：私も雅俊さんと不思議なご縁で、美空ひばりさんの『おでことおでこがぶつかって』というドラマをやっ たのが初めてでございまして、そのあと舞台のほうもご一緒して、久しぶりにお会いして。冬美さんは明治座でいろいろとやらせていただいて、本当に、この二人のお芝居をどう楽しく明るくあったかく作っていくか責任があるような 気がしてドキドキしています。それは今こういう時代でありますので、やっぱり心のあるお芝居を皆様に見ていただ いて、『あ、よかったね、明治座でこういうお芝居やってくれるんだ』っていう風に思っていただけるとすごくうれしいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ーー第二部ステージについて、歌の構成やデュエットなどがあるかお聞かせください。
坂本冬美：お芝居が1幕と2幕あって休憩を挟んで歌謡ショーになります。せっかく中村さんにもお出になっていた だいているわけなので、たっぷりとやっていただきたいのですが、限られた時間の中で、あるだけの素晴らしい歌 を、中村さんのコーナーと私のコーナーでやらせていただきます。せっかく共演するのでデュエットだけはお願いし まして、そしたら中村さんのほうから『こんな曲はいいんじゃない?』とおっしゃっていただきました。懐かしくもあり、 大人の皆さんが聞いていただいて胸がキュンとするような楽曲をご一緒に歌わせていただきます。私のコーナー ではヒット曲を入れさせていただいたり、後半のほうではおととし桑田佳祐さんに書いていただいた「ブッダのように 私は死んだ」を入れさせていただいたりしながら、衣装なども華やかに、お芝居とは違った世界をお届けできれば と思います。
中村雅俊：まず、デュエットなんですが、坂本冬美という才能ある方と一緒にデュエットできることを光栄に思って おります。そして楽しみです。先ほどもおっしゃられてましたが、限られた時間で限られたヒット曲を歌おうかと思っております。
ーーお芝居の稽古と歌のリハーサルは進んでいますか?
坂本冬美：この間歌のリハーサルをご一緒にやらせていただきました。お芝居のほうは9月1日の先生のお誕生日からスタートします。
ーーお二人の共演ははじめてですか?歌のリハーサルの印象はどうでしたか?
坂本冬美：はじめてです。意外なコラボということでお話をいただきました。イメージ通りのあたたかいお声で包み込むような感じで歌ってくださって、二人の空間がほわ~と包まれるような雰囲気になりました。歌っている瞬間は 中村さんに恋をして夢の世界に浸らせていただこうかなと思います。
中村雅俊：一緒にデートする歌の歌いだしのAメロが坂本さんで、歌いだした途端に「でた」って感じでしたね、世界がいきなりできちゃうみたいな、演歌とは違う曲なんですけど、歌いだしでいきなり雰囲気ができちゃうっていう のはさすがって思いました。
ーー一か月公演を乗り切る秘策は何ですか?
坂本冬美：久しぶりの一か月という長丁場ですので、ましてコロナ禍で公演も大幅に減っている中で、体力的にも 精神的にも心配な部分はあるんですけれども、やはりこの厳しい状況の中でお越しくださるお客様に、ある意味命 がけで来てくれるお客様に、きてよかった~と思っていただける数時間にしなくてはいけないと思っておりますので、 毎日新たな一日がスタートするという気持ちで臨んでいれば無事に千穐楽を迎えられるかなと思っております。
中村雅俊：秘策はないですが、先のことは考えず、今日一日精一杯頑張って、今日はいい日だったなっていえるような一日を頑張って過ごしてそれの繰り返しを一か月間できれば振り替えたときによかったなって言えるんじゃないかなと思います。今日を精いっぱい生きるというのをテーマにしたいと思います。
ーー冬美さんにお聞きしますが、雅俊さんは子供のころから大スターだったと思うんですが、その時の印象は?
坂本冬美：髪の毛がこういう(ウェーブ)ヘアーで、ベルボトムのジーパンで走ってるって印象、下駄はいてるイメージ。
中村雅俊：下駄のこと知っているのは結構高齢者だと認識していますけど(笑い)
坂本冬美：子供のころに第一印象として、もちろん歌も好きですが、桑田圭祐さんが作られた「恋人も濡れる街角」 とか。なので、中村さんと共演させていただくって聞いた時に桑田さんの曲をいただいた二人が共演できるなんて と思いました。ちょっと自慢したくなります。
中村雅俊：桑田さんってなかなか(人に)曲を書かないので、桑田さんが曲を書いてくれた仲間って感じはしました。
最後に、皆様へメッセージが送られた。
中村雅俊 ：元気で完走して、お越しいただいた方々ににいろんな感動を与えられたらいいなっていう風に思って頑張ってやろうと思ってます。
坂本冬美：こういう状況の中きてくださるお客様に本当に喜んでもらえるお芝居、そして歌謡ショーをお届けできるように、そして石井先生の演出でこの舞台ができるっていうのが貴重なことだと思いますので、多くの方にご覧いただきたいです。ぜひいらっしゃってくださいませ。
石井ふく子：この作品はいままで雅俊さんも冬美さんもおやりになった役ではないと思います。この間のポスター撮影で冬美さんは浴衣なんですけどとってもきれいになっちゃうんです。きれいじゃ困るのよっていったんですけど、でもやっぱり お客様はその中でも個性があって美しいものを見たいという気持ちがあって、今のこの時代の中なので、ほんとう に心が豊かになるドラマをお二人とみなさま共演の方たちに作っていただきたいなと思います。
公演は9月20日より。ますます、二人の”化学反応”が楽しみになってきた。
概要
『坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演』 第一部 『いくじなし』
作:平岩弓枝 演出:石井ふく子
日程・会場：2022 年9月 20日(火)~10 月18日(火) 明治座
出演:坂本冬美 中村雅俊
小林綾子 玉城裕規 沢田亜矢子 横内正
あらすじ
江戸は下谷龍泉寺町のとある長屋に、おはな(坂本冬美)と六助(中村雅俊)という一組の 夫婦が住んでいた。氷水売りの六助は、今日も気の強いおはなに頭が上がらない。 ある日、同じ長屋に住む姉弟が家賃を払えず、大家から追い出されそうになる。 見かねたおはながなけなしのお金を差し出し窮地を救うが、その兄弟には人には言えぬ 事情があって―。
第二部 『坂本冬美オンステージ 2022 艶歌の桜道 スペシャルゲスト中村雅俊』
主催：明治座
明治座公式HP：https://www.meijiza.co.jp/
