山崎洋平が主宰・脚本・演出を務める劇団、江古田のガールズが13周年を記念して2022年9月27日よりMixalive TOKYOのTheater Mixa にて演劇版『稲川怪談』を上演。劇団員他、伊崎龍次郎・健人・山内優花ら様々な舞台で活躍する実力派俳優が出演。なお、10月1日は配信も予定されている。
前説からしてユニーク。トイレなどは早めに済ませて席についておきたい。稲川怪談といえば、あの独特の語り口、そこをどう演劇化するのか、もちろん、口調を真似るのでもなく、観客をひたすら怖がらせるのでもない。元は『稲川怪談 昭和・平成傑作選』。怪談といえば夜、合宿、そこで怪談話をする、という設定、稲川怪談ファンのキャラクターもいれば、怖い話は苦手、というキャラクターもいる。そこで語られる稲川怪談は劇中劇で見せる趣向、こういったところが演劇的。
その劇中劇が、ちょっとドキドキしつつも、どこか人間味溢れ、日常感もたっぷり。男同士で海に行ったとか、どこかありふれた光景。その”ありふれた”日常にやってくる怖い話、その渦中にいる人物はよもやそんなホラーなことがあるとは露知らず、知っているのは観客と、稲川怪談を読んでいるキャラクター。観客はホラーな瞬間を今か今かと待ち受ける。そこが面白いところであり、また、怖いというよりも劇中劇の人物の心理状況などを観察するのも一興。
劇中劇が一通り終わり、それから待ち受けていることは…、そこは観てのお楽しみ。ちょっとドキドキ、ちょっと笑える。独特のセンスが光る演劇版『稲川怪談』、オープニングは映像を使って賑やかに、本編終了後はキラキラのはっぴで踊ったり。
『稲川怪談』でも選りすぐりの物語をいくつかピックアップしての上演なので、テレビでしか観たことがない方は、「ちょっと本も読んでみようかな」と思うこと、間違いなし。なお、豪華ゲストも。初日は田中俊行、28日は吉田悠軌、30日は松原タニシ、10月2日は島田秀平、詳細は公式サイトを。
ゲネプロ前に取材会が行われた。脚本・演出の山崎洋平は「大人の人たちが寄って集ってお金をかけた大人の文化祭です」とコメント。わちゃわちゃ感もあり、怖い、という要素よりも面白い、楽しい、という感じ。伊崎龍次郎はそれを受けて「怖がらせるだけでなく、怖楽しい、江古田のガールズの持ち味を活かしています」と語る。健人は「怖楽しいがキーワードになっています。ほっこりする怪談や笑える怪談など、いろんな怪談が詰まっています」と言うが、どこか温かい、劇中劇になっている「怖い話」はこれから起こる怖いことは観ていれば容易に想像できるが、登場人物たちがどこかにいそうな普通な人たち。怖いことが起こる前は、笑ったり、楽しくしている。その会話が「ある、ある」。そんな細かいところがどこかホッとする。山内優花「『稲川怪談』初の演劇化、みんなでいろんな表現を駆使している作品になっています」とコメント。高瀬あいは「ちゃんとやります、頑張ります」とコメント。山田瑞紀は「演劇ならではの作品になってます、ぜひ生で」、佐野剛は「客席に見張り役を3人。お客様が楽しんでいるか怖がっているかチェックしてます。楽しんでない、怖がっていないなら、呪われますので(笑)」、全力で楽しもう(笑)。カトウクリスは「開場中から盛り上がります!いろんな仕掛けがあります」とのこと。桑田佳澄は「映像とお芝居、すごく楽しみにしててください」と言い、大西一希は「いろんな怖い話があります。見どころは警察官です(笑)」、真心は「主な見どころは…ありがとうございました(笑)」、角島美緒は「どなたでも楽しめます」、塚原直彦は「前説、お聴き逃さないように」とコメント。また、伊崎龍次郎・健人・山内優花は関西弁で喋るので!関西弁のイントネーションが会話に独特のテンポを与える。また、醍醐味としてはカトウクリスより「怖いだけでなく、面白い怪談、優しい怪談、温かったり、冷たかったり、よくわからなかったり、いろんな怪談が詰め込まれているのが今回の醍醐味」といい、角島美緒は「怖い気持ちをお客様と共有する」とコメント。
最後に改めてPR。
山内優花「怖い話、配信などもありますので、ぜひ観ていただきたいです」
健人「バラバラの話が一つの話に繋がって入ってるところが一つの見どころではないかと」
伊崎龍次郎「怖い話と言ってお客様を突き放すのではなく、とても温かく、抱き締めるような身近な怖さ、一緒に驚いたり、それを皆さんで共有するような。苦手な方でも…どなたでも楽しめます」と締めて取材会は終了した。
物語
雷雨の夜。
あるサークルの合宿にやって来た五人の男女が、まだ来ぬ二人を待ちながら怪談話をしている。
あんな話、こんな話。男女は怖がりつつも楽しい時間を過ごしていた。
そこへようやく現れる二人。「待ってたよ」「雨大丈夫だった?」などと、二人を迎え入れる男女。
……と、男女の内の一人にある電話が掛かって来た。
その電話の内容はとても信じられず、そしてとても怖ーいものだった。
概要
演劇版『稲川怪談』
日程・会場:2022年9月27日(火)~10月2日(日) 全11ステージ Mixalive TOKYO Theater Mixa
10月1日 ★昼夜配信公演あり 詳細は公式Twitter、公演HPを。
原作:稲川淳二(『稲川怪談 昭和・平成傑作選』講談社刊)
脚本・演出:山崎洋平(江古田のガールズ)
出演
伊崎龍次郎
健人
山内優花
真心
塚原直彦
大西一希
角島美緒
佐野 剛(江古田のガールズ)
カトウクリス(江古田のガールズ)
山田瑞紀(江古田のガールズ)
桑田佳澄(江古田のガールズ)
高瀬あい(江古田のガールズ)
公式サイト:https://www.ekoda-no-girls.com
公式Twitter:https://twitter.com/ekoda_no_girls
企画と製作:演劇版『稲川怪談』製作委員会
問い合わせ
江古田のガールズ
MAIL:info@ekoda-no-girls.com