2022年師走、コロナ禍3年、物価高と演劇業界には厳しい年月が続く中、都内の喫茶店で演劇プロデューサー、演出家による座談会を行った。演劇を続けてゆく日々から思うこと感じること、思いなどを自由に語り合って頂いたが、皆さん、喋る、喋るで……
命題:どうしたら、もっと多くのお客様に劇場に来ていただけるのか、劇場にあまり足を運んだことのない方にどうしたら、もう少し劇場に来てもらえるのか。
A:いわゆる大きな舞台以外の作品はまだまだ集客力の弱さが目立っているけど、どうしたら舞台にお客様が来るのか、どうしたらファン以外の方々を劇場に呼べるのか考えたいです。
A:来たことのない人をまず呼びたいですよね。舞台というものに何度も来ている人のパイはもちろんありますけど、それ頼みというわけにもいかないし。となると来たことがない人がどうやったら来るのか、というのがまだ弱い。そういう意味では大きい劇場とか公共のホールと一緒にやっていたり、学校単位で招いたりとか。そういう人たちがどう観るかというリサーチはしますよね。客席の後ろから見ていて思うのは、演劇ファン以外って飽きるとスマホ見るじゃないですか。そこで、いかに劇が“つまらない”んだろうなというのが測れるわけで。そしてコロナの影響で、映像サブスクのようなものがどんどん浸透しましたよね。それはいつでも自分で止められるし、倍速再生もしたり、自分で時間をコントロールできますが舞台はそうはいかない。時間を自在に操れることになれきった人には舞台というものは確実に刺さりません。それこそ、梨泰院の事故は、多くの人が時間に焦ってしまったうえで起きた痛ましい出来事です。しかも3年ぶりだからこそ余計にね。警備も体制もさることながら、人が時間に対して前へ前へというか、速くなったというか余裕がない。手前味噌の話になりますが、急な事情でヨーロッパに弾丸で急いで向かったんですが、今までのヨーロッパでは考えられないくらい、空港で歩く人のスピードが速いんです。時間の感覚が明らかに変わっているのがわかるし、そんななかで、劇場で舞台を観るために悠長に2時間半過ごせるかといったら、もしかしたらもう持たないのではと思いますね。そういえば、ある舞台作品ですが、本来2幕で1時間30分、1時間とするところを40分、40分、50分と2回休憩を挟んでいましたが、それはまだ集中力が保っているようでした。スマホを観る人は比較的少なかったです。40分って、小学生の授業の時間とほぼ同じですけど、最近の人はそれくらいじゃないとじっとしていられないんでしょうね。現代人の時間に対するテンポ感というのが今後はカギになってくるでしょう。
A:演出の視点から言うと、本来の時間を40分とかで切るのって嫌だと思いますよ。ちゃんとそういうコンテンツとして作っているわけだから。お客様にもそれをわかってもらえるのが一番いいんですけど。とはいえ今の観客に合わせないと行けない部分もあるし、悩ましいところですよね。あとは、初めての人にとってはチケット代ってかなり関係してきますよね。チケット代って、普通に見れば高いですよね。それも現物として残らないものに果たして、これだけお金をかけられるか、と。足を運ぶという意味ではチケットの料金を安くしないといけなくなるかも。採算取れないんじゃないかという恐れはもちろんありますが。
A:コロナでさらに上がっちゃいましたよね。チケット代。
A:そうですよね、今まで9,000円ぐらいだったのが一気に10,000円、11,000円くらいになった感覚。
A:我々演劇に携わる人間にとっての大きなライバルって映画だったんです。1,800円、演劇の1/5位の金額で2時間楽しめちゃう。しかも割と丁寧に前情報も手に入るので安心して観に行けます。一方、演劇は真逆で、お値段は何倍もしますが、前情報があまり出てこないじゃないですか。開幕するまで内容が全く分からないなんてことも珍しくないですし、しかもチケット買ってたとしても期間内に果たして観に行けるのかどうかは未定という・・・。そんな状況で「1万円くらいするんです」「中身は開幕するまでまだわかりません」という商品を売るって並大抵のものではないですね。また、更に今大きく立ちはだかっているのが、Netflixのような映像サブスクですね。月額800円とかで何でも観られるじゃないですか。ここまでくるとやはり、値段勝負とかではなくて、リピーターとか、役者や作り手のファンだとかの熱量に頼ってしまいますよね。道が狭まるのは特性上しょうがないかと感じる。
A:なにか現状、手を打っていたりはしないんですか?
A:リピーターを産むようなチケットの多様化等は進めています。ですが、多くの舞台、主に2.5次元やミュージカルですが、コロナ前と比べて客入りは40%〜50%位に落ちていると聞きます。実際いちばん勢いがあった2018~2019年と比べて、売上はそれくらいになっています。これは何が影響しているかと言えば、1公演10回劇場にきていただいていたようなヘビーユーザーの減少が顕著に影響しているような気がします。
先もまだ不安ですし、映像サブスクや動画サービスで満足できると思ってしまったユーザーは、ちょっとした施策をおこなったり、生の観劇の良さを説いたりしても、戻ってきていただくのは至難の技のような気がします。同じ水準に戻すのは、5年10年はかかるでしょうし、もしかしたらそれ以上、もしくは不可能か。そんなレベルかと思います。そうなるとやはり、新規のライトユーザー層を開拓する必要性は出てきますが、それもハードルがめちゃくちゃ高くなっている感じがします。5年前でしたら自然に発生していた層が、多少働きかけを行った程度では動かないようなイメージです。
A:演劇の熱狂的なリピーターのなかにはコロナで収入が減った人ももちろんいるし、さらにチケット代も上がったわけだから、リピートの回数はそれだけ減るのは必然でしょう。そういう人たちを相手にするのはむしろ酷なのではないかと思います。なので、劇場に行ったことはあるけど、経験しているけどあまり来たことないという層が狙い目のような。
A:そうですね、いわゆるライトユーザーにとって、もっと気軽にご来場いただけるような仕組みを作るような。
A:また、2.5次元に関して言えばもうすでにストーリーについては原作を見れば結末までちゃんと分かるんですよね。だから開幕しないとわからない、というハードルはクリアできています。
A:宣伝しやすさはありますよね。ネタバレもなにもないし。
A:例えば、有名な原作コミックでドラマ化もされた作品の舞台化、ストーリーもすでにわかっている。名台詞もそのまんま登場する。みんなが知っている題材を選ぶ、というのも一つの手なのではないかと。舞台に対するハードルを下げるとするならば。
A:昔、劇団キャラメルボックスが高校演劇に営業をかけていたんですよね。そこから新規を集めていた。そういう活動も必要なのかなと。
A:自分も劇団時代に戯曲を出して都内の演劇部に送ったりしていました。反応としては、そこまで効果的とは言い難いものでしたけど(笑)。
A:とはいえ効果は出ているんですね。
A:例えば、今俳優として活躍している若手役者の中には、その時僕らが配った戯曲を卒業公演の演目として選んでくれた方もいます。その当時は期待したなかった効果なので単純に嬉しかったですね。ただ、集客のため、みたいに考えると少し時間がかかりすぎちゃうんで、すぐに効果を出したいのであれば、長期的な教育として土壌を耕す様なプランのほかに、同時進行で短期的な試みをやらないと難しいだろうなと思いますね。
A:例えば、最初に観た演劇が劇団四季だとしたら、そこから劇団四季に入ろうとする子もいるだろうし、演出家や裏方になりたいと思うようになるかもしれないし、劇をプロデュースしようと思うかもしれないし、はたまた、全くその逆の子もいるかもしれない。
A:たしかにね、嫌いになっちゃう子もいるかもしれない。
A:自分は最初に観た演劇がめちゃくちゃおもしろくなくて(笑)。演劇サークル特有の「自分たちさえおもしろければいい」みたいなのには飽き飽き。それで遠ざかっていた部分はあります。
A:まあ、そういうのは往々にしてありますよね。
A:演劇って免許制ではないですから。言い方は悪いけど誰でもできるものだと思います。
A:ええ。最初に観る演劇って大事なんですよ。劇場に足を運ぶということもそうなんですが、作る側が“自分たちが出向く”ということ、今は学校周りがすごく興味があるんです。でも学校周りって縄張りっぽいのがあって、そればっかりやっている人たちの団体があるから。でも、学校周りで、それが最初に観た演劇なんて人もいるかもしれない。それを面白いと思わせて、そこから引き込めるのであれば「演劇層」の拡大、集客に繋げられるんじゃないのかなとも。ああいうことって演劇単位なのか、役者なのかわかりませんけど。スポーツ界だと、イチローさんが学生をみたりするじゃないですか。ああいうのってすごいことだなと思っていて。それを役者がやってもいいというか、やろうと思えばできるだろうし。どっかの演劇部に行ったりね。それができる人がいたとしたら、演劇そのものが活性化されるんじゃないかと思っています。
A:映画とかでも、トレーラーとか観ていて「なぜ観に行きたいのか」と思うと、役者さんのファンとかは別として、その内容の続きを知りたくなるから。2.5次元もね、キャラクターとか物語が知られているとはいえ、CMとか見ていてもだいたい写真ばっかりなんですよね。全然物語とか関係ない、この人が出ています、という情報とビジュアル重視。広報の部分でも、役者の人気や原作の人気ばかりに頼るのではなくて、物語や内容に触れたらいいのになと常々感じます。「どうなんだろう」と思わせるような。新規の人なら「そういうのって“舞台で”やるんだ」とちょっとでも出るといいなと。それを動画で出したりね。この前一つあったのが、かつて、2020年にやっていたもので、当時はコロナ初期中の初期だから、どうしても70分に納めなくてはならなかった。でも台本はどう考えても従来の120分のボリュームなんです。しかも絶対カットができないような。だとしたらと出したのが、最後にQRコードだけ出して、エンディングは帰りのスマホで観てねっていうスタイルが持ち上がったんですが、結局技術的に無理で(笑)。70分にカットしたらしいです。とはいえ最後の20分間は動画で撮っておくアイデアって悪くないと思うんですけどねえ。コロナ以降、朗読劇が増えましたし。そういうのはどんどんあってもいいんじゃないかと。エンディングじゃなくてイントロもね、そこだけ配信したり。マルチエンディングの片方を動画サービスにしたり。やっていいんじゃないのって。でもやってくれないんですよね。
A:演劇に携わる人って、どうも保守的なんですよね。新しいこととか提案しても「それはちょっと……」とか言われて、なし崩しに断られちゃう。
A:世界的に著名な作曲家のコメディなんですけど、日本では全然知名度が薄い作品がありまして。実は、『ドラえもん』みたいな話なのですが、でも紳士のビジュアルでそれをやられてもまさかコメディとはイメージできないし、ピンと来ないだろうなって思っていたんです。でも、普通に始まっちゃった。そういう日本での知名度が低い作品って、もっと導入部分、イントロ部分をわかりやすくキャラ紹介するのではダメなんですかね?
A:いや、やるべきだと思いますよ。日本で知られていないんだったら。
A:権利元が云々って話なんでしょうけど。輸入ものの場合は制約が厳しいのはわかるんですが「広めよう」というより「日本に持ってこれました」というだけで終わっているんです。でも、実は作家たちと直接話したら全然、承諾を得られるなんてパターンもあるわけで。交渉というところまで労力を割けないんだろうなというのはわかりますけど、日本のお客様によりよくわかってもらおうと思うのであれば、従来のスタイルを変えないとね。
A:登場人物の名前とビジュアルだけが出てくればいいというわけではないですしね。これは輸入ものだけでもなくて、2.5次元でもそう。
A:正直な話、やはり観る前にヒントがほしいですね。基本的にはユーザーも最低限の情報がないとお金は出しづらいですね。
A:たしかに。演劇でなくても例えばワインだったら、高ければおいしいのはわかるけれど自分の口に合うかどうかは別の次元。試すものがなければ勇気がでないですよね。だから試飲というものがある。
A:テイスティングに替わるものが、演劇でも必要というわけです。
A:広報の方は役者さんを表に出したがるけれど、実は役者さんって自分の演技で精一杯だから、自分にまつわる事柄以外はどうしても話せないんですね。彼らには演技以外のことまで視野が広げられるかというと、10代や20代の、芸能をひたむきに続けてきたような男の子や女の子にそこまで求めるのは無謀でしょう。なので、役者さんのファンに頼るばかりではなく、こういう話なんですよというのがわかる宣伝方法が必要じゃないかとも思いました。先程も出ましたけれど、何しろチケットの値段も高いですし……。
A:ディズニーランドのパスポートより高い。その値段も時間ももらっているわけです。それと勝負していると考えると、すごいことですよね。
A:本当ですね。よくよく考えたらたいへん。
A:演出家は、初日に至るまで「こういうビジョンにしたい」というのを決めているわけだから、作品に対しては役者の何倍も喋ることはできます。説明もできるし、キーになるフレーズを投げかけることはできます。ただね、演出家でチケットを買うかと言われると日本では中々…と思ってしまう部分も(笑)。
CMのお話も、ビジュアル撮影だけで終始しているなというの、すごくよくわかります。ただ、ビジュアル撮影以外にイメージの映像の部分でのセリフで伝えるほうが、タイトルは観たことあるけど中身知らないという人へ興味を持たせることはできますね。で、それに関しては、幸い今は映像の技術も上がっていますし、無料で流すこともできる。それを効果的に使えば、演劇のいわゆるテイスティングみたいなイントロを作ることも不可能ではない。むしろ目に触れやすいという点で近道になるのではと。効果的な演劇に特化したプロモーションの方法をもっと考えていくべきじゃないかなと思えてきます。
A:多角的にやっていく必要があるわけですね。ところで、ある制作会社が子供でも楽しめるミュージカルをはじめましたね。学校招待もあったそうですが、良いことだと思います。
A:そうですね。ちょうど助成金の支援もあったみたいですね。
A:ということは、チケットの値段はどうなっているのでしょう。
A:助成金でカバーできる分、安価にできている様です。そういう意味では今だからできる枠組みで新規開拓をしっかりとできているのではないでしょうか。
A:助成金はいつまで続くかというのがありますけれども。
A:そうですね。それがないと厳しかったのは事実。だから、チケット代はいい席と手頃な席で差をつけちゃうっていうのもありかなって思っているんです。ホリエモンさんの『クリスマス・キャロル』だったかと思うのですが、何万円もする豪華食事付きシートと、普通のシートで分けていて。日本がそもそも貧富の差が激しくなってきている、だから二元化させてしまおうと。今の演劇界ではS席とA席くらいしかないし、値段の差も微々たるものですが、席の良し悪しでもっと差をつけてもいいんじゃないかと。
A:最近は曜日別や開演時間別で料金設定を変えているところもありますし、また、物理的に見えにくい座席はそれなりの安価な料金設定にしていたり。
A:どなたでも分かる人気のコンテンツってやっぱり転売の対象になるんです。特に千秋楽の一列目だと6ケタ以上の値段で取引されたりすることもありました。こちらも色々手は打っているんですが、いたちごっこですね。TwitterとかSNSを駆使してあたかも友人の様に振る舞って受け渡しをしたり、いろいろやりながらかいくぐってくるんです。でも実際に、そんな法外な値段の取引が発生してしまう枠組みになっているのは自分達の責任ではあるし。だから「高級な回らないお寿司屋さんみたいに“時価”にしてしまえばある程度は解決はするのかな?」とか、「お客様が多い日とそうでない日が同価格っていうのも違うよな?」と思ったり。悩ましいですね。以前は、自分たちも学生には学割、関東地方以外の人には地方割、とかやってなんとか劇団自体のファンを増やそうとはしていたんです。でも全体的にそういう流れではなくなったというか、そもそも映画とかと比べたら圧倒的に少ないユーザーの奪い合いだし、チケットの値段はどんどん上がってもしょうがない、みたいな風潮に向かっていってしまって。以前はマイナーよりであった演劇業界も2.5次元がリードする形で、人気が出て、転売に悩んでいる。この局面になって思うことは、演劇業界自体、ユーザーを奪い合うというより、増やすため、演劇という娯楽を選んでいただけるための戦略にもう一度立ち戻ってもよいのではないかと考えます。
A:全体のことを考えてプロモーションを考えなければいけない時期にきていますね。
A:劇団や制作会社はそれぞれ、もちろん競合ではあるんですが、僕ら自体が抱えている分母自体が狭いから、Netflixとか動画サービスやゲームからユーザーを取り戻さないと。そこがエンターテインメントという枠として競合相手になるとすると本当に強敵ですよね。それらで十分満足しているユーザーに、生のものって面白いんだよという体験をさせるために、うまく入り口を作ってあげなくてはいけないなと思います。娯楽がデジタル寄りになればなるほど僕らのやっていることがより際立つともいえるし。だからこその価格差なんですけど。それを作り手側がわかってポイントをつついてあげないと、なかなか誘導がしづらいですね。
A:千秋楽にお客様が集中するのは、やはり最後の挨拶があるからとか、特別感があるせいなんですよね。そして、出演者ではなくて我々、作り手側がアフタートークをするのは売れていない日なんですよね(笑)。というのがみんなもうわかっちゃっているから。しかも最初から予定されているわけでもなくて、途中からだったりするとなおさら。千秋楽に来たい人、初日に来たい人とかいろいろあると思うんですけど、そのときだけわかりやすく“なにかある”のが予想できてしまうので、売れるとも言える。自分はコンテンツをいじるというのが好きなわけではないんですけど。でもやっぱりなにか、その日に行ったから発見できることが、毎日積み重ねなきゃいけないんだなと。なので、毎回毎回ストーリーを変えるのはさすがに骨が折れるけれど、そうでなくてもキャストのシャッフルとか、ダブルキャストどころかクワトロキャストとかね。現場の負荷がかかる企画ですが(笑)。でも、そういうのって必要だと思うし、話題性にもなるし、売りやすいですよね。そういえば、とある作品でLINEのライブ宣伝をしたところ、観客1万人だったにも関わらず、チケットが売れたのは、結局9枚でした。たったの9枚って意味がわからない。もしかしたら、もうチケット買っている人だったのかもしれないけど。求めていた方向性とはちょっと違っていたなと思いました。ほかにも、優れたアーティストをいっぱい抱えている事務所さんで、ミュージカルに彼らはほとんど出てこない。もったいないなあって思います。もしかしたらそこから新たなミュージカルスターが生まれるかもしれないのにね。もう一つ、作家さんが有名だったというだけで、座組が有名だからというだけで、物語のもなんにもわかっていないのにチケットだけ完売するんです。その作家さんも「これっていいことなんだろうか」って言っていたくらい、悩まれてました。それはそれでおかしいんじゃないかってね。本当にまじめにライトユーザーを獲得するためには、何かやっぱりストーリーとかきちんとお客様に渡した上で招いて、それで好き嫌いはあるかもしれないけど、ある程度情報を担保したうえでやる方がいいですよね。裏切るのが一番いけない。演劇だと生で観られる楽しさがあるよ、と散々伝えるけれど、生で観られるメリットは何なのか、というところですよね。そこを我々が伝えなければいけないし、見せなくてはいけないんです。眼の前で本当に人が演じていて、悲しんだり喜んだりしている姿って感動すると思うんです。どうやったらそれを知らない人が現場に来られるか、というところはやはりイントロダクションをちゃんと見せること、これが必要になると思うんです。
A:いろいろなプレゼンテーションをしていくのが必要ですね。よく、宣伝で役者さんが仲良しエピソードを語ったりもするけれど、作品のこととか全く触れずにそれしかニュースに載らないこともしばしば。それって彼ら自身のファンじゃないとうれしくもなんともないから、結局アイドルのライブとやっていることが一緒だなあって。
A:演じている側も、取材対応が難しすぎて話せないというのは往々にしてあるんですよね。作品の中身に触れたいけど自分の意見が間違っているかもしれない、というところもあります。「稽古場での面白かったエピソードは?」という質問が取材の際に良く出てきますが、これは、先程おっしゃったように“役者を推しにしているファン向け”な質問だし、役者にとっても答えやすい質問でもあるから、需要があるのはわかっているんです。とはいえ、演者もファンだけがこのニュースを見ている、とは思わずに、そうでないライトユーザーもちゃんと見ているということを理解したうえで取材に臨むべきではあるかなとも。仲良しアピール、いい座組アピール、先輩役者がすごいアピール、だけでは本当にファンの人しか来なくなるし、傍からキャッキャしているところを見せられても、たしかにアイドルグループにしか見えません。なので、それを防ぐためにではないですが、プロデュースする側としては、取材前に演者に話すべき内容を打ち合わせしたりします。例えば、この作品の核はこことこことここだから、それをゲネプロの挨拶に必ず盛り込むようにして、どんな質問、先程のファン向けなものであっても少しでもそれらのエッセンスが伝わるように意識しています。演出家よりも芸能人である演者の言葉のほうが刺さる場合多いですしね。だって彼らかっこいいですから(笑)。自分の言葉で解釈して、喋ってもらえばよりユーザーに届きやすくなる。なので、必ずそれらについて、事前にすり合わせするよう、だんだん学んでいきました。
A:広報会社によっては、会見時に仕込んでいたりしますけどね。質問事項がすでに決まっている。
A:まあ、それで結果的にお客様に届けばいいと。予定調和でね。ちゃんとものが伝わればいいんでしょう。
A:また、とりわけ2,5ですと原作の作者と舞台側とで揉めることってよくあるんです。自分はそれがすごく嫌で降りたこともあったんですけどね。予定調和でもいいから、漫画やアニメを2.5次元舞台化したときだったら、それが舞台ならではの発展をしたときがベストですよね。一方で、舞台に興味がなかったり、舞台のことを全く知らない原作者の方がいろいろこだわられてしまうと失敗してしまう。原作との付き合い方がプロデュースとしては難しいですよね。
A:ゲームのものは特に難しいですよね。
A:あるゲームの舞台化は会社の方がすごく協力的だったので、やりやすかったんですね。そうでない場合は確かにとても難しいですね。
A:多々ありますね。演劇に相性がいい原作ってあるし、逆もある。そこはセンスである程度共有できたらいいんですけどね。また舞台化に対して、実写の人が出てくるのはああだのとか、声がイメージと合わないとか揉めたときなんかは、百聞は一見にしかずじゃないけど一回見てもらったら、結構「よかったです」って言ってもらえることもあったり。そんなときはさっき言ったみたいな“おこだわり”は一旦聞いたフリするだけ。向こうも想像ついてないんだろうなって思ったり。
A:よくありますよね、そういうの。
A:原作者としての立場もわかるといえばわかし。とはいえ、TVアニメ1クール分を2時間でまとめなきゃいけないとか、その時点でハードルが高いのはわかります。ですので、こちらも前編後編にしましょうか、5話分にしましょうかとか提案はするんですが、アニメ的な作り方、すなわちセリフを“貼って”いくものを要求されたりするんですよ。でもそれは演劇として2時間でまとめる手法とはまったく違う。なぜなら向こうは連続した12話とかで終わればいいから、大きい起承転結を2時間の中にまとめる問題がない。だから舞台化にあたっては、「時系列をある程度いじる必要もありますよ」とちゃんと我々サイドが理解して、しっかりと言葉で伝えます。その点をきちんとすり合わせないとやはり良いものにはなりません。「原作と違う!」とファンの方もお怒りになります。ただ、脚本家は仕事ですから「アニメと同じ、忠実に作りなさい」と強く言われれば従いますけどね。仕事ですから(笑)。わかるんですけどね。守らないといけないものがあると思う。
アニメが得意としているものと、舞台が得意としているものは決して同じではないですが、我々にとっての得意なものは「生でお客様の心を動かすこと」。舞台では出来ないものがあるように、アニメではできない部分ももちろんあるので、舞台化の際は「信じてほしい」ですよ。でも、その説明もうまくできないと、「できません」とネガティブな交渉にならざるを得ない。何回か一緒にやっている関係であれば「あのときみたいに」と話せるんですけどね。いわゆる共通言語がある人、何度か舞台化を成功させている人とか。そういう人と、全くはじめましてで、普段観劇もされない方と仕事するのではだいぶ違うし、選び方も違ってきますよね。結構、原作があるということではプロモーションが楽というメリットもありますが、デメリットとしては、先程話したようなお客様の目に触れない部分ではもちろんありますよね。そこはクリエイティブの方は、たくさん経験していると思いますが(笑)。
A:よく、アニメや漫画を忠実に再現しろって言われるけど、それだと面白くならないんですよね。なぜなら原作にはやはり魅力や表現の面で勝てないから。ただ舞台のサイズに縮めるだけだと「舞台版ってこんなもんよね」としか思われないだろうし、失敗がすでに決まってしまう。
A:『ハリー・ポッターと呪いの子』今やっているますが、全然原作とは違うストーリーなんですよね。あれも原作と同じコンテンツを使いつつ、原作にいたキャラがいながらも発展させている、うまい仕組みだと思いました。そういうふうに舞台だからこその展開とか、ゲームでしかできないと思われていたものを舞台でやるとか、そういうメリットを作れるんですよね。だから原作者さんとうまく折り合いつけたいなあとつくづく思っています。
A:舞台ならではの展開を見せたことが、成功のポイントなんじゃないのかなと。こと『ハリー・ポッターの呪いの子』は作品自体に呼び込む力があるから、キャストが変わったとて全然やれるんですよね。
A:それ、大事ですよね。2.5次元は役者ありきのようなところがあって、それはとてもありがたいことでもあるんですが。そうじゃないものも作っていかないとね。オリジナルのキャストが卒業すると「あの人を返して!」とか言われたりしますし。摩耗するだけになってしまう。
A:キャストさんに頼り切りだとそうなりますよね。例えば人気のアイドルが出演するとたしかにファンは来ますが、正直、「瞬間風速」にしかならない。
A:そういう人って稽古なかなか来ないしね(笑)。忙しいだろうからしょうがないんですけど。
A:劇団四季のミュージカル『カモメに空を飛ぶことを教えた猫』、これは作品ありきですね。
A:いい作品ですよねえ。作品に力がある。
A:四季さんでいうと、自分たちで劇場を持っているからこそ強いですよね。地域や鉄道との関わりも強いし。
A:やっぱり、作品で呼ぶというのはもともと演劇の原点だと。
A:そうだと思います。作品で呼べるということは、生で観たいと思わせるということだから。「映像でいいや」とはならない。ミュージカルとか、歌モノが人気があるのは、生の良さというのが如実に表されるからだと思います。毎回コンディションも違うし、それにより表現も変わりますし。そこが芝居、ストレートプレイでもあってしかるべきだと思うんですけどね。
A:劇場そのものも、ありきたりな劇場やだなって思われちゃう。昔は、新派とかも町中にテントを組んでやるとか、非日常のような、景観そのものが変わるのが面白かったんですよね。今はそうではなくて、お行儀のいい劇場というか。何やるかわからないのに先に劇場押さえます、なんてのもよくある話で。この体制がよくないのかなと。四季さんの、専用の劇場を作って非日常を味わわせるという手法は、そこに来る意味というものを生みますよね。自分も長い目で見て、いつかはやってみたいことではあります。
A:リハーサルを観せるのはいかがでしょう?リハーサルを観せたら興味を持つ人もいるかも。
A:そうですね。わかればお金は出すし、わからないものにお金は出したくない。
A:わからない人たちに「この内容だったら本番をちょっと観てみたいな」と思わせる動機になるかもって思って。ちなみに、地方に演目によって30席から50席の可変の小屋があるんですね。そんな小さいのどうやって経営してるんだろうかと思ったら会場に応援グッズ販売の機械があるんです。役者のAくんの名前を引いたら、その売り上げが直接彼らのもとに行くようになってるの。それ、月に400万とか500万とか売上あるんですって。となると、役者にあげる給料がそれで成り立つから、人件費にもなりますよね(笑)。それに、ファンにとって見れば「私たちが彼らを育てている」感もでてたり。舞台と観客ってここまで距離が近くてもいいんだって思いました。
A:役者としては、リハーサルの姿が美しくないから見せたくないっていう人もいるかもしれません(笑)。
A:そうですねえ(笑)。でも、最近よく「稽古場取材」をしてもらうことが多いんですが。なぜかというとゲネプロの段階だと間に合わないんですよ、宣伝が。
来週、小屋入りですという段階、完全に未完成の段階で来てもらうことも。そんな粗いときに記事にしてもらって、期待値という部分に還元してくれるんだったらいいなと。むしろその段階で「これからどうなるんだろう」と思ってくれる時期に宣伝しないと。記事が開幕後とかに載ったりすると「あ、開幕している。でも予定合わないな、今回は観なくてもいっか、どうせ配信あるし」になってしまうのが一番痛い。興行が1週間程度だと間違いなくそうなります。ロングランだったらその心配もないでしょうけどね。
A:ですよね。もったいなさすぎる。それこそ3カ月前の本読みとかでもいいんじゃないですか。まだ立ち稽古になってない段階。その時点で観られるんだったら、期待値もより高まりそうです。
A:取材する側も、もし演劇に造詣がある人だったらその段階で記事にできるでしょうね。その逆の場合だと、人気役者さんを出して、バズればいいみたいな記事になることもありますね。
A:会見だけ参加していなくなる方とかいるのはそのせいなんですね。ちょっと悔しいですね。
A:まあ、それだと役者のファンしか来ないでしょうね。つくづくもったいない。
A:もしかしたら、若い人向けというよりも我々世代の作品とかのほうが、作品自体に興味を持ってもらえるのかも。高齢アイドルファンというのは全く別の話。そうでない、演劇を、劇場に通ったことのない“おじさん”が潜在層として見落とされているのではないかと。
A:たしかに。ところで、最近のオフィシャルレポってあらすじにさえ触れていないこともしばしばあって。役者のコメントオンリーなの。それはさすがに見ていて痛々しいし、せめて作品のストーリーは載せないと。
A:最低限、プレスリリースのコピペでいいから作品に触れてほしいですよね。まあ、コピペは正直キツいですけど(笑)。
A:役者のコメントもね、なんか作品への熱量がないほうがかっこいいと勘違いしているのか、また要約すると「がんばります」の6文字しかないとか。
A:それは、もしかしたら役柄を理解するまで至っていないのかもしれません。そうだったら代わりに自分が書いてあげちゃう(笑)。「打ち上げ楽しかった」「○○さんいい人」とかそういうの書いてほしくないし、内容には最低限触れてほしい。
A:たしかになあ(笑)。でも、人によるんですよね。コメントを喋るのも書くのも得意じゃないっていうこともあるだろうし。撮影でさえ、中身わかってなくて撮影しているときありますもんね。とりあえずこういうポーズで、と適当にカッコつけさせたり。
A:広報会社さんってたくさん案件抱えているから、一つひとつを追えてないこともあるでしょう。
A:通り一遍のマニュアルでしか対応できていないときもありますしね。それに安くないお金をかける意味あるのかなって疑問に思います。結局その決まった宣伝の仕方にプラスアルファのプランニングはプロデュース側でしなきゃいけないし。で、それをやってくださいってお願いしても「知らないし、できません」って言われたり。となると自分たちで別に人を雇ってやらないといけないのかなって。でも、それってお金を二重にかけているじゃないですか。やれることは全部やったうえで「できない」ならまだわかるけど。
A:大きくなっちゃうと、逆にそういう決定が遅かったり、時間の無駄だったり。増えますよね。劇団のままなら無茶ができるけど。みんながいい意味でも悪い意味でも仲間だから、宣伝活動を無茶振りしたり、労力を惜しまずに精一杯やったり。
A:ある意味みんな同じ方向を向いているがゆえでしょう。
A:それは強みですよね。
A:とにかく、最終的な目標は「席を埋めること」だから、各々のアドリブがきくんです。一方。会社と社員というつながりだとそれができる比率は少ない。難しいですね。
A:70年代とかは、劇団それぞれがプロデュース公演をして、劇団そのものがあがってきていましたよね。
A:今の世代だとその成功体験をしたことがないから、役者をやるのに劇団をつくる、という想像がつかないみたいです。とりあえずユニットで、とか。
A:となると、夢が見えないというかルートがもう確立されないから、学生時代の趣味の延長線上になりますよね。将来役者をやろう、というまでには至らないだろうなあ。
A:我々ミドル・シニア世代が、彼らをどう導くか、どう育てるか、というのをちゃんと考えないといけないんでしょうね。
A:とはいえ、導く側の熱意も大事ですよ。「どうしてもこれを成功させたいんだ」という人についていかないとね。特に若いときの体験って大事だから。実はそれは、我々作る側も同様。熱意あるプロジェクトを立ててくれる人と一緒なら将来にもつなげられるんです。それこそチラシ一つとっても、台本さえ目を通していなさそうな、適当なビジュアルだったりするといちいち指摘するのもたいへんで、二度目はないなって思っちゃう(笑)。
A:クリエイティブとプロモーションが、ある程度阿吽の呼吸ができる、これが理想ですね。予めある程度関係性ができているチームっていうのはやはり強い。コミュニケーションも円滑に取れます。
A:ですね。じゃないとロスが多いですし。まったく新しい人と組んで、いいものができる可能性、ゼロではないですがやはり最初はつまずきますよね。
A:贅沢をいえば、本来は常に新しい人と組んで、新しいアイディアをもらって、とありたいんですが。そうはならないことが多いのが悩みです。
A:一方通行ではなく、コミュニティですからね。演劇人でも、お笑い芸人や演歌歌手みたいな地方行脚をしてみたらどうかなってふと思いついたんです。今はなおさらかもしれませんが、いつも東京と大阪でしかやらないみたいなの、もったいないなって思うんですよ。コミュニティがどんどん内々になっているんじゃないかって。もし、地方の人と演劇人とか実際に話す機会が増えれば「あ、この前話したあの人だ、行ってみようか」という結果につながるかもしれないから。それこそ劇団は昔それをやっていたし、今でもやれそうだなって。
A:やっぱり、手の内を明かすというか。舞台側がふんぞり返って勝手に雲の上の人になってしまっているのはダメだと思いますねえ。来たらお金の分だけ返します、なんてのは通用しない。来ないですよ。
A:映画は試写会っていうのがあって、最初から中身を出してますよね。それを観て面白そうだなとか、楽しめそうだなというチョイスができる。相応するのが舞台にはないんですよね。
A:少なくとも、冒頭のシーンくらいは出せばいいのにって思います。例えば5分間をプロモーションのために完成させなきゃいけないとなれば、磨くじゃないですか。台本であっても芝居であっても。それも大切なことですよね。人にみせるに値するものを作るのはこういうことだよって。蜷川幸雄さんも「最初の5分が勝負」っておっしゃっていましたし。それは全部観に来た人をつかむための言葉だけど、観に来ない人をいかに掴まなきゃいけないとなれば、その5分をどれだけ完成度を高めるかという意味でもいいことだと思っています。さらに言えば、そこで躓いてしまったら、もうお客様は来ない。先を観たくなるものを提示できなければね。とはいえ、それを全部やったとて、広告側の手間が増えてめんどくさいという理由から、なかなかやってもらえないし続かないのが悩みですけど。
A:まさにサラリーマン気質だな、これは。自分たちのキャパを超えるものには手を出さないし、やれるようになったとてそれまでに何回も会議でしょう(笑)。
A:演出家一人が奮闘しないといけない時代でもないのに、アイディアなんか出し渋ってる場合じゃないと思うんですけどねえ。これだけデジタルで情報を出せるんだし。なんなら台本も公開してもいいくらいだと考えています。
A:いいですね、ネタバレもなにもないんだし。
A:権利を主張するのは、もっと後でいいんです。だって観てもらわないことには意味がないんだから。
A:本読みもそうですが、早めにお芝居を完成、公開するとなると、役者さんも引き締まるでしょうね。だって本番ではそれより練度を高めないといけないわけですし。
A:正直、原作者が観に来るとかよりよほどハードルが高いでしょう。本人たちにとってもより、早く準備できるんです。5分とは言わず、最初の3分でいいからやりたいなあ。
A:それに、舞台畑の人って、記者もそうなんですがその世界しか知らなすぎるかもって思うんです。例えばアメリカの演劇では今まで考えられなかったようなジャンルを取り入れたりしていました。プロレスとか、マジックとか……。
A:そうなんですよね、演劇に携わる人って視野は決して広くはないと思います。ヒントはいくらでもあるのにね。
A:アイデアを出すのに躊躇はいらないですよね。まったくお芝居に興味がなかった層を取り入れるならなおさら。
A:人狼とかリアル脱出とかやっている層は演劇に取り込みやすいかなあと感じているんです。ライト層と同じくらい取り込みやすいというか、面白さの共通点はありそうだから、そこへ僕らが出張っていければ、短期的に客層は広げられる気がしていますし、僕らが持っている演劇の特性をアピールしやすいかと。
A:今までの従来の常識を外しながらも、それでいてごくごく普通の人にもアピールできる手法をやっていかないと広がっていかないということですね。いつまでも出演者頼みはやめましょうと。
A:今やっていることにプラスでやらなきゃいけないから、どのセクションにとっても大変なことだと思うんですよ。でもそういう、余計なこともできる勇気をもたないと。
A:演劇そのものが、プロデューサー的な発想をできる人ってほぼいないに等しいので。ノウハウがないから。でも、演劇のパイを広げようというのはプロデューサー的な姿勢じゃないですか。それが生まれる環境も現状にはないし、完全にそれぞれが独学、手探りなので。そもそもプロデュースできる人を育てていく必要があるでしょうね。
A:キャスティング、スタッフィング、なんだったら最初のときの挨拶から「こういう思いでやっています。」というのを伝播させていかないと、いつまで経ってもプロモーションは変わっていかないですよね。1つの「劇団」を最終的には、稽古期間、本番までのところで完成させる気持ちで作っています。
A:それ、大事。役者もそうであってほしいです。事務所のマネージャーさんから「この舞台本当にやりたいって言っているので!」と言われて招き入れた役者やアイドルがそこまで熱量がない、なんてケースはもうごめんですね。作品ひとつを盛り上げたいという意思を見せてほしいです。
(続く)
※便宜上、全発発言者を「A」としています。