中村龍史プロデュース 水野江莉花一人芝居『エリカ7』心のオアシス、エリカ7、芝居に歌、そしてダンスも!

数多くのミュージカルに出演し、後進の指導も積極的に行なっている水野江莉花の一人芝居とワンマンレビューが上演された。
作・演出は中村留美子。劇作家でもあり、プロデューサーでもある。オリジナルミュージカルからストレイトプレイまで幅広く、全ての作品は夫でもある中村龍史の演出。観るものを飽きさせない展開の早さ、生きとし生ける物に対する優しさとおおらかさとユーモアが、ハートフルな作品の基になっている。
今回は中村JAPANドラマティックカンパニー所属の水野江莉花のために書き下ろした作品。芸達者な水野江莉花の魅力が満載の舞台。
会場は南青山MANDALA、ライブハウスでステージと客席がかなり近い。初日は満席、開演前はリラックスムード、そして熱気に包まれていた。時間になり、始まる。某コンビニ風の衣装の水野江莉花登場、「おはようございます…エリカ7です…」舞台上はほぼ何もない状態、後ろにペットボトルで作った暖簾のようなものがあるだけ。

「いらっしゃいませ!」と客席に向かって!忙しく動く、商品の説明、レジ打ち、お客様の誘導、エリカさんが1人で動き回る。この動きに合わせてピアノの調べが。

かけあいも楽しい。

そこへ1人の男の子がやってくる。小学2年生、学校に行きたくないという。また、外国人のお客様、前に来たことのある人らしい、デイブさん。そんなこんな、水野江莉花、すごい早口でアイスクリームの商品名をバシバシ喋る、ここは大きな拍手と笑いで!「M永チョコモナカ50周年」、どうもエリカさんの「推し」のアイスらしい(笑)、そしてこれはノンフィクション、事実!M永チョコモナカは1972年誕生!
仕事を終えてエリカさん、ジャージ姿、母は事故死、父はどこかへ行ってしまったらしい。
そこへあの小学生が。ここで水野江莉花、小道具で小学生になったり、エリカさんになったり、この「キャラ変」をサクサクとこなす。

帽子とメガネで小学生。

芸達者、しかもどこか笑える。エリカの独白、この内容が泣ける。お酒に溺れたこともあったらしい。子供が置いた袋、その中身が……銀色の、ちょっと履き古したダンスシューズ、箱、そして手紙。エリカの心に何かが灯る。

ラストはエリカ7の1周年、ということでショータイム!!照明もキラキラ、音楽もアゲアゲ。さっきのジャージ姿とはうって変わって!セクシーな衣装で歌って踊って、客席も巻き込んで!楽曲も、楽しい内容のものばかり、駄洒落ばかりの歌詞だったり。クラップも起こり、ステージと客席が一体になって、一緒にフラットに楽しむ。

ライブハウスなので、飲食OK。こんな楽しいコンビニがあったら、特に用もないのに行きたくなる。人と人との繋がり、想い、お芝居なのでフィクションであるはずなのに、どこかリアルに感じる。人と人、気持ちが通じれば、そこに何かが生まれる。会場は温かい空気で充満し、優しい気持ちになれる。

ウクレレも弾いちゃいます。

まっつんさんのピアノ、味があり、聞き惚れるし、時折黒子で登場する中村公一さん、何も喋らないのに存在が饒舌(笑)。おおよそ1時間半のノンストップ。温かい気持ちになれるコメディ、極めてアナログな舞台、終演後の観客の笑顔が何よりの舞台であった。

概要
日程・会場:1月20日㈮19時、21日㈯13時・17時 南青山MANDALA   公演は終了。
作・演出 中村留美子
出演・振付 水野江莉花
音楽・ピアノ まっつん
美術・舞台監督 中村公一
協力 NAKAMURAメソッド体育演劇
衣裳協力 安河内ゆう子
イラスト neco7
主催・企画・制作 オフィスひらめ

公式WEB :http://office-hirame.net