1973年にミュージカル『イエス・キリスト=スーパースター』でデビューを果たし、 2023年で役者生活50周年を迎える俳優・市村正親。その市村が1997年に旗揚げしたひとり芝居『市村座』いよいよ10回目、開幕
これまでの『市村座』では、 落語「たらちね」の物語を「マイフェアレディ」のミュージカルナンバーにのせて歌い上げる音楽落語や、 芝居仕立人情噺と銘打った落語一人芝居「文七元結」「芝浜」「子別れ」、 立体オペラ講談「市村座の怪人」や音楽講談「日生劇場の怪人」、 などバラエティ豊かな演目を通して、毎回、様々な市村正親を魅せてきた。
また、役者生活50周年、ミュージカル『イエス・キリスト=スーパースター』から数えて出演した舞台作品数は3桁、107作品(再演出演はカウントせず)にも及ぶ。
記念すべき今回の公演では、お馴染みの口上から始まり、「文七元結」「芝浜」の作者である三遊亭圓朝の落語「死神」(市村の役者人生の始まりである付人をした恩師西村晃の代表作)の一人芝居仕立のほか、 市村がこの50年間に出演してきた40以上のミュージカル全作品を、 その楽曲とともに振り返る。
そしてラストには、市村が絶大な信頼を寄せ共に歩んできた作・演出の高平哲郎作詞、 音楽の上柴はじめ作曲による、俳優・市村正親をイメージした新曲を市村自身が歌い上げる。 役者生活50周年であり10回目という記念すべき本公演でしか見られない、 “市村正親のすべて”を劇場で。
2部構成で、2部は恒例のこれまでの作品のタイトルと映像を背景に羽織りものを着替えながらどんどん歌っていく。40作以上の全ミュージカルを楽曲とともに振り返る夢のメドレーミュージカル、贅沢な内容。「オリバー!」で共演した長男の市村優汰もダンス披露、時々鹿賀丈史とのエピソードも飛び出し、超お得&超楽しい公演。
もちろん、最後には、市村正親十八番の三波春夫の名曲「俵星玄蕃」を熱唱(これを聴かないと帰れません(笑))。公演は28日まで、劇場はミュージカル「オペラ座の怪人」初演(1988年5月)の劇場、日生劇場にて。
ゲネプロ前に会見が行われた。
「やるっきゃない。74ちゃい。千秋楽まで僕の思い出をみんな一緒にたどってもらえれたら」とお茶目に。10回目となる今作には、長男で俳優、市村優汰と次男も応援に駆けつけ、共に舞台に立つ。「僕がひたすら必死にやっている姿を見ているのが勉強」と語る。父親の背中を追う長男については「優汰の踊りはいいですよ。ボクなんかよりはるかにいい。恐れ入りました」と褒めちぎる。次男については「今回が初舞台。口上のセリフを最初に覚えて『歌うのが楽しい』と」とコメント、”お父さん”全開。長男は“繊細”で次男は“大胆”だそう。「(2人の)歌のうまさは涼子。ひょうきんさは僕」と遺伝子いいとこ取り。「幸せな役者人生をいまだに送っている」と感謝の言葉を口にした。
概要
市村正親ひとり芝居『市村座』
日程・会場:2023年2月26日(日)~2月28日(火) 日生劇場
キャスト
市村正親
スタッフ
作・演出:高平哲郎
音楽:上柴はじめ
声楽指導:古賀義弥
美術:金井勇一郎
照明:塚本 悟
音響:新城昌美
映像:小池敏治
ヘアメイク:宮内宏明
舞台監督:高橋春樹
主催:ホリプロ/東宝
企画・制作:ホリプロ
ツアー公演
大阪:2023年3月3日(金)18:30 NHK大阪ホール
問合:0570-200-888 https://kyodo-osaka.co.jp
博多:2023年3月4日(土)・5日(日) 博多座
問合:092-263-5555 https://www.hakataza.co.jp/
川越:日程・会場:2023年3月8日(水) ウェスタ川越 大ホール
問合:049-249-3777 https://www.westa-kawagoe.jp
仙台:2023年3月10日(金) 仙台電力ホール
問合:022-217-7788 http://www.kyodo-tohoku.com/main.php
公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/ichimuraza2023/
撮影・取材:金丸雅代