2023年3月の明治座公演は、創業150周年の前月祭、
タイトルは『大逆転!大江戸桜誉賑』、ド派手に賑やかに好評上演中だ。
脚本・演出はコントユニット「男子はだまってなさいよ!」を主宰し、舞台・ドラマ・映画の脚本・演出のみならず、映画監督やアニメ作品のシリーズ構成や テーマパークのショー演出まで多岐に渡って大活躍中の細川徹。
松平健、コロッケ、久本雅美、檀れい etc. 出演の笑いあり!涙あり!なんでもあり!な、エンターテインメント時代劇。
ツケの音で幕開き、舞台は江戸の街、刀を持った男たちが!そこへ颯爽と登場したのが、松平健、お殿様の出立で!流れる音楽は、これしかない!時代劇ファンなら「待ってました!」の瞬間、時代劇専門チャンネルでは繰り返し放映されている、あのお馴染みの時代劇のテーマ曲のイントロでもう気分はアップ。
お決まりの刀の音が響く、決めポーズ、決め台詞も、お馴染み。そして場面変わり、亀井御門守(松平健)、街の居酒屋、庶民の憩いの場、そこへ裏長屋に住む傘屋の万吉(コロッケ)がやってきてちょっとしたきっかけで喧嘩。
どちらも意地っ張りで譲らない。そうこうしてるうちに、なんとお互いの立場を入れ替わることに?!つまり、お殿様は長谷で傘職人に、傘職人はお殿様に。負けたら…罰ゲームみたいなことを。これが「もう、ぜひやって欲しい」という内容なので。それから賑やかなオープニング。
その後、お城のシーン、勢いで変な約束をしてしまった亀井御門守、「どうしたらいい?」と悩むも後の祭。ことの次第を奥方であるお琴の方(檀れい)説明しづらい(笑)、まさに「やっちまった」感のあるお殿様、亀井御門守。殿様の奥方であるお琴の方(檀れい)は「町人になってみたかった」と怒るどころかテンションアップ。それぞれの立場を変えてのいわゆる『根比べ』が始まって…が大体の流れ。
万吉の女房・お玉(久本雅美)、綺麗で裾を引きずるような着物に気分はアゲアゲになるも、着慣れていないので挙動が(笑)。お城暮らし、贅沢三昧ができるとばかりに張り切る万吉(コロッケ)。質素だが、夫婦だけの暮らしを楽しむお琴の方。小ネタ満載で客席からは頻繁に笑いが起こる。もちろん、「これはやってもらいたい」というのはちゃんと!コロッケのモノマネショー、「時代劇じゃなかったの?」という野暮なツッコミは無しで(笑)、モノマネに挑戦する松平健&檀れい、息もぴったりなモノマネ掛け合い。
お城ライフは贅沢、何不自由ない生活、だが…人間は贅沢、飽きる…お玉はひょんなことからイケてる浪人に出会う。この浪人は、なんと御門守の息子で今は勘当され浪人となっている秀宗(荒木宏文)、お玉は一目惚れ、「ヤバい!」。お玉は「ヒデ様」一筋、この妄想ぶりが激しく笑いが起こる。そんなこんな、一方、本物の”奥様”お琴の方、長屋ライフもすっかり板についたが何か秘密を抱えている様子。一方の本物のお殿様の亀井御門守も傘職人が楽しくなって新しい傘を発明したり(折り畳み傘!)。オチはもうわかってしまうが、笑いの絶えない客席、そして見どころは、それぞれの”芝居”。松平健は、座長芝居が長いので、存在感が!立ち回り、佇まい、そして笑いもしっかりとる。奥方演じる檀れいは宝塚歌劇団出身で月組トップ娘役と星組トップ娘役を歴任、着物の所作もさすが、劇中で歌も披露、ソプラノを響かせるし、コロッケが軽妙な芝居とモノマネで客席の視線を独り占め、久本雅美はワハハ本舗特有の庶民的かつ親しみのある芝居とギャグでしっかりと笑いをとる。2幕の幕開きではお客様と掛け合いも。女中役の田島芽瑠は可愛らしさ全開、そして戸惑いながらもお玉に使える役どころをコミカルに、ヒーローもので注目され、2.5次元舞台では数々のイケメンキャラを演じてきた荒木宏文は、期待通りの!2幕冒頭での久本雅美とのデュエットでは、絵に描いたような王子様ぶりを(笑)。時代劇には欠かせない丹羽貞仁、真砂京之介など、実力派が脇を固める。いわゆる”世話もの”で、泣かせる場面も用意されており、明治座らしい、なんでもありの時代劇。
最後は、もちろん、これを観ないと帰れない!マツケンサンバ!テレビで観るのとでは全く違うので!舞台上の俳優陣、あのマツケンサンバが踊れるということで、もうノリノリ。客席もノリノリ、ペンライト持参の方はもちろん、振って!これは仕込むしかない!時節柄、スタンディングで踊れないが、気分だけは踊って!
公演は28日まで。
イントロダクション
物語は江戸を舞台に、殿様と傘職人という立場の違う二組の夫婦が入れ替わって巻き起こるドタバタ大騒動を軸に、 笑いあり!涙あり!なんでもあり!な、エンターテインメント時代劇をお贈りします。
負けず嫌いで意地っ張りな殿様・亀井御門守(松平健)と、裏長屋に住む傘屋の万吉(コロッケ)が大喧嘩。
お互い「できるものならやってみろ!」と、殿様は傘屋、傘屋は殿様と入れ替わることに。 そんな中、万吉の女房・お玉(久本雅美)は、御門守の息子で今は勘当され浪人となっている秀宗(荒木宏文)に一目ぼれ!?
奥方付きの女中・おはる(田島芽瑠)は振り回されながらも一生懸命、お玉の世話をするが……。
一方、早々に長屋の住人と打ち解けた殿様の奥方であるお琴の方(檀れい)には、誰にも言えない秘密があって――。
概要
明治座創業150周年 前月祭『大逆転!大江戸桜誉賑』
脚本・演出:細川 徹
出演:松平 健 コロッケ 久本雅美 檀 れい
荒木宏文 / 田島芽瑠 / 丹羽貞仁 真砂京之介 / 上川周作
山崎銀之丞 / 梅垣義明 他
公演日程:2023年3月4日(土)~3月28日(火). 12:00/17:00