「テイルズ オブ ザ ステージ ‒ローレライの力を継ぐ者-EMOTIONAL ACT at Zeppダイバーシティ東京」己の生きる意味と尊厳と

(株)バンダイナムコエンターテインメント 人気RPG『テイルズ オブ』シリーズ 舞台化作品「テイルズ オブ ザ ス テージ –ローレライ 力を継ぐ者- EMOTIONAL ACT」が8月22日、開幕した。 6月横浜アリーナ公演より脚本・演出等を変えている。
今回は、前作の主人公ルークと瓜二つな青年アッシュに焦点を当てた「ジアビス」のもう一つの物語。
舞台が始まる前の前説はノワール(花奈 澪)らが担当し、観劇中の諸注意をアナウンス、それともう一つ、実は観客参加のシーンがあるので、そこでのペンライトの振り方などを練習するので、ここはしっかりと。そして最後に「漆黒の翼をなめんなよ!」で前説終了、そしてゲスト声優による影ナレーションが入るのだが、ここはあらすじナレーション。それからいよいよ“本編”となる。

 

この公演はストーリーに重点を置き、幼少期のアッシュ(田代 輝)も登場する。「大人になったらこの国を変えよう」と言う。ベースは『テイルズ オブ ジ アビス』(TALES OF THE ABYSS)、そしてアッシュとルークが軸となり、物語は進行する。少しずつ明かされる関係性や生い立ち、そして秘密。2人の関係、皆、己の存在意義、目的、生きる意味を模索する。

ローレライ教団の軍事組織、神託の盾(オラクル)騎士団の師団長のヴァン・グランツ(RYOJI)、己の信念や目的を貫くためには殺害も厭わず、一度捨てた手駒を後に再利用しようとする冷徹さもある。原作にもあるが、ルークは自らの正体を知り 、今までの自分から変わりたいと決意し、長髪だった髪を切る。そこからルークは変わっていく。「人のために強くなれる」「俺は代用品じゃない」など、心に刺さるセリフも多くちりばめられており、原作を知らなくてもその壮大な叙事詩に引き込まれる。

ラスト近く、アッシュとルークは刀を交える。己の尊厳、自己肯定、己の生きる意味、物語のテーマは深く、重い。またオリジナル脚本なので、人物背景や感情など、そういったところも丁寧に描いている。ゲーム原作らしい映像演出、また激しい殺陣とアクション、こういったいわゆる『戦闘シーン』、映像と俳優の動きがシンクロし、迫力ある場面を創る。俳優陣、アンサンブル陣の高い身体能力でアクロバット的な動きも魅せる。また、シリアスな場面ばかりではなく、コミカルな場面もあり、ステージンングもスピーディ、メリハリもよく効いていて観やすい。ヒップホップをベースにした群舞もあり、エンターテイメント性も高く、“本編”自体は約2時間の1幕物、大人から子供まで楽しめる。客席通路も頻繁に使用し、ペンライトで参加できる場面もあるので、ここでは大いに参加したい(合図もあるので注意!)。最後はどうなったのか?それは劇場で!

 

本編終了後はトーク&抽選会も。開演前に登場するゲスト声優が公演の感想などのトークをしたり、また質問コーナーも。

<ストーリー>
六神将―――
黒獅子ラルゴ、死神ディスト、妖獣のアリエッタ、魔弾のリグレット、烈風のシンク、そして鮮血のアッシュ。
ローレライ教団の軍事組織、神託の盾(オラクル)騎士団の師団長たちの異名である。
いずれも一騎当千の猛者で、彼らを指揮するヴァン・グランツ総長に絶対的な忠誠を誓っている……と、言われている。
しかし、その実態は違った。
彼らはヴァンの〝理想〟に共鳴したもの、己の目的のために近づいたもの、ヴァンに恩義があるもの、と、ヴァンと共に行動するその理由はバラバラだった。「過去は忘れた」、口癖のように言うアッシュ。
寡黙で容赦のない剣を振るう彼は、味方からも恐れられている。
幼少期、ヴァンに救われて剣を習ったといい、その関係は親子、そして師弟のように強固だ。
誰もが、いずれはヴァンの後継者としてアッシュが総長に就任するだろうと思っていた。我が声に耳を傾けよ……
聞こえるか、私と同じ存在よ……
我が名は―――
またいつもと同じ夢を見て飛び起きたアッシュは、窓からダアトの街を眺める。
キムラスカ・ランバルディア王国とマルクト帝国の戦争が近づくなか、
民衆はローレライ教団の預言(スコア)に縋って暮らしていた。
新しい任務が下り、アッシュは身支度を整えて外に出た。
十字路まで来て立ち止まる。
どの道で行くか…。
この道のずっと先に待つ者が、彼の人生を大きく変えることになる。
真っ直ぐ行っても、左右どちらかに折れても―――

必ず出会う、その存在に。

 

人気RPG『テイルズ オブ』シリーズ 舞台「テイルズ オブ ザ ステージ -ローレライの力を継ぐ者-LIVE&THEATER at 横浜アリーナ」白熱のステージレポート

【イベント開催概要】

イベント名:テイルズ オブ ザ ステージ –ローレライの力を継ぐ者- EMOTIONAL ACT
公式サイト: https://to-stage.tales-ch.jp/
開催日時
東京:2018年8月22日(水)~26日(日) ※全7公演
8月22日公演 開演19:00
8月23日公演 開演19:00
8月24日公演 開演19:00
8月25日公演 1.開演13:00 2.開演18:00
8月26日公演 2.開演13:00 2.開演18:00

大阪:2018年9月8日(土)・9日(日) ※全3公演
9月8日公演 開演18:00
9月9日公演 1.開演13:00 2.開演18:00

※開催時間は予告なく変更になる場合がございますので、 予めご了承ください。
※詳細は決定次第、 公式サイトで発表いたします。

開催場所
東京:Zepp ダイバーシティ東京
大阪:Zepp なんば大阪
出演者:
新井 雄也        (アッシュ役)
岩城 滉太        (ルーク・フォン・ファブレ役)
朝倉 ふゆな       (ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア役)
星波(ザ・フーパーズ) (ティア・グランツ役)
RYOJI (ヴァン・グランツ役)
高橋 紗妃  (シンク役/イオン役)
齊藤 恕茉  (リグレット役)
岡本 麻海     (アリエッタ役)
笠原 織人(STARBOYS) (ディスト役)
森山 栄治 (ラルゴ役)
高橋 駿一        (ジェイド・カーティス役)
甲斐 千尋 (アニス・タトリン役)
川村 玲央 (ガイ・セシル役)
花奈 澪 (ノワール役)
内田 健介 (モース役)
田代 輝      (少年アッシュ役)

ダンサー:
MAEDA、 Fumiya、 飯塚 大夢、 田邉 浩仁、 中島 祐太、 松野 咲紀、 深瀬 友梨、 西村 実佳

※敬称略・順不同 ※出演者は予告なく変更になる場合がございます。

©藤島康介 ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

文:Hiromi Koh