Daiwa House presentsミュージカル『生きる』が2023年、再々演の幕が開く。
原作は1952年に公開された日本映画、監督は黒澤明、主演は志村喬。2005年発表の「史上最高の映画100本」にも選出されている名作。ミュージカルは初演は2019年、再演はコロナ禍真っ只中の2020年、それを経ての再再演となる。
ゲネプロに先駆けて会見が行われた。登壇したのは、市村正親 & 鹿賀丈史、そして演出の宮本亞門。
「仕上がりは?」と聞かれて市村正親は開口一番、「わかんない(笑)」と。演出の宮本亞門は「本当に素晴らしくって新たなキャストも加わってよくなっています」と語る。市村正親は「そこまでできてるかな?出来上がっているのかわからない。演出家は客観的に見てますが…毎回必死に残りの人生を生きる話だから、とにかく1回1回を懸命に『生きる』のみ」と語り、鹿賀丈史は「創作ミュージカルで再々演が第一にうれしい。演出が細部に渡ってて中身が濃い、掘り下げた作品になっています」と手応えを。
そして「伝えたいテーマは?」の質問に対して宮本亞門は「初演、再演、再再演、時代が変わっている、次にどう生きようか、力強い…(今は)いろんなことが起きる時代です」と語ったが、初演時と現在とは世界情勢も国内状況も変わった。それに合わせて考えることが異なるはず。しかし、『生きる』ことは変わらない。
主人公の渡辺勘治の年齢設定だが、実は60歳。「74なんです、僕にとっては若い役」と市村正親。ただ、この当時の60歳と現代の60歳、雰囲気などかなり違う。ミュージカルなので踊るナンバーは随所にあるが、当然のことながら渡辺勘治は踊らない。「心の中では踊っています、ビッグナンバーも3つ持っていますから」と市村正親。また、鹿賀丈史は「どう生きていけばいいのか、考える時代になった」とコメント。市村正親は「新たな勘治の生き様を」と語るが、初演から5年が経過、掘り下げれば、掘り下げるほどに新しい発見がありそう。それは観てる側も同じ。鹿賀丈史は「5年前の写真を観たんですが、若い…歳とったなと…逆に今がちょうどいいかな…70過ぎてますが(ここで市村正親が「いい感じ!(勘治に引っ掛けて)」)
また、Wキャストならではのそれぞれのことについて主人公の渡辺勘治をダブルキャストにて務める市村と鹿賀。市村正親は、鹿賀丈史について「丈史はね、理想の上司って感じ。市民課の課長というよりは、市民課の重役みたいな雰囲気があって、課長じゃないなと」と。それを受けて鹿賀丈史は「ミスキャストみたいな言い方」と市村発言にツッコミ。しかし市村正親は動じず「僕はほんとに課長って感じで、いい感じ(勘治に引っ掛けて)だと思います」ともはや、お馴染みギャグ。
最後に公演アピール。
宮本亞門「ガツンと心に響く、華やかなシーンもありますが、本気で『生きる』ことに一点集中。勇気とヒントを与えられる作品、全然悲しくない、希望しかない話、ぜひお待ちしております」
鹿賀丈史「再再演を意識して。お待ちしてます」
市村正親「黒澤明が作った『生きる』観ないと生きたことにはなりません。BWのジェイソン・ハウランド作曲、名優2人が出ています…観においで、待ってるよ(笑)」
<小田切とよ役:高野菜々インタビュー記事>
概要
日程・会場:
東京:2023年9月7日(木)~24日(日) 新国立劇場 中劇場
大阪:2023年9月29日(金)~10月1日(日) 梅田芸術劇場メインホール
キャスト
渡辺勘治(ダブルキャスト) 市村正親 /鹿賀丈史
渡辺光男 村井良大
小説家(ダブルキャスト) 平方元基/上原理生
小田切とよ 高野菜々(音楽座ミュージカル)
渡辺一枝 実咲凜音
組長 福井晶一
助役 鶴見辰吾
佐藤誓
重田千穂子
田村良太
治田敦、内田紳一郎、鎌田誠樹、齋藤桐人、高木裕和、松原剛志、森山大輔 あべこ、彩橋みゆ、飯野めぐみ、五十嵐可絵、河合篤子、隼海惺、原広実、森加織
齋藤信吾*、大倉杏菜* スウィング*
安立悠佑 高橋勝典
スタッフ
原作:黒澤明監督作品 「生きる」(脚本:黒澤明 橋本忍 小國英雄)
作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド 脚本&歌詞:高橋知伽江 演出:宮本亞門
美術:二村周作、照明:佐藤啓、音響:山本浩一、衣装:宮本まさ江、 ヘアメイク:小沼みどり、映像:上田大樹、振付:宮本亞門 前田清実、 音楽監督補:鎭守めぐみ、指揮:森亮平、歌唱指導 板垣辰治、 稽古ピアノ兼音楽監督補助手:村井一帆、稽古ピアノ:安藤菜々子、 演出助手:伴 眞里子、舞台監督:加藤高
主催:ホリプロ TBS 東宝 WOWOW
後援:TBS ラジオ
特別協賛:大和ハウス工業
企画協力:黒澤プロダクション
企画制作:ホリプロ
公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/ikiru2023/