駐日スペイン大使館の後援を受けて ハビエル アラ サウコの来日が実現。
2022 年に勅使川原三郎が、イタリアの ヴェネツィア ビエンナーレのプロジェクトのワークショップで出会った後、 勅使川原三郎の創作に多数参加。
今回の滞在中は、勅使川原三郎と佐東利穂子のもと、アパラタスで1ヶ月間学び、アップデイトダンスに参加。
全編ワルツ尽くし、音楽とダンスの無限宇宙。
―「ワルツ」はどの様な作品なのでしょうか?
勅使川原三郎:ワルツはみなさんご存知三拍子の音楽です。作品が最初から最後までずっと何曲も何曲もワルツ、すべてがワルツで、踊り尽くす作品です。 ワルツは、三拍子といっても様々なタイプがあり、ウィンナーワルツからショスタコーヴィチのワルツから あるいはジャズっぽいワルツから、ちょっとメランコリックなワルツ、スローテンポのワルツ、ピアノのワ ルツ、ショパンの有名なワルツ。 そして沈黙のワルツというのもあります。体だけでテンポリズムを刻む、テンポが変わりながらリズムも変 化する、より内的なワルツもある。 いつ始まったか終わりか分からない、どこまで行くかわからない深淵に向かって旅立っていくようなワル ツ、そして急加速して自分たちの存在さえも消えてしまうようなワルツもあるかもしれません。
―「ワルツ」ではどの様なダンスになるのでしょうか?
佐東利穂子:前もって考えてこういう風に踊ろうというのとは違いますね。 ワルツには勿論いろいろなワルツがあります。 そしてたとえ知っている音楽であったとしても、ワルツに私が感じとること は、独特の生命のような力があるということです。それによって自分の身体 が突き動かされるという感覚が強くあります。 そもそも音楽自体がそういう力を持っていると思いますが、ワルツの場合 は、特にそれがリズムとなってとめどもなく湧き出てきます。
―出演者について教えてください。
勅使川原:私はもちろん出演しますが、佐東利穂子の独特の身体の使い方を より駆使した、音楽的な、ある意味で新たな出発としてのワルツが、そこか ら生まれると思います。 その理由の一つが、ハビエルアラサウコというスペインの若いダンサーが参加することです。彼はゲストというよりは、私たちのカンパニーの一員のようになっています。 あるヨーロッパのワークショップに彼は参加していました。 この若い男性はとても素直で見込みがある、どこまでもそんな気持ちを持っている。 それは私が最もダンサーに求めることですが、彼はそれを体現します。 そして彼はピアノを弾くのですが、ピアニストであるように音楽の理解も深い。
まさに3人による三拍子のワルツ、どこまでも踊り続けるワルツ。 自分の姿は消えてなくなるぐらいまで踊り続けるワルツを、公演したいと思っています。 どうぞ皆さんご来場ください。とても新鮮な体験になると思います。
心踊る3拍子 身体が弾け 喜び 葛藤し 激しく 終わりがない
溢れるダンス 流れを止めず 踊りつづける 湧き立つリズム
危機を生きる我々 世界は心と音楽が支配する 奴らじゃない
利穂子、ハビエル、サブローの3人の3拍子 勅使川原三郎
概要
公演名:アップデイトダンス No.99「ワルツ」アパラタス版
日程・会場:2023年10月20日(金)〜10月29日(日)カラス アパラタ/ B2 ホール
演出/照明 勅使川原三郎 出演 佐東利穂子、ハビエル アラ サウコ、勅使川原三郎
主催:有限会社カラス
企画制作:KARAS
初演製作:愛知県芸術劇場
後援:駐日スペイン大使館