バレエ『くるみ割り人形』は2017年に初演。ウエイン・イーグリングによる華麗でスピーディーな振付、上品で華やかな美術や衣裳によって、古典名作の新境地を開いた人気演目。「少女の夢」をテーマに、恋心を抱いた青年との冒険を通して大人への入り口を踏み入れていくクララの成長を描く。再演を重ね磨き上げられた舞台とされている。新国立劇場の冬の風物詩『くるみ割り人形』。クリスマス、年越し、お正月に新国立劇場が贈るステージだ。
3分でわかる!バレエ『くるみ割り人形』
バレエ『くるみ割り人形』は、バレエ初心者からバレエ・ファンにも至福の時を過ごせ、幸せで温かな気持ちになる作品。雪の場面や花のワルツでは“新国立劇場バレエ団”の美しいコール・ド・バレエも見どころ、そして、2幕でのディヴェルティスマンなどではソリスト陣の多彩な踊りを堪能できます。
聞き所は、人類史最高のメロディーメイカー チャイコフスキーの名曲の数々。「花のワルツ」をはじめ「行進曲」「こんぺい糖の精の踊り」など。チャイコフスキー三大バレエのなかでもひときわ美しく親しみやすい音楽で楽しい!新国立劇場へ直結駅「初台駅」でも、12月1日~2024 年1月8日の期間、『くるみ割り人形』より「行進曲」が 列車接近メロディーでお出迎えしてくれる。そのアレンジは新国立劇場ダンス公演『サーカス』『NINJA』音楽の川瀬浩介が編曲した特別アレンジ版で1 ,2番線で別編曲。また、クリスマス・年越し・お正月シーズン、劇場はツリーなどが飾られるとのこと。来場者全員へのプレゼント企画も予定。ホリデーシーズンの思いでのひと時を過ごせそう。
ストーリー
クリスマス・イブ。クララの家ではパーティーの準備で忙しく、外では凍った運河の上で人々がスケート を楽しんでいる。謎めいたドロッセルマイヤーと、士官学校を卒業したばかりの彼の甥が到着する。ドロ ッセルマイヤーは招待客に手品を披露し、クララの姉のルイーズとルイーズを慕う3人の男性が踊りだ す。ドロッセルマイヤーがクララに贈ったくるみ割り人形(以下、人形)をフリッツが壊してしまうが、 ドロッセルマイヤーは魔法のように人形を元通りに直す。パーティーが終わり、クララが眠りにつくと、 夢の中で人形は邪悪なねずみの王様に攻撃される。ねずみの王様がねずみたちを引き連れて現れると人 形も勇敢な兵士に変身し、ねずみたちとの戦いに挑む。ねずみの軍隊が勝利し、人形は傷を負ってしま う。ドロッセルマイヤーがその場を収め、クララは人形から姿を変えた甥と二人ロマンティックなパ・ ド・ドゥを踊る。しかし雪が降り始めるなか、ねずみの王様は甥を人形の姿に戻してしまう。居間が魔法 にかかり、光り輝く雪片が降る白銀世界に変わっていく。ねずみの王様たちに追われるクララと人形は、 ドロッセルマイヤーに救われて、魔法の地へと気球に乗って運ばれていく。一方でねずみの王様は一計 を案じる。
魔法の地に到着した。甥はねずみの王様を打ち負かして、壮大な祝祭が始まる。中国、アラビア、ロシア、 スペインなど世界中のダンサーたちが様々な踊りを見せる。ドロッセルマイヤーの魔法で美しい庭が現 れ、その中でダンサーたちが花のワルツを踊る。最後にクララはこんぺい糖の精となり、王子になった甥 とともに美しいパ・ド・ドゥを踊る。 クララは突然、寝室で目覚めた自分に驚く。フリッツとクララは外に出て、雪の中でドロッセルマイヤー とその甥に手を振って別れを告げる。子供たちは不思議な思いに包まれて二人を見送る。
概要
2023/2024 シーズン
新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」
The Nutcracker and the Mouse King
日程・会場:2023年12月22日〜2024年1月8日 新国立劇場 オペラパレス
芸術監督:吉田 都
振付:ウエイン・イーグリング
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
美術:川口直次
衣裳:前田文子
照明:沢田祐二
指揮:冨田実里 ほか
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京少年少女合唱隊
出演:新国立劇場バレエ団
公式WEBサイト:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/
新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』撮影:瀬戸秀美