来年39年目を迎えるミュージカル『アニー』の孤児役合格者発表が都内で行われた。
1924年からアメリカで新聞連載がスタートした漫画「ザ・リトル・オーファン・アニー(小さい孤児アニー)」をもとに、1977年にブロードウェイのアルヴィン劇場(現ニール・サイモン劇場)で誕生したミュージカル。同年のトニー賞において、作品賞をはじめ7部門を受賞し、現在も世界各国で上演され続けている名作。日本公演は、1986年、日本テレビが主催で上演をスタートして以来、今までに全国で約191万人もの人たちに心温まる深い感動を与え続けている国民的ミュージカル。1986年の初演~2023年まで過去38年間で、72名の“アニー”が誕生している(※1986~2023年まで2年連続出演したアニー役が4名)。
都内で合格発表が行われた。年長から中学3年生の子どもが応募条件。動画や書類審査を合格したのは約250人。そこから選ばれる、狭き門。
最初に主催の日本テレビの澤桂一執行役員より挨拶、「皆さん、お疲れ様です」と労を労った。それから長年スポンサーを務めている丸美屋食品取締役の杉山典由から子供たちへのメッセージ「合格した子にはお稽古が待ってます、全国のアニーファンが楽しみにしています」と挨拶。合格したら、ステージが待っている、だが、観客を楽しませる、笑顔にする責務もある。皆、神妙な面持ち。それから、演出の山田和也が挨拶、しばらくコロナ禍だったので従来通りの選考ができなかったが、今回は久しぶりの対面審査。「対面でやれた…対面で伝わってくること、対面だからやれること」と語り、「劇場で生で観れることの素晴らしさを、来年皆さんを生で観れる」とコロナ禍が落ち着いてきた今年ならではの発言。
それから、合格者の名前が呼ばれるのだが、皆「お祈りポーズ」両手を握りしめて名前が呼ばれるのを待つ。名前が呼ばれて、びっくりする子、泣き出す子、一瞬呆然とする子、様々、手を取り合って喜ぶ姿も。そして全員でミュージカル『アニー』の名曲『トゥモロー』、泣きながら歌う子、笑顔で歌う子、全身全霊で歌う子供達、本当の『トゥモロー』、”いいことがある”と歌う。後ろにいる保護者さんたちももらい泣き。そのあとは惜しくも落ちてしまった子が部屋から退出、合格した子供達は、お決まりの撮影会。短い時間に繰り広げられる”ドラマ”。最初はちょっと緊張気味だったが、だんだん慣れてきて、楽しそうに撮影の注文に応じる。主催の日本テレビの澤桂一執行役員や丸美屋食品の杉山典由取締役とも記念撮影。
そのあとは会見、人生初!岡田悠李さんは決まった瞬間、手で顔を覆った。絢田祐生さんは喜びを爆発させ、大きな笑顔。決まった気持ちを聞かれて岡田悠李さんは「心臓がものすごいドキドキして爆発しそう」と興奮気味に。絢田祐生さんは「(先に発表された孤児役に)友達が受かって、『次、私かもしれないけど、受からないかもしれない』とずっとブルブルと気持ちが回っていたけど、めっちゃうれしいです、よかった」と笑顔で振り返った。
どんなアニーを演じたいか?という質問「元気ですごく明るく、泣き顔を見せないポジティブなアニーを」と岡田悠李さん。絢田祐生さんは「なんでもいいことに変える、ポジティブなアニー、(みんなを)笑顔にさせるアニーに」とコメント。山田和也は選考については「アニーが向こうからやってきた感じ…『あ、いたいた!』と。2人ともとてもポジティブ、決め手だった」と評した。また「自分とアニーと似ているところは?」の問いかけに岡田悠李さんは「アニーは悲しいことを心で受け止めて(表に)出さない子。私も寂しくても周りを心配させたくないので表に出さない」と言い、絢田祐生さんは「いろんなことをいいことに変えるところかな?」と。またアピールポイントを聞かれて「毎日少しずつ顔の表現を1ミリ変えていくので、そこを見つけていただけたらうれしいです」と岡田悠李さん。「”ドヤ顔”をしたい」と絢田祐生さん(笑)。ちなみに岡田悠李さんはオーデション挑戦は2回目、2013年生まれの10歳、東京都出身、絢田祐生さんは3回目、2012年生まれの10歳、神奈川県出身。キャリアは岡田悠李さんは2023年にミュージカル『ジェーン・エア』でヤング・ジェーンとアデール役を、絢田祐生さんは2021年にミュージカル『レ・ミゼラブル』でリトルコゼットとリトルエポニーヌを演じている。
公演は2024年春、なお、ダンスキッズ役オーディションは11月に開催予定。アニー公式HPにて発表される。
ストーリー
米オリジナル作品 トニー賞7部門受賞“ 世界中の人々の心をとらえる「愛」の物語 ”
舞台は 1933年、世界大恐慌直後の真冬のNY。街は仕事も住む場所もない人であふれ、誰もが希望を失っていました。そんな中、どんな時も夢と希望を忘れないひとりの少女がいました。11 歳の赤毛の女の子、アニーです。11 年前に孤児院の前に捨てられていたアニーは、いつか本当の両親が迎えに来ると信じて暮らしています。
ある日、なかなか迎えに来ない両親を自分から探しに行こうと、院長のミス・ハニガンに見つからないよう、こっそり孤児院を脱け出しますが、すぐに警官に捕まって連れ戻されてしまいます。ふとしたきっかけで、大富豪オリバー・ウォーバックスの秘書グレースと出会ったアニーは、ウォーバックスの自宅で休暇を過ごすことになります。
前向きなアニーに魅かれたウォーバックスは、養女にしたいと考えますが、彼女は本当の両親のことが忘れられません。けなげなアニーの気持ちに心打たれたウォーバックスは、懸賞金をかけてアニーの両親を探そうとするのですが、お金を目当てに大勢の人々が自分こそアニーの親だと名乗りをあげ、なかにはルースターとリリーという悪巧みをしている人物もいて・・・。 はたして、アニーは本当の両親を探し出すことができるのでしょうか?
概要
丸美屋食品ミュージカル『アニー』
日程・会場:2024年4月〜5月 新国立劇場・中劇場
脚本:トーマス・ミーハン
作詞:チャールズ・ストラウス
作曲:マーティン・チャーニン
演出:山田和也
音楽監督:小澤時史
振付・ステージング:広崎うらん