『混頓』シリーズは新作コントの2本立てとなる。ナビゲーターは第一弾に引き続き津田健次郎。好評だった第一弾、続いて第二弾となる。
シアターマーキュリー新宿、新しい小劇場で座席数は130。没入感が感じられるブラックボックス空間で配信設備もある劇場だ。地下鉄の新宿3丁目改札(3線)からも近い、いかにも副都心らしい利便性と設備を備えている。ここで、新作コント、前説は津田健次郎(声のみ)最初は映像で、それから始まる。
『姉妹と男たち』、椅子にテーブル、1人の女性(堀田茜)が本を読んでいる。蝶ネクタイ姿でエプロン、コーヒーを運んでくる男性(神谷圭介)、喫茶店の店内。美味しいコーヒーを淹れているにも関わらず、客が来ない。
「店を閉めようと思う」女性客「私がなんとかするよ!」自称”あらゆるコンサルをしている”。そして「私たち、結婚しよう!」いきなりの展開、場面変わってどこかのオフィス。女性(樋口日奈)が辞めると言い出す。
上司らしき男性(納谷健)は驚く。そしてこの2人も…。実はここに登場する女性は姉妹。
「3ヶ月後」「3日後」と映像で経過時間が表示される。2組のカップル、しかも女性は姉妹、しかも妹の彼は姉の元カレ、この不思議で奇妙な4人の関係、思わぬ展開が起こるのだが、これが意表をつき、しかも客席から笑いも起こる。
言葉の端々にちょっとしたクスッと笑えるフレーズが差し込まれる。面白すぎる姉妹だが、結束は固く、また、この姉妹と繋がったおかげで出会った男性2人、この姉妹と出会ったおかげで運命も変わる。
なんということも起きないが、コントなので、気楽に笑って観れる。休憩の代わりにちょっとした日替わりコント(ゲネプロでは美容院のシーン、これも面白くて見入ってしまうので)を挟み込む。
次のコント『占いの館で』。いかにも、な占い師の男性(神谷圭介)、女性客、彼女の名前は三浦マリコ(堀田茜)、「人の役に立ちたい」とばかりに仕事を辞めて占い師になる決意をする。
「占いの館コマリ」、マリコの字を入れ替え、そして「困っている人を助けたい」という想いでつけた名前。イマドキなのでアカウントも作った。だが…客は来ない。
チラシを配ってみるものの…。泣き出すマリコ、そこへ1人の男性(納谷健)が通りかかる。泣いているマリコを見て心配する。
この2人のやりとり、客席から笑いが。チラシを押し付ける(笑)。そして路上で占いをすることにしたマリコだが、よりによって(笑)。
そこへ物件を紹介してくれた女性(樋口日奈)が来てくれた。さらに!心配してくれた男性も!
この男性、名前が「Keri」。なぜ、「Keri」なのか、歌いながら(笑)、そこは劇場で!
コントなので難しいことは考えないで気楽に笑って観てればOK。登場するキャラクターは市井の人々、なんの変哲もない普通な感じ、結局、なんだかなんだ大したことは起こらないが、どこか温かい。濃密で俳優陣の息遣いも感じられる劇場、公演は17日まで。
概要
『混頓 vol.2』
12月15日(金)〜12月17日(日) シアターマーキュリー新宿
演目
『占いの館で』
脚本:秋山寛貴(ハナコ) 演出:小村昌士(AOIbiotope)
それまでの職をやめ、占い師として食べていこうと一念発起した三浦マリコ。 様々な準備を経て「占いの館コマリ」の営業初日を迎えていた。
『姉妹と男たち』
脚本・演出:上野友之(劇団競泳水着)
仲の良い姉と妹がいる。
二人の結束は固かった。 しかし、まもなく結婚する妹には、気がかりなことがあった。 結婚する相手の男は、姉の元カレなのだ。 そして最近なにか隠しているらしい姉は、どこかよそよそしい。 各々の秘密と思惑は、ある日限界を迎えて……。
出演
堀田茜、樋口日奈、納谷健、神谷圭介(テニスコート・画餅) 混頓ナビゲーター:津田健次郎(アナウンス出演) 日替わりコント:定点計画
配信
12月17日(日) 17:00 公演 生配信 ※1週間のアーカイブ付(アーカイブ視聴期限:12 月 24日(日) 23:59 まで)
公演公式 HP: https://aoistage.com/conton2/
公演公式 X(旧 Twitter): https://twitter.com/aoi_conton
主催/企画・製作:AOI Pro.