内博貴, 松本幸大, 萬田久子, 片岡鶴太郎etc.出演 太宰治の『お伽草紙』より 舞台版「舌切雀」上演中

太宰治 原作『お伽草紙』より 舞台版「舌切雀」が上演中だ。

文豪 太宰治は、日本の国難打開向けて奮闘する人々の心を癒すために、昔から語り継がれてきた「昔ばなし」に着目し、戦禍の中で書き上げた作品『お伽草子』には、『瘤取り』、『浦島さん』、『カチカチ山』、『舌切雀』が収められおり、とりわけ『舌切雀』においては、太宰自身の歩んできた生き様や新しい時代のエッセンスも織り交ぜながら、夫婦の心の中に秘められた愛情を描いている。本作では、太宰治の『舌切雀』をもとに、映像や音楽などともに物語を舞台作品として披露。”昔ばなし”ならではの「日本人の心の原風景」、「親から子へ、子から孫へ」受け継がれ伝えられ続ける人々の絆の大切さも表現した舞台劇として紹介。
本作の出演は、舞台・ミュージカル・音楽劇など様々な役を演じ人気を誇る内博貴が、『お伽草子』の作者・太宰治役を務め、そして、舞台版『舌切雀』のお話に登場する藤原一郎太役には、松本幸大。一郎太の妻めぐみ役に吉川友。一郎太の弟藤原仁一郎役は、”さくらしめじ”の田中雅功と髙田彪我が日替わりのWキャストで登場。菅原りこ、辻󠄀本祐樹、黒田こらん、 門戸竜二ら、実力派俳優陣も出演し、舞台を彩る。
さらに、本作のテーマ曲を圧倒的な歌唱力と表現力を誇る歌手の島津亜矢が歌いあげる。なお、後日販売されるダウンロード配信の売り上げの一部を被災者支援のために寄付することも決まっている。

1人の男が登場、彼は太宰治(内博貴)、『舌切り雀』戦時中に執筆、爆音、「先生、大変です!いますぐ、ここを引き払って防空壕に行きましょう」だが、慌てず騒がずに執筆する、「どんなことをしても書き残さなければならない」と太宰治。作品タイトル、それから戦時中の映像、多くの爆弾が投下される映像が流れる。
場面は変わり、現代。東京・三鷹。ここは太宰治ゆかりの地。1939(昭和14)年9月から1948(昭和23)年6月まで三鷹で暮らしていた。雀に餌をやる老人(片岡鶴太郎)、そこへ妻と思われる着物姿の年老いた女性(萬田久子)、「だめですよ」。公園では鳩や雀に餌やりは禁止事項。

ほのぼのとしたやりとり、仲のよさそうな老夫婦。映像で時計、くるくると回る。空襲で東京は激しく燃える。場面変わり、とある家のアトリエ。キャンバス、ただ、真っ白。悩む男、彼は藤原一郎太(松本幸大)、絵が描けないのか描かないのか、キャンバスを前に筆は進まない。

苛立ち、筆を投げたり。弟・仁一郎(田中雅功/髙田彪我Wキャスト)は兄に絵を描いて欲しいと思う。父である藤原当主の柿崎仁左衛門(門戸竜二)もこの状況をよく思っていない。その様子をみやびという名の雀の子(菅原りこ)がそっと見ていた。なぜか、一郎太とみやびは言葉が交わせるように。「あなたは炎を持ってる」とみやび。内なるエネルギー。

一郎太の妻であるめぐみ(吉川友)は夫がみやびと親しくしていることが面白くない。ついにみやびに手をかけてしまう。
一郎太をめぐる場面と太宰治が執筆する場面、そして現代の老夫婦の様子を交互に見せていく。太宰治が戦争中に夢中になって執筆、その物語をベースに舞台版は展開。現代の老夫婦、長い間連れ添った様子、特になんということもないが、お互いの愛情の深さがじんわりと伝わる。一郎太の苛立ち、だが、みやびと出会うことによって内なる変化が。悪人は1人もいないが、気持ちのすれ違いや思うようなことができずに苛立ったり。それでもなんだか、心優しくなれる。根底に流れる思いやりや愛、時代はうつろい、変化するが、変わらないものもある。

チームワークの良い座組み、原作でも太宰治版にも登場するが、いわゆる”雀のお宿”、ここでは「SUZUME’S OYADO」ブロードウェイ風味!

ここはエンタメ、楽しいダンスシーン。ここのお照雀のお宿主人・お照(黒田こらん)、きっぷのよさそうな。1幕もので上演時間はおよそ1時間40分ほど。最後の方でこの作品のテーマ曲がかかる、歌唱は島津亜矢、11日はご本人登場し、熱唱。

18日までヒューリックホール東京にて上演。

あらすじ
古くから伝わる日本の昔ばなし『舌切雀』。小説家・太宰治は、おじいさんとおばあさんのお話になっているが、実はこのお話には人間社会の愛情溢れる世界があったに違いない、と小説家らしく推察した。そして1945年、防空壕で書かれたお伽草子『舌切雀』を脱稿。彼は戦火の中で何が心を癒すことができるかを考え、素晴らしい昔話を書き上げた。

お話は、誰よりもおじいさんがおばあさんを愛した証拠なのだと語りだすところから始まる―
***
若きの日のおじいさんである藤原一郎太。身体か弱く、家にこもって歌を謡ったり、詩を吟じたりするだけで、疲れると寝てしまうダメ男。でも、彼の絵を描く才能を見出したのは、旧友但馬だった。脚光を浴びるものの、またもや生来の怠け癖が出て、自堕落な生活に身を落としていく。

一方、その弟・仁一郎は、働き者で、人もうらやむほどの人だった。親が亡くなり、兄の為に妻となる女性(めぐみ)まで見つけてきて世話をするほどだった。

仁一郎は名士となった。一郎太は、相変わらず呑気な日々を送っている。めぐみは、このままではいけないと、がみがみ言って再び、絵の才能を活かして欲しいと懇願するが・・・。

そんなある日、一郎太の前に一羽の雀が現れる。その雀は歌声が素晴らしく、その姿に魅了され、毎日、雀の傍に居て楽しんでいる一郎太に、めぐみは次第に嫉妬していき、たいそう悔しがるのだった。

ある日、予期せぬ事件が起こる。それが原因で、雀が一匹でいるところに、とうとうめぐみは雀の舌を切ってしまう。雀は声も立てられず、逃げ去ってしまった。居なくなった雀を探しに行く一郎太。毎日、毎日、山の竹藪を歩き回るのだった・・・。

概要
公演名:日本昔ばなし 太宰治作品 お伽草紙より 舞台版『舌切雀』
日程・会場:2024年2月9日(金)~2月18日(日) ヒューリックホール東京
原作:太宰 治 作品『お伽草紙』より「舌切雀」
作:モトイキ シゲキ
映像・演出:手代木 梓
出演:
太宰治:内 博貴
藤原一郎太(藤原家若衆):松本 幸大
めぐみ(一郎太の妻):吉川 友
藤原仁一郎(一郎太の弟) :田中 雅功(さくらしめじ)*Wキャスト
藤原仁一郎(一郎太の弟) :髙田 彪我(さくらしめじ)*Wキャスト
みやび(雀の子):菅原 りこ
鈴の介 :石井 智也
但馬俊(一郎太の旧友):辻󠄀本 祐樹
お照(雀のお宿主人/みやびの母親) :黒田 こらん
柿崎仁左衛門(藤原当主):門戸 竜二
おばあさん:萬田久子 〔特別出演〕
おじいさん:片岡鶴太郎 〔特別出演〕

テーマ曲 歌唱:島津 亜矢
主催: 舞台『日本昔ばなし』製作実行委員会(エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ/プロデュースNOTE)
後援: エフエム東京

問合:https://supportform.jp/event(平日10:00~17:00)

公式サイト: https://mukashi-banashi.jp/