飛び込み競技を題材にした小説『DIVE!!』(原作:森絵都)、2000年から2002年にかけて、講談社より全4巻が刊行され、第52回小学館児童出版文化賞受賞。2006年に角川文庫より文庫版(上・下)が発売され、2003年にNHK-FMの「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化、熊澤尚人監督で映画化、2008年6月公開。また、池野雅博作画で漫画化されたものが『週刊少年サンデー』2007年28号より2008年27号まで連載されていた。2017年より、紅柴るづる作画による新たな漫画版が『ヤングエース』2017年7月号から連載中。そしてこの9月にいよいよ舞台版の幕が上がる。飛び込み競技を演劇に、この挑戦的な作品の脚本・演出の伊勢直弘に原作の魅力や舞台化に当たっての見どころなどを簡単ではあるが、語っていただいた。
ーーすでに様々な部活系のコミックやアニメがございますが、この原作の魅力についてお願いいたします。
伊勢:一番魅力的に感じる部分は、「勝者となる人物の成長物語」だけではなく、「勝てなかった人たちの嫉妬や悔しさ」がしっかり描かれているところ。敗北感や挫折感、葛藤は、新しい挑戦への一歩に繋がる。誰もが一度は感じたことがある気持ちに改めて気付かせてくれる、とても共感できる作品です。
ーー舞台化に当たって、ですが、スポーツ、特にプールを使うスポーツの舞台化、表現はなかなか難しいことと思います。特にダイビングは、あの飛び込む瞬間がやはり醍醐味ではないかと思います。ネタバレにならない程度に、どのような表現を考えていらっしゃいますか?
伊勢:アナログな視覚効果で飛込みの様子を描きます。演劇の良いところは、お客さまが「補完」することで成立するところ。例えば「もうすぐ地球か…」というセリフひとつで、お客様が宇宙の景色を想像してシーンを作り上げてくれるのです。そんな演劇の長所を存分に活かして、視覚的にわかりやすく補完してもらえるよう表現します。
ーーキャストさんですが、なかなか良い座組かと思います。主演の納谷健さん始め、皆さん活躍されている方々が多いですね。お稽古に入っていらっしゃることと思います。今回の座組の良さをお願いいたします。
伊勢:取り組みが非常に前向きで、とてもやりやすいです。和やかに進みながらも集中力が高く、ON・OFFがはっきりしているのは、プロ意識の高さの表れだと思います。自分の意見は持ちつつ、演出オーダーに対する反応も早いので、毎日のブラッシュアップが楽しいです。
ーーお決まりの質問で恐縮です。公演PRをお願いいたします。
伊勢:若者たちの奮闘を丁寧に描き、飛込み競技の世界観も演劇だからこそできる、演劇でしかできない表現でお届けします。「DIVE!! The STAGE!!」、骨太な演劇を作ります。どうぞお楽しみに!
――ご協力ありがとうございました。公演を楽しみにしております。
【概要】
<東京公演>
日程:2018年9月20日(木)~30日(日)
場所:シアター1010<大阪公演>
日程:2018年10月6日(土)~7日(日)
場所:森ノ宮ピロティホール<キャスト>
納谷健 牧島輝 財木琢磨/杉江大志 高橋健介/名塚佳織 唐橋充
安達勇人 宮城紘大 瀬戸祐介 西野太盛/廣野凌大 大島涼花 藤岡沙也香 光宣
<スタッフ>原作:森絵都『DIVE!!』(角川文庫刊) 協力:アニメ「DIVE!!」製作委員会
脚本・演出:伊勢直弘
音楽:Yu(vague)
特別協力:ミズノ株式会社/
制作:Office ENDLESS/プロデューサー:下浦貴敬
主催:「DIVE!!」The STAGE!!製作委員会
Office ENDLESS/DMM pictures/サンライズプロモーション大阪
公式サイト:http://officeendless.com/sp/dive/
©「DIVE!!」The STAGE!! 製作委員会