1824年5月7日、ウィーン・ケルントナートーア劇場にて、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」が発表され、今年で200年、それを祝し、「第九」が完成に至るまでのエピソードを綴る<朗読>とオーケストラ&合唱による「第九」(抜粋)などの<演奏>が融合した、新感覚メモリアルコンサートを、2024年5月7日に東京オペラシティ コンサートホールにて開催。
<朗読>の出演は、ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェン役をミュージカルやクラシックなどで幅広く活躍する絶対音感の持ち主、田代万里生が務め、また、伯爵令嬢ジュリエッタには数々の名作ミュージカルに名を連ねる知念里奈<昼公演>とハロプロNo.1の歌唱力を誇る井上玲音(Juice=Juice)<夜公演>をWキャストで起用。そして、秘書シンドラー役に秋野太作、リヒノフスキー侯爵役に下村 青、ブロイニング家の夫人役に黒田こらん、弟子リース役に小笠原 海(超特急)を配役。さらに、ルードウィヒ・B・ベートーヴェンの母マリアと亡霊レオノール役には、真野響子が登場。
また、交響曲第9番 「合唱付き」(抜粋) 、歌劇「フィデリオ」序曲ほか、ベートーヴェン数々の名曲演奏を指揮するのは、国内外の数々の名門オーケストラを指揮し、2010年より兵庫芸術文化センター管弦楽団レジデント・コンダクターを務める岩村力。ソリストには国内外の一流オーケストラとの共演も多い中川郁文(ソプラノ)、林 眞暎(アルト)、吉田浩之(テノール)、大山大輔(バリトン)をラインナップ。グランドフィルハーモニック東京(管弦楽)とグランドフィルハーモニッククワイア(合唱)の煌びやかな響きとハーモニーで、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」の完成を祝す。
都内で会見が行われた。作品の説明の後、タイトルロールのルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンを演じる田代万里生から順番に挨拶。
田代万里生「今回お話をいただきまして、構成やプロットを読ませていただいたら、どんどんどんどんプロジェクトが本当に壮大なんだなと。ベートーヴェンに関しては、幼いときからベートーベンのピアノ弾いていたり、僕、音楽大学の入学の時もベートーヴェンを聴いてまして。2020年にベートーベンの生誕250周年のアニバーサリーイヤーの時に『Op.110ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』というストレートプレイでベートーヴェンの弟子で音楽家フェルディナント役で語り部として出演いたしました。そんなご縁もあり、2019年には実際に足を運んで、ベートーヴェンが実際に住んだおうちとか拝見し、彼が歩いた散歩道そして、最後のおうちにも足を運ぶことができました。ベートーヴェンは偉大な人、という印象ですが、実際に足を運んでみると、本当にこじんまりとした部屋…いろいろな音楽をかいていたんだなと思いを馳せてきました。第九に関しては大学生の時はもう毎年年末には必ず合唱、大学の仲間と一緒に。20代30代のときにはそれぞれ1回ずつテノールソリストとしても出演したことがありました。まさか、この歳になってベートーヴェンを演じるとは思いもしませんでした。素敵な脚本そしてオーケストラそして何より語り…第九かくまでの彼の人生を、皆様席にお届けできたらなと思っております。そしてベートーヴェンといえば、彼が活躍する前、クラシックの始まりというのは最初は宗教音楽、神様のための音楽、その後はモーツァルトが出てきて音楽は貴族のためにかかれて…そういう扱いだったのが、ベートーヴェンが初めて音楽は芸術だとはっきり強く意思を発信した方だなと思っております。今でこそね音楽は芸術っていうのは当たり前になっていますけれどもそういう哲学的なところも彼の音楽から感じます。あと、引越し、すごい散らかして引っ越してそのために引っ越すっていう方だったらしいので、ちょっと僕とは正反対…、そこはベートーベンになりきって部屋を散らかして臨みたい(笑)」
知念里奈「伯爵令嬢ジュリエッタを演じます。今、万里生くんの話を聞きながらそうなんだって思うこと多くて。10年前に音楽劇『ルードウィヒ・B ~ベートーヴェン 歓喜のうた~』に違う役(エレオノーレ・ブロイニング)で出演していて、それに知らないことがすごく多かったなって…今回は朗読劇という形で、皆様に1日限り、お贈りするのを嬉しく思っています。一緒にストーリーをしっかりお伝えしながら、素敵な1日を(ここで田代万里生が「ベートーヴェンのミュージカルが上演されたりして、今ミュージカル業界でも熱い」とコメント)。そういえばうちの夫(井上芳雄)が(ベートーヴェン役)やってました」
秋野太作「秘書シンドラー、実在の人で僕も知らなかったので、改めましていろいろ真面目に勉強しました。髪の毛だけはベートーベン(髪型に注目)。ベートーヴェンは耳が聞こえないけど。僕も最近、耳が聞こえない(田代万里生「僕じゃない方がいい?」と(笑))私も一生懸命やり遂げます」
下村青「リヒノフスキー侯爵を演じます。劇団四季出身なのでなるべく噛まないように頑張りたいと思います」
黒田こらん「ブロイニング家の夫人役をやらせていただきます。10年前に音楽劇『ルードウィヒ・B ~ベートーヴェン 歓喜のうた~』に参加させていただきまして知念さんと久しぶりにお会いして、変わってないのにびっくりしました。オペラのオーケストラと朗読、難しい、ドキドキします。豪華なので楽しんでいただける舞台だと思っております。本当はあの客席で観たいなって(笑)。本当にたくさんの方に見ていただきたいと思っております」
真野響子「どうも私のことを幽霊(ベートーヴェンの母マリアと亡霊レオノール役)にするのが好きみたいで(笑)2年前にエリザベス女王の役をいただいたときはシェイクスピアの話で、そのときも二役で、もう一つの役が幽霊。今回、すごく嬉しいのは、大先輩の秋野さんが今隣にいること。それと息子がいる役が久しぶりでそれも私にとってはもうベートーヴェン、めちゃくちゃかわいいです。母マリアはベートーヴェンが16歳の時に亡くなっています。享年40歳、私の実年齢を考えると恐ろしいんですけれども(笑)7歳のときから父の影響でずっと第九を聞いてます。それからベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」に出会い、このこの2曲は私の人生の友です。この歳になってこうやって(このお話が)私のところに来るのがすごい不思議。もっと嬉しいのは、自分たちの芝居が終わって本当に第九ができる、皆さんどうぞ楽しみにしてください」
岩村力「指揮者の岩村力と申します。今回はですね、合唱とかたまにオペラとかもやりますけれども、朗読と、それからお芝居。オペラともちょっと違うけれどフルオーケストラが入る…多分今までになかった一つの融合っていうんでしょうか。お芝居が好きな方、朗読が好きな方、もちろんフルオーケストラを聞きたい方…そういった方々がオペラシティが集まったときに何か新しいものが見えてくる…未だに恥ずかしながら全貌がわかってないんですけど、これは稽古が始まってからですね、いろいろ作っていくものなんだろうなと。グランドフィルハーモニック東京さんは指揮をさせていただくのは初めてで、この辺の相性も非常に大事なんですが、とても楽しみにしておりまして。ただポンとやるだけじゃなくて、ちょっと抜粋版であったり、ときに第五の「運命」の1楽章の最後をちょっと…楽譜の調整が大変なものになっておりましてですね、キャスト・スタッフ一丸となって作る…ベートーヴェンの生涯を、フォーカスしてお届けします。こういったコンセプトのものは世界で初めて。非常に楽しみにしています」
中川郁文「私事なんですけれども、今年で歌手になって10年というアニバーサリーになります。歌を始めたいと思ったのが私大学4年生の頃です。1人で東京に…第九の演奏だけを聞くために新幹線に乗ったという思い出がございまして、その流れで大学院に無事合格しました…一番自分が心が動いてるというか、衝動的に何か感じたのが第九でした。メロディを聴いて『歌いたいな』と。また新しい一歩10年目の次の一歩として第九ができることを誇らしく思います。私もとても楽しみにしています」
林 眞暎「記者会見というのが私初めてですごく緊張しています。本当に素晴らしい方々と共演させていただくことを本当に光栄に嬉しく思っております。ベートーヴェンの第九は日本の”伝統芸”年末年始には必ず日本のどこかで第九が演奏されています。ソリストとして頑張らせていただきます」
大山大輔「林さんのお話もあったように、日本というのは、世界中どこを見ても、日本ほど第九を演奏してる国はありません。もうこれは本当にすごいこと、しかも暗譜して歌える、これってすごいこと。世界平和を願ってる、平和を祈る。この第九を朗読劇で、また日本人が第九を更に深く知るという素晴らしい機会だと思います。ぜひお越しいただければと思います」
なお、今回会見に出席できなかった伯爵令嬢ジュリエッタ役の井上玲音からコメントが到着、読み上げられた。
「交響曲「第九」200周年記念祭への出演のお話をいただいた時、自分で合っているのかと思うほど衝撃でした。豪華キャストの皆さんと共演させて頂く機会は中々ないと思いますので、沢山勉強させて頂きたいと思いました。普段アイドル活動をしているわたしにとっては新境地なので、どんな内容になるのかとても楽しみです。ベートーヴェンは小学生の頃、肖像画を見て気難しそうだと思っていたのですが、今では様々な曲やメロディを聴いて繊細な心の模様が伺えて印象が変わっています。今回は朗読で、ベートーヴェンの心を奪ったジュリエッタ役を演じさせて頂くので、精一杯努めさせて頂きます!」
最後に田代万里生が公演アピール。
「実は今日この会見の後に稽古が始まるので、メンバーが今、集結し、皆さんの思いを伺ってますます楽しみになりました。今回何が一番すごいかというと、やっぱり第九の世界初演から200年たって、当時も5月7日、全く同じ5月7日に今回日本で200年ぶりに上演するということになります。そして当時、200年前にウィーンで上演された劇場というのは、もう今は現存されていないんですけれども、僕はウィーンに行ったときにウィーン劇場というところに行きまして、そこはベートーヴェンさんが実際に芸術監督をされたところ。そこでは、後にミュージカル『エリザベート』などが世界初演をされていて、時代は繋がっているんだなと実感しております。200年ぶりにこうやって改めて、新しい形で、お祝いの気持ちで、皆様にお届けできたらなと思います。ぜひお越しください」
概要
公演名: 交響曲「第九」200周年記念祭「歓喜のうた」メモリアルコンサート
ルードウィヒ・B
〜 HEART SONG (運命の扉は開かれた) 〜
日程: 2024年5月7日(火) 14:00 /18:00
会場: 東京オペラシティ コンサートホール
企画・構成: モトイキ シゲキ
出演:
朗読
ルードウィヒ・B・ベートーヴェン:田代万里生
伯爵令嬢ジュリエッタ:知念里奈/井上玲音(Wキャスト)
秘書シンドラー:秋野大作
リヒノスキー侯爵:下村青
ブロイニング家の夫人:黒田こらん
弟子 リース:小笠原海(超特急)
母マリア/亡霊レオノール:真野響子
演奏
ベートーヴェン:交響曲第9番 「合唱付き」 作品125(抜粋)
ベートーヴェン:歌劇「フェデリオ」序曲 ほか
岩村 力(指揮)
中川郁文(ソプラノ)
林 眞暎(アルト)
吉田浩之(テノール)
大山大輔(バリトン)
グランドフィルハーモニック東京(管弦楽)
グランドフィルハーモニッククワイア(合唱)
問合 :https://supportform.jp/event (平日10:00〜17:00)
※問合は240時間受信、対応は営業時間内
主催: 「第九」200年祭「ルードウィヒ・B」公演製作実行委員会
企画制作: プロデュースNOTE/アーツイノベーター・ジャパン
後援: TOKYO FM
協力: グランドフィルハーモニック東京/東京文化ライオンズクラブ
助成: 文化庁・文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業)
公式サイト: https://no9.200th.jp/