昨年8月初演の東北6大祭りを素材とする祭りエンタ-テインメント・祭シアター「HANA」が2024年8月3日から9日まで、あきた芸術劇場ミルハス(秋田市)にて開催決定。
本公演は全国から2,000名の子どもたちを無料招待し、保護者には半額の観劇料を補助(文化庁 子ども舞台芸術体験支援事業補助金)。
公演期間には秋田竿燈まつりの開催も。
公演チケットは先行抽選販売中。
祭シアター「HANA」は東北6大祭りを体験できる、全席参加型の祭エンターテイメント。1席ずつ参加型のアイテムが備えられ、太鼓シート、提灯シート、うちわシートという3種類の席種ごとで異なる体験を味わえ、客席全体が祭り空間に包まれる劇場空間は、祭シアターの最大の魅力。初演時には、国や民族、世代などあらゆるボーダーを超えた多様な観客層から絶賛の声が。物語は、東北を象徴する鬼とこけしの精オハナの恋の物語がセリフのないノンバーバルで描かれ、震災やパンデミック、紛争の絶望の中からも人々が希望を生み出していく再生のストーリー。
公演に先駆けて体験会が行われた。舞台映像に合わせ、太鼓を叩いたり、提灯を上げたりする体験型の試写会で、案内人のおかしこ役の導きで、祭シアターの太鼓シートや提灯シートの魅力を疑似体験。
スクリーンで公演の様子を見つつ、渡辺哲の合図で太鼓を叩いたり、あるいは提灯を点灯したり。物語の主軸は鬼とこけしの精・オハナの恋愛。2人(?)のダンス、心のやり取りがエモーショナル。そして、”祭シアター”と銘打ってるので、”祭り”がふんだんに!青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠祭り、仙台七夕祭り、福島わらじ祭り。これらの祭りをリアルに回るのは難しいが、ここでは一度に!日本のお祭りの本来の目的は「神様に感謝する」こと。 「祭り(まつり)」という言葉の語源も「祀る(まつる)」です。 神を慰め、祈願すること、またはその儀式を指し、土着の神様、神道または仏教に由来。祭りは「ハレ」であり、華やかに執り行うことで「ケ」をリセットする意味も。ここは大人は童心に帰って無心に。
前回公演より
体験会の後、アフタートーク。登壇したのは横内謙介(脚本・構成)、ラッキー池田(振付)、栗城宏(演出)、今村晋介(一般社団法人わらび座 代表理事)、渡辺哲(俳優、おかしこ役)。初演は昨年、コロナ禍。
まず、今村晋介から作品の解説。「わらび座にしかできないもの」を模索し、「HANA」が誕生。東北の祭りをノンバーバルのエンタメに。「基本的には若い鬼とこけしの精のオハナが恋をするるという話を軸に、東北6大祭りが震災やコロナ戦争などによって祭りができなくなってしまう。それを人の手で復活させていくっていうような大きなストーリーがあってそれをセリフなしでやっておりますのでいろんな解釈があるかと思います」と語る。今年は秋田の竿燈まつりに合わせての日程になる。また、文化庁の補助金の採択が決定したとのことで、全国の子供1000名を抽選で招待、保護者は半額となる。「祭りには、人間のドラマや生きるエネルギーがあります。もっと磨き上げて秋田に人が集まるようなコンテンツに仕上げていきたい」と語った。
脚本・構成の横内謙介は「どうしても言葉で語りたくなっちゃう。でも今回、ノンバーバルでそれを封じられたことで、それが感じるものに変わってくる。頭で理解するものであり、体感するものだから子供は子供なりに体感し、大人は大人なりに体感する。これからもいろんな手を尽くして、さらに良くなっていく部分もいっぱいあるんだろうと思うんでこれからぜひ皆さんに育てていただけたらなというふうに思います」と語った。
振付のラッキー池田は「お盆には亡くなった人が帰ってきます。あそこでもしかしたら踊ってるのはうちの家内じゃないかとか、そういうことで傘を深くかぶって、後ろ姿が似てたりとか…もしかしたら本当に実際に帰ってきてるんじゃないかとか。横内さんはこの現代と過去と未来を繋ぎ合わせる作品を書かせたらもう天才!僕が踊りを始めた頃は、アメリカのストリートで黒人たちが踊っていたものがようやく少しずつ少しずつステージに上がり始めた頃。今踊ってるこのお祭りってのはやっぱり元々はストリート。これを舞台の上に形として残していくという作業を、わらび座の皆さんが、ものすごい努力でこれを繋いでいる。何かが伝わってくるっていうものになってよかったなと思っています。ぜひ秋田にお越しください」
演出の栗城宏は「改めて日本の郷土芸能を具体化、いろんな意味で今のわらび座の大切なものをすごく宝物に光を当てて…たった10枚の台本ですけれども、そこに書かれているたった1行の言葉が胸を打つんですね。わらび座は20歳の研究生の若者から、わらび座の歴史とともに生きている72歳のおじいさんがいるんですけれども、みんなで一つになって、暑い夏、舞台最高のものを作ろうという気持ちで臨めた。パワーをお客様からもスタッフの皆さんからも頂けた、今年もブラッシュアップしながら、さらに良いものにしたいと思っております」と語る。
俳優の渡辺哲は「昨年の秋田は異常に暑かった、ちょっと外に出て歩くのやばいぞっていうぐらいの暑さでそれと同時に劇場の中も非常に熱かった。昨年この舞台通して、本当にお客様と一緒に会場で太鼓を叩いたりしたことがものすごく嬉しくて本当に一体感を持てた。さらに舞台を良くしていこうと頑張って作っています。私も去年とちょっと役どころを変えながらまた今年も出演します。ぜひまた熱い秋田に来ていただければなと思っております」
それから質疑応答、去年、振付で苦労した点を聞かれてラッキー池田は「男性だけで踊るシーンがあるのですが、ものすごい高度な踊りで、何名かがついてこれない…でも頑張って…うまくいきまして。あと、各地域の踊り、先生が厳しく、ものすごい細かくチェック入る、もうそれぞれの地域のもういろいろな思いがあって…。6つの祭りを一つにまとめてやるっていうことはない。あと、秋田のミュージカルとか踊りをやってる子供達が参加してくれまして。もうこの子たちがこのわらび座のこと好きになっちゃって、他の公演を見にきてくれたり。そうやって子供達に繋がっていくんじゃないかなと思います」
また、ノンバーバルは、グローバルな作品にすることも可能。
今村晋介は「ぜひ海外にも行きたいなと思ってて…まずは東京かなとかって思ってます」と語る。インバウンドで東京には多くの観光客が訪れている状況。そこで課題になってくるのが「お金」だが、「わらび座だけでやるのではなく、いろんな方々と、盛り上げていきたいなと…最終的には、秋田など人が集まるようなそういうふうな落としどころでやっていきたい」とコメント。
太鼓や提灯で客席も盛り上がれる祭シアター「HANA」。夏真っ盛りの8月、一度に6つの東北の祭りを堪能したい。
祭シアター「HANA」について
祭シアター「HANA」は東北6大祭りを体験できる、全席参加型の祭エンターテイメントです。1席ずつ参加型のアイテムが備えられ、太鼓シート、提灯シート、うちわシートという3種類の席種ごとで異なる体験を味わえます。客席全体が祭り空間に包まれる劇場空間は、祭シアターの最大の魅力です。初演時には、国や民族、世代などあらゆるボーダーを超えた多様な観客層から絶賛の声が寄せられました。物語は、東北を象徴する鬼とこけしの精オハナの恋の物語がセリフのないノンバーバルで描かれ、震災やパンデミック、紛争の絶望の中からも人々が希望を生み出していく再生のストーリーが大きな感動を呼びました。
概要
日程・会場:2024年8月3日〜9日 あきた芸術劇場ミルハス
わらび座公式サイト:https://www.warabi.jp