G2が長年構想を温めてきたオリジナル・ミュージカル 『モンパルナスの奇跡〜孤高の画家モディリアーニ〜』が6月15日〜23日に東京・よみうり大手町ホールにて開幕。
20世紀初頭、モンパルナス界隈の芸術が溢れかえっていた時代。芸術界において“稀代の美男芸術家”と言われるアメデオ・モディリアーニを浦井健治が演じる。彼の才能に惚れ込み、支え続けた詩人レオポルド・ズボロフスキーに稲葉友。本格ミュージカル初出演となる。また、モディリアーニの運命の女性であり、彼の多くの絵画のモデルにもなっているジャンヌ・エビュテルヌを宮澤佐江、浦井とも 3度目の共演。
そのほか、モディリアーニの晩年の作品で度々モデルを務めたルニア・チェホフスカに秋本奈緒美、ズボロフスキーの妻アンナ・ズボロスカヤに福田えり、デカーヴェ警部に俵和也、画商のポール・ギョームに大津裕哉、モディリアーニが入り浸っていたカフェの主人ヴィクトル・リビオンに鎌田誠樹。
音楽は、ミュージカル『SPY×FAMILY』や音楽劇『ブンとフン』など多くの作品をG2と手掛けた周平が再タッグ。様々なコンサートで活躍している、榊原大がピアノを、川口静華がヴァイオリンを、奥泉貴圭、山崎太陽がチェロを生演。
アコースティックな曲に合わせて登場人物たちがゆっくりと登場する。それから始まる。「売ってくれ!」「売ってくれ、モディリアーニの絵を!!」物語の出だしはモディリアーニ(浦井健治)死去、彼の絵が高い値で買いたい人々が画商であるズボロフスキー(稲葉 友)のところにやってくる。「いくら積まれても答えは同じです、帰れ!」妻のアンナ(福田えり)は夫に言う、「絵を売るのが仕事でしょ」と。
時間は遡る、ズボロフスキー夫妻、妻はモディリアーニのモデルを引き受けたというが…ただし、ヌードモデル、夫はびっくりして「なんだって?!断ってくるよ」、普通のリアクション。そしてモディリアーニのところへ行き、彼の絵を見て愕然とする、その才能に。そして家に帰り、妻に「モデルをやるべきだ」、妻は「?!」。モディリアーニとの出会いがこの夫婦の運命を変える、それほどの才能。モディリアーニはイタリア人、1906年1月、パリへ移住し、モンマルトルの画家たちと知り合い、1909年、モンパルナスに移る。1914年、パリでも著名な画商であったポール・ギヨーム(大津裕哉)と知り合い、ポーランド人画商のズボロフスキーと専属契約を結ぶ。彼は詩人だったが、モディリアーニの溢れんばかりの才能を見出し「彼の絵は詩だ!!」と叫ぶ。そして自ら彼の専属画商に。さらに画家の地位向上をも目指す。専属画商になったはいいが、思うように売れない。不摂生なモディリアーニ、酒浸り。恋人であり、モデルのジャンヌ・エビュテルヌ(宮澤佐江)、運命の女性。
よくモデルを務めていたルニア・チェホフスカ(秋本奈緒美)、気品のある女性で聡明だ。1幕では主要人物の立ち位置、人物像などが語られる。そして1幕の幕切れ、個展を開こうと考えるズボロフスキー、モディリアーニを説得する。2幕はその最初で最後の個展から始まる。これが警察沙汰になる。また時代は第一次世界大戦に突入、そういったところも描いている。
史実に沿って進行、モディリアーニの生涯はジャンヌを含めて半ば伝説化、映画は『モンパルナスの灯』(1958年/主演:ジェラール・フィリップ)、『モディリアーニ 真実の愛』(2004年/主演:アンディ・ガルシア)がよく知られている。モディリアーニの作品の大半は大部分が1916年から1919年の間に集中して制作、ほとんどは油彩の肖像と裸婦。舞台上にも、彼の絵が登場する。一度見たら忘れられない特徴的なタッチ、誰しもがどこかで必ず見たはず、それほどまでに著名な絵の数々、改めてモディリアーニの天才ぶりがわかる。
ズボロフスキーとの友情、真剣だからこそ、時には言い合いにもなる。またジャンヌへの愛は深く、家庭を持とうとしたという。短い生涯を駆け抜けたモディリアーニ、浦井健治が安定した歌唱と芝居で体現する。友人であり、画商のズボロフスキー演じる稲葉友、なんとミュージカルはお初、浦井健治や宮澤佐江、福田えりといったミュージカル実力俳優陣の中に入っても堂々たる歌いっぷり。
天才画家と彼を取り巻く人間模様、そこにあるのは「愛」。芸術への愛、家族、隣人、恋人への愛、その愛の形、史実を調べればわかるが、衝撃の結末。そして大戦では、空襲の様子も描かれる。1920年1月24日、その短い生涯を閉じる。彼のそんな人生を多彩な楽曲で彩る。生演奏、という贅沢さ。まさに愛に生きたモディリアーニ、上演時間はおよそ2時間。なお、配信(千穐楽から1週間の期間限定のアーカイブ配信)も用意されており、DVDも発売される(2024年12月頃発送予定)。
なお、公開ゲネプロ終了後に簡単な会見が行われた。
秋本奈緒美「このキャスト、スタッフと濃い時間を過ごしてまいりました。『モディリアーニ』の目撃者になっていただけたら。千秋楽まで、このメンバーで!」
宮澤佐江「お稽古場から通し稽古を何回もさせて頂きまして色々苦労がありました。やればやるほど、やっていってうちにどんどんその作品の魅力がいろんなところにあることを発見することができました。ぐって涙をこらえる瞬間も…本当に毎回自分の中で違ったり…今日は感情が爆発してしまったので、初日に向けて最後、調整し直したいと思っております。G2さん、浦井さん始め本当に素晴らしいスタッフ、素晴らしいキャストの皆さんと一緒に本当に濃密な時間を今日まで過ごしてきました。そのチームワークにはすごく自信があるので、見に来てくださった方1人1人の心に届けられると思っております。頑張ります!」
稲葉 友「本当に素敵なチーム、すごくすごく高いレベルの方々と…とても幸せです。よろしくお願いします」
浦井健治「本当にキャスト8人、具体的に11人体制なんですけれども…実は作品の中で、今の時代に向けたメッセージというものが、オリジナル作品だからこそ、G2さんが本当にピュアに描いてくださっている…(戦争など)大変なこととかがある時代ですけれども、だからこそ芸術を通した情熱や希望というものをこの作品に背負わせながら、お客様に毎回毎回お届けできたらなと。そして、目を見ればみんな安心するメンバーなので、時間がないとかそんなことは関係なく、臨機応変に対応も…。まず、全員でしっかりとやっていきたいと思います。よろしくお願いします」
G2「私が書いたんですけど私の作品の解説は浦井さんがおっしゃって(一同、笑)…浦井さんが言った通りの思いでやりました。ぜひ楽しんでいただきたい。ありがとうございます」
物語
第一次世界大戦下のパリ。
無名の画家モディリアーニは孤高の画風で批評家を寄せつけず、毎夜カフェで客をスケッチし売り歩いては日々をしのいでいた。ポーランドの若き詩人・ズボロフスキーはモディリアーニの絵に感動し、彼を成功に導こうと自ら画商に転身する。だが、前途には想像を超えた障壁が待ち受けていた。
パリ・モンパルナスの街で繰り広げられる、ふたりの男の友情と葛藤、愛と裏切り、警察沙汰、戦争の影、生と死。やがてモディリアーニはうら若き女性ジャンヌとの愛にのめり込み、衝撃のラストへと突き進んでいく。
概要
タイトル: ミュージカル『モンパルナスの奇跡 〜孤高の画家モディリアーニ〜』
日程会場: 2024年6月15日(土)〜6月23日(日). よみうり大手町ホール
脚本・作詞・演出: G2
作曲・編曲・音楽監督: かみむら周平
出演:浦井健治
稲葉 友 宮澤佐江
福田えり 俵 和也 大津裕哉 鎌田誠樹 / 秋本奈緒美
企画製作: エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ
後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
主催: エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ/読売新聞社
問合: https://supportform.jp/event (平日10:00~17:00)
オフィシャルHP:https://montparnasse-musical.com/