『松平健 芸能生活50周年記念公演』@明治座 伊藤純奈 インタビュー

『松平健 芸能生活50周年記念公演』が7月6日より明治座にて上演される。
第一部で上演する「暴れん坊将軍」は、八代将軍・徳川吉宗が、貧乏旗本の三男坊・徳田新之助として庶民の暮らしに紛れながら、江戸にはびこる悪を成敗する痛快時代劇。第二部「マツケン大感謝祭~歌って踊って~オーレ! 」は日本人なら誰でも知ってるマツケンサンバⅡを含む松平さんの歌の魅力に迫るショー!この公演に第一部では「田舎から出てきた娘・おちか」を演じる伊藤純奈さんのインタビューが実現。「暴れん坊将軍」「マツケン大感謝祭~歌って踊って~オーレ! 」稽古真っ只中、作品や共演の方々、また「マツケンサンバⅡ」について語っていただいた。

ーーオファーを受けた感想を。

伊藤:松平健さん、しかも代表作の『暴れん坊将軍』……あまりにビッグネームすぎて「え?私?」と……。お話しをいただいた時には、記念公演があるのは知ってましたし、出演している方々も有名な方ばかりなので、「私も一緒でいいんですか??」と思いましたが、「嬉しいです」とお返事をさせてもらいました。長期の公演も初めてなので、ワクワクだなという気持ちがあります。

ーー松平健さんは日本人で知らない人はいないくらい。

伊藤:若い人からご年配の方まで。

ーー『暴れん坊将軍』自体も知らない人はいないですよね。

伊藤:本当にそうですよね。

ーー海外の方も知ってるかもしれない(笑)

伊藤:ご覧になれば、絶対わかる!「マツケンサンバⅡ」、海外の方も、もちろん知ってると思います。今も稽古で「松平さんがここに入られます」って言われるとドキッとします。

ーー『暴れん坊将軍』のテレビシリーズは見たことはありますか?

伊藤:実は私はテレビでは見たことがなかったのですが、おばあちゃんやお母さんがテレビでずっと見てた世代なので大興奮で。

ーー出演が決まった時、お母さんやおばあさんが一番喜んだのでは?

伊藤:ほんと、そうなんですよ(笑)。「え?!」って「あの『暴れん坊将軍』なんだ」って「すごい!!」って大興奮!(笑)。私が舞台に出演する時は必ず1回は見てくれるんですけど、今回は2回、3回見ると……とても喜んでました(笑)。

ーーおばあちゃん孝行ができますね。

伊藤:本当に。お弁当も「予約するよ」って言ってました(笑)。

ーー役柄についてですが、「田舎から出てきた娘『おちか』」について。ネタバレにならない程度にどんな役で、おちかは物語の中でどんな役割なのでしょうか。

伊藤:田舎から一人で出てきて、新さんと出会って、その流れで、め組でお世話になります。そこでいろんな人々と交流を深めていくという役柄です。稽古の最初の方では、おちかは、か弱くて守られている感じだったのですが、演出の細川さんが稽古を進めていく中で、私の性格を見て、か弱いところから成長してだんだん強くなっていく様子を入れてくださって。『見てくださっているんだな』ってすごく嬉しかったです。みなさんの稽古を見ていても、一人ひとりのキャラクターに合わせて、セリフを変えたりと、舞台の上で生きやすいように、細川さんが考えてくださっているのを感じる稽古の毎日です。

ーー共演の方々、いろんなかたがいらっしゃいますね。辰巳さんは演歌歌手、北翔海莉さんと音波みのりさんはWキャストでお二人とも宝塚歌劇団出身、荒木健太郎さんがスタジオライフ出身と、バラエティが豊かです。

伊藤:本当にそうですよね。今までいろんな舞台に出させていただきましたが、ここまでバラエティ豊富で、いろんなジャンルの方がそろっているのは初めてです。お話してても、みなさんバックボーンが違うと言うんでしょうか。辰巳さんは演歌の世界にいらっしゃるからなのか、年上の方々とお話しするのがナチュラルで。私は常に気が張ってて、「しっかりしなきゃ!」って思ってしまうので見習おうと思いました。荒木さんは「ここのセリフはこういうのがやりやすくない?」とか、いろいろアドバイスをくださってめちゃくちゃ助かっています。でもまだ稽古が始まったばかりで、そんなにわちゃわちゃ喋ってる感じはないので。だからみなさんの様子をちょっと見てみたいですね。

ーー北翔海莉さんと音波みのりさんは女性しかいない劇団で荒木健太郎さんはスタジオライフで逆に男性しかいない劇団。

伊藤:確かにそうですよね。面白いですよね!

ーー北翔さんは元男役で、音波さんは元娘役でダブルキャストですね。お二人の印象はいかがですか?

伊藤:私、北翔さんと音波さんとはまだお会いしてなくて。だからどんな感じなのかなとか、気になるんです。北翔さんと音波さんは「お佳代」という役ですが、私が演じる「おちか」が最初に出会って物語が動き出すので、どんな感じになるのか、すごいわくわくしています。

ーーそして、第二部は「マツケン大感謝祭~歌って踊って~オーレ!」。やはり『マツケンサンバⅡ』もあると思いますが、これを見ずしては帰れません(笑)。

伊藤:そうですね(笑)。先日、みんなで振り入れをしました。『マツケンサンバⅡ』はもちろん観たことはありますし、「こういう感じなんだろうな」とイメージはあったんですけど、実際踊ってみると「あ、こういう細かい振り付けしてたんだ」って初めて気づいたんです。発見があって楽しかったです。

ーーポーズを決めて、腰の振り方が独特ですよね。上体をまっすぐにし続けるのが意外と難しいのではないかと思います。

伊藤:わかりやすい動きに反して難しいですよね。実は細かいところまで振付が決まっているんです。私は今までダンスをたくさんやってきましたけど、どちらかというと感覚で動いてしまうタイプ。なので「左足!」「右足!」と頭を使うことになって、とても考えてしまうんです。さらに、ポジションが入れ替わって曲が展開していくので「やってみると難しいなぁ!」と思いました。

ーー走って止まるところはピタッと止まらないと。

伊藤:だから想像よりもずっと頭も使う曲で、実はハードなんですよ(笑)。集中して、なおかつ明るく楽しい雰囲気は忘れずに取り組んでいます。

ーーとはいえ、お客様にとっては「生のマツケンサンバⅡ」が公演の大きな見どころでしょう。

伊藤:本当ですよね!もう、それこそ母親とかおばあちゃんとか、友人も「マツケンサンバⅡを踊るの!?」「絶対観に行く!」って言ってたくらいですから(笑)。みんなやっぱりキラキラのお着物を着てる松平さんを観たいんだなあ、と。画面越しでさえあの様子なんだったら、生で観たら本当に衝撃的だと思います。私も客席側で観たいくらい(笑)。「1公演だけ、お願い!」って頼みたくなる(笑)。

ーー松平さんとは稽古でご一緒したのでしょうか。

伊藤:それが、まだなんです。

ーーそれなら逆に楽しみですよね。

伊藤:松平さんがいらっしゃったらまた変わってくるでしょうし。松平さんが来てくださるタイミングで、また気持ちも新しくできるなと思っています。学ぶこともたくさんあると思いますので。すごく楽しみです。

ーーでは、最後にメッセージを。

伊藤:「暴れん坊将軍」「マツケンサンバⅡ」、みなさんが知っている題材を生で観られるというのは一生の思い出に残るものと思います。私もその一員として、少しでもお力添えできればと思っております。劇場で、お待ちしております!

ーーありがとうございました。公演を楽しみにしています。

あらすじ
八代将軍・徳川吉宗(松平健)は身分を隠して「貧乏旗本の三男坊・徳田新之助」と名乗り、若き組頭・長三郎(辰巳ゆうと)と母・なつ(白石まるみ)が取り仕切る、め組の居候として振る舞っている。
新之助がいつものように町へ繰り出したある日、町娘・お佳代(北翔海莉、音波みのり/Wキャスト)と出会う。そこへ田舎から出てきた娘・おちか(伊藤純奈)がやってきて……。
そんな折、「近頃、辻斬りが出て物騒だ」という噂を耳にした吉宗は、側用人・田之倉孫兵衛(真砂京之介)の小言もよそに、御庭番衆(荒木健太郎・真島なおみ)と共に探索を始める。そこには黒須藩主・春昌(丹羽貞仁)とその重臣・仙右衛門(笠原章)をめぐる、江戸を揺るがす大きな陰謀が渦巻いていた──。

概要
公演名:松平健芸能生活50周年記念公演
日程・会場:2024年7月6日(土)~31日(水)  明治座
第一部「暴れん坊将軍」©東映
脚本・演出:細川徹
第二部「マツケン大感謝祭~歌って踊って~オーレ! ゲスト辰巳ゆうと、北翔海莉、音波みのり」
構成・演出:細川徹
出演:松平健
辰巳ゆうと / 北翔海莉(Wキャスト)音波みのり(Wキャスト)/伊藤純奈 荒木健太郎
丹羽貞仁 真砂京之介 真島なおみ / 白石まるみ 笠原章
HP:https://www.meijiza.co.jp/info/2024/2024_07/

取材:高浩美

伊藤純奈撮影:金丸雅代

構成協力:佐藤たかし